自主勉強・読書に使えるノートの書き方3選

わかりやすいノートの書き方1

「ノートの書き方」は、資格試験の勉強に励むビジネスパーソンや、専門の勉強に取り組む大学生など、学習に取り組んでいるすべての人にとって切実な課題でしょう。

  • 一生懸命ノートをまとめたのに、大事なポイントがなかなか身につかない。
  • 復習しようとノートを開いたら、何が記入してあるのか自分でもわからなかった。

……という経験は、あなたにもきっとあるはず。メモの仕方・ノートの書き方ひとつで、勉強効率の良し悪しは大きく左右されます。

学習効果の高いノートを書くには、どんな工夫をすればいいのでしょうか? ノートの書き方の基本的なコツに加え、有識者が実践している効果的なおすすめノート術も合わせて学んでいきましょう。

ノートの書き方のコツ5つ

自主勉強の効率が高まるノートの書き方には、どのような条件があるのでしょうか? 『残業ゼロのノート術』(きずな出版、2019年)など数々のビジネス書を著した石川和男氏、「勉強法作家」の吉永賢一氏らの知見をもとに、5つの基本的なコツをご紹介します。

他人の言葉をそのまま写さない

講師や本などから学んだ知識を、そのまま丸写しするようなノートの書き方はNGです。「知識をかみ砕いて理解する→自分にとってわかりやすい言葉に置き換える」というプロセスを経ることで、記憶に残りやすくなります。

“自分の言葉” というのは、いつも使っている平易な言葉のこと。たとえば、「マーケティング」という言葉の意味を「商品・サービスを生産者から消費者へ円滑に移転するためのビジネス活動」と堅苦しい表現で覚えるよりも、「商品・サービスがたくさん売れるようにする活動」と解釈したほうが、理解も暗記もやりやすいですよね。

あとで復習することを考えても、自分が理解しやすい言葉でノートに書くほうが、学習内容を思い出しやすくなるはずです。

誰が読んでもわかるように書く

2つ目のポイントは、他人が読んでもわかるように書くこと。「自分さえ読めればいい」という意識でノートを取っている方は多いでしょう。たしかに、ノートを他人に見せる機会はほとんどないわけですから、“他人が読んでもわかるように書く” 必要性はあまり感じないかもしれません。

しかし、ここでの “他人” とは、復習をする「未来の自分」のこと。ノートを取っている「今の自分」は、まだ記憶が新しい状態なので、多少乱雑なノートでも意味を理解できます。しかし、数時間~数日後の「未来の自分」は、記憶が薄れた状態でノートを読むのです。「自分さえ読めればいい」というスタンスで書かれたノートは、当の自分でさえ読めなくなってしまう恐れがあるのです。

しかし、誰が読んでも理解できるくらいのわかりやすさを意識すれば、自分が復習するときにも読みやすいノートに仕上がります。

きれいにまとめようと頑張りすぎない

「誰が読んでもわかるように書く」といっても、あまりにきれいにまとめようとするのも良くありません。きちょうめんな人ほど、何色ものペンを使い分けたり、レイアウトにこだわったり、一文字一文字丁寧に書いたりして、「美しいノートづくり」に固執しがち。見た目のクオリティを意識しすぎて、最大の目的である「学習内容の定着」が二の次になってしまうようでは、本末転倒です。

大前提として、学習に使える時間は無限ではありません。試験までの日数があまりない場合や、授業中にすばやく板書をしなければならない場合は、なおさらでしょう。限られた時間で効率的に知識をインプットする、という観点で考えれば、ノートの見た目の美しさは最小限にとどめ、必要な情報を的確に書き込むことに注力したほうが、合理的なのです。

「その場主義」を徹底する

ノートをまとめるうえで絶対にやってはいけないのは、「あと回し」にすることです。

授業中に板書が追いつかず、「あとでちゃんとまとめよう」と、キーワードだけを走り書きしておくことがあるかと思います。しかし、私たちの記憶は、時間とともにどんどん忘却されていくもの。きちんとノートを書かないまま数日が経過すると、授業の内容が頭から抜け落ちてしまっているかもしれません。

こうした事態を防ぐためのルールが「その場主義」です。授業で聞いた内容は、その場でノートに整理する。テキストで理解した内容は、その場でノートに落とし込む。

どうしても「その場」でまとめる時間がなかったとしても、少なくとも当日中には時間を見つけ、ノートを完成させましょう。「その場主義」でノートを完成させることを徹底すれば、「あのときちゃんとノートを取っていたらなぁ……」という後悔を減らせるのです。

余白をつくる

ノートを取る際は、紙面をびっちりと埋めつくさず、ある程度の余白を残しましょう。復習中、気づいたことや補足事項を書き込むためのスペースです。特に、問題集に取り組む際は、答え合わせの段階で補足説明をメモすることになるため、大きめの余白を確保しておきましょう。

ノートの書き方としては、以上の5点が基本です。

わかりやすいノートの書き方2

わかりやすいノートの書き方3選

ノートの書き方の基本を理解したら、「応用編」として、各界の有識者が実践する「わかりやすいノートの書き方」も知っておきましょう。気に入ったものを取り入れてみてください。

マインドマップ

まず紹介するのは「マインドマップ」。キーワードをノートの上下左右に散りばめ、ネットワーク状につなげていくノート法です。

わかりやすいノートの書き方として定番の「マインドマップ」。「読書術」をテーマにしている。

(画像引用元:STUDY HACKER|「読書×マインドマップ」で学びが圧倒的に加速する! やっぱり書くのは最高だった。

上の図は、粂原圭太郎氏の『偏差値95、京大首席合格者が教える「京大読書術」』(KADOKAWA、2019年)という本の読書記録を、マインドマップで表したものです。「読書術」という最重要のキーワードが中心に置かれ、「読み方」「選び方」「アウトプット」「メンタル」という4つのキーワードとつながっています。その4つから、さらに項目が枝分かれしていくのです。

ちなみに上の図だと、以下のようなルールでペンの色を分けています。読み返すときに理解しやすくなりますね。

  • 黒:本から得た知識
  • 赤:自分で気づいたこと

一般社団法人学びコミュニケーション協会代表理事の内山雅人氏によると、マインドマップの利点は、自分の思考の流れをそのまま視覚化できること。普通にノートを書くと、情報が上から下へ直線的に記述されていくため、情報同士の関係性が見えづらくなってしまいます。四方八方に言葉をつなげていくマインドマップなら、脳内で展開されたとおりに思考の広がりを表現できるのです。

内山氏によれば、本の内容や読んだ感想をマインドマップでメモすることで、考えたことや気づいたことがそのままの流れで残るため、読み返したときに内容を思い出しやすくなるそうですよ。そのため、マインドマップは勉強用のノートだけでなく、読書ノートにもオススメです。

3ワードノート術

2つ目は、メンタリストDaiGo氏が紹介する「3ワードノート術」。3ワードノート術とは、インプットしたい情報を、3つの単語を使って要約する方法。暗記ノートをつくるときに活用できます。

たとえば、「マーケティングとは、商品・サービスを、生産者から消費者へ円滑に移転するためのビジネス活動である」と暗記したい場合、3ワードノート術を使って「商品・円滑・活動」と要約します。復習の際は、ノートに書いてある「商品・円滑・活動」という3つの単語をヒントにして、「マーケティングとは、~である」と思い出し、記憶の定着を図るのです。

わかりやすいノートの書き方である「3ワードノート術」。暗記ノートの作成に便利。

(画像引用元:STUDY HACKER|メンタリストDaiGo推奨「3ワードノート術」は記憶定着&思考訓練にホントに効く

DaiGo氏によると、3ワードノート術のやり方は以下のとおりです。

1. 本のタイトルを書く

まず、覚えたい知識が載っている書籍・テキストのタイトルを記入します。3ワードの答えがどうしてもわからないときは、この本を参照するのです。上の画像の例では、左上の「池上彰のやさしい経済学」が該当します。

2. ページ番号を書く

3ワードで表した情報が、本の何ページに記載されていたのかも書いておきます。上の画像では、「P14」と「P33」がページ番号です。

3. 情報を3つのキーワードで表す

覚えたい情報を、3つのキーワードで表し、書き込みましょう。上の画像では、

所得の多い人ほど税金の比率が高くなるのが累進課税で、所得税には累進性がある。税率が上がると収入の少ない人の負担の割合が高くなるのが消費税で、その性質を逆累進性という。

という知識を、

累進課税 消費税 逆累進性

という3つの単語で要約しました。

4. 復習する

暗記ノートを作れたら、それを使って復習します。3つのワードを見て、知識を完全なかたちで再現できるかどうか試しましょう。

ほぼ完璧に思い出せたら「○」を、できなかったら「×」を書き込んでいくことで、学習の進み具合を把握できます。大学生・社会人問わず、試験などに向けて自主勉強をしているすべての方にオススメしたいノート術です。

矢印ノート術

3つ目は「矢印ノート術」。『現役東大生が教える「ゲーム式」暗記術』(ダイヤモンド社、2017年)の著者・西岡壱誠氏が紹介する方法です。

矢印ノート術では、情報同士の関係性を矢印や記号で表します

  • 因果関係:豊臣秀吉の死去徳川家康の台頭関ヶ原の戦い
  • 対立関係:徳川家康石田三成
  • 関連性・類似性:徳川家康鳴くまで待とうホトトギス

矢印を使う場面として、西岡氏は「ノートに “ツッコミ” を入れる」場合も挙げています。“ツッコミ” というのは、ノートを書きながら疑問に思ったことや補足情報など、復習の助けになるコメントのこと。「←これはどういう意味なんだろう?」「←○○なので、ココは重要」とコメントを添えておくことで、あとで詳しく調べたり、知識を立体的いに理解できたりするのです。

矢印ノート術の考え方はマインドマップと似ていますが、一般的なノートの書き方にひと工夫を加えるだけでいいので、実践しやすいといえます。「まとめノート」をつくるのにおすすめです。

***
ノートの書き方には多くのバリエーションがあり、それぞれが一長一短です。目的に応じてさまざまなノート術を試しながら、自分に合った方法を見つけてください。

(参考)
吉永賢一(2010),『東大家庭教師の 結果が出るノート術』, あさ出版.
粂原圭太郎(2019),『偏差値95、京大首席合格者が教える「京大読書術」』, KADOKAWA.
リクナビNEXTジャーナル|この「勉強法」は、やってはいけない
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【ライタープロフィール】
佐藤舜
中央大学文学部出身。専攻は哲学で、心や精神文化に関わる分野を研究。趣味は映画、読書、ラジオ。人生ナンバーワンの映画は『セッション』、本は『暇と退屈の倫理学』。好きな芸人はハライチ、有吉弘行、伊集院光、ダウンタウン。

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