悪習慣をやめたい人が「やめよう」と念じる代わりにすべきたった1つのこと

大平信孝さんインタビュー「悪習慣は別の習慣に置き換えよう」01

喫煙に暴飲暴食、夜ふかし、スマートフォン依存などなど……「やめたい」と思いながらもなかなかやめられないことが、みなさんにもひとつやふたつあるはず。何度もやめようと挑戦しては失敗し、「自分はこういう人間だから……」と、なかには開き直っている人もいるかもしれませんね。

しかし、「目標実現のスペシャリスト」であるメンタルコーチの大平信孝(おおひら・のぶたか)さんは、「やめたいことは、ちょっとした意識の転換でやめられる」といいます。

構成/岩川悟 取材・文/清家茂樹 写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)

脳の仕組みとして、「やめよう」と思うとやめられない

習慣化には大きくふたつの種類があります。多くの人がまずイメージするのは、勉強や運動など、新たな習慣を日常に根づかせるというものでしょう。そして、もうひとつが寝る前にベッドのなかでずっとネットサーフィンをしてしまうとか、喫煙や過度の飲酒といった悪習慣をなくすというものです。

特に、「やってはいけない」ことをついやってしまうと、「またやってしまった……」という罪悪感や自己嫌悪感を覚えて、本人としてはなかなかつらいものがありますよね。

では、なぜやめたいことをやめられないのか? たとえば暴飲暴食をやめたいときに、「よし、暴飲暴食をやめるぞ!」と強く意識していませんか。これがそもそも間違いなのです。

なぜなら、人間の脳には「否定形を理解できない」というメカニズムがあるから。たとえば、「絶対に黄金のスマートフォンを想像しないでください」と言われたらどうでしょう? みなさんの頭には、金色に輝くスマートフォンのイメージが浮かんでいるはずです。「絶対にピンクのウサギを想像しないでください」なら? ピンクのウサギをイメージしていますよね。

つまり、暴飲暴食でもタバコでもお酒でも、「やめよう」と思っている時点で、脳はそれらを「続けている」ことをイメージしてしまう。結果的に、暴飲暴食やタバコやお酒が頭の中から消えず、なかなかやめられないのです。

大平信孝さんインタビュー「悪習慣は別の習慣に置き換えよう」02

悪習慣をなくすには、別の習慣に置き換えるしかない

では、どうすれば悪習慣をやめられるのでしょうか? じつは、ある習慣をなくすには、ほかの新しい習慣を身につけるしかありません。ひとつの習慣をただなくすことは非常に難しいため、それまでの習慣を別の習慣に置き換えるのです。たとえば、禁煙中の人がタバコを吸う代わりにガムを噛むということがありますよね? それがまさに習慣の置き換えです。

ただ、そのときに「本当はタバコを吸いたいけれど、ガムを噛んで我慢する」という発想ではうまくいきません。タバコを吸うこと自体が目的になったままだからです。そうではなく、タバコを吸うことの裏にある本当の目的にフォーカスする必要があります。タバコを吸う目的が「何かを終えた達成感を得る」という人だったら、達成感を得られる別のもので代替すればいいわけです。

過去、私が相談を受けた人に、缶コーヒーをやめられない人がいました。コンビニや自動販売機を見ると、つい缶コーヒーを買ってしまうのだそう。もうほとんど条件反射のようなものです。飲料メーカーからすれば最高の客ですが……(苦笑)、糖分がたくさん入っている缶コーヒーでは体にも害が及びますし、お財布にも優しくない。

私はその人に対して、「何を目的に缶コーヒーを飲んでいるのか」「缶コーヒーを飲むことで何を得たいのか」を訊いてみました。彼の答えは「ほっとひと息つきたいから」というものでした。

そこで私は、「今後は、コンビニや自動販売機を見たら深呼吸をしてください」とアドバイスをしました。深呼吸でも「ほっとひと息つく」ことには変わりありません。すると、その人が購入する缶コーヒーは徐々に減っていったのです。

大平信孝さんインタビュー「悪習慣は別の習慣に置き換えよう」03

最初から完璧を目指さず、三日坊主を繰り返せばいい

悪習慣をやめたいとき、多くの人は「その習慣がよくないもの」ということにしかフォーカスできていません。喫煙や過度の飲酒の場合なら、単純に「タバコやアルコールは体に悪いから」やめたい減らしたいと思っているのです。

そうではなく、やめたいと思っている習慣によって自分が何を求めているのか、何を満たしているのかというところにフォーカスして代替物を考えてみましょう。そうすれば、ただ悪いことだからやめようとするより、驚くほど楽にやめることができるはずです。

そういう意識の転換は、「新しい習慣に置き換えようとしたけど、結局はもとの悪習慣に戻ってしまった……」ときにも必要です。缶コーヒーをやめようとしている人なら、「今日からきっぱりやめる!」と考え、1本でも缶コーヒーを飲んでしまうと「また失敗した……」と考えてしまう。

そこで意識を転換しましょう。染みついた習慣はそう簡単に変えられるものではありません。でも、それまでの行動パターンを少しでも崩せたら、それでいいのです。週に10本も飲んでいた缶コーヒーが5本に減らせたら、出費も缶コーヒーから摂取する糖分も半分に減らせたということではありませんか。それだって、大きな変化です。

三日坊主でもいいじゃないですか。最初から完璧を目指すのではなく、何度も三日坊主を繰り返して、いずれ悪習慣をやめればいいのです。

大平信孝さんインタビュー「悪習慣は別の習慣に置き換えよう」04

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【プロフィール】
大平信孝(おおひら・のぶたか)
1975年生まれ、長野県出身。株式会社アンカリング・イノベーション代表取締役。第一線で活躍するリーダーのためのメンタルコーチ。中央大学卒業。会社員時代、自身がキャリア構築や部下育成に悩んだ経験から、脳科学とアドラー心理学を組み合わせた独自の目標実現法「行動イノベーション」を開発。これまで1万人以上のリーダーの人材育成・セルフマネジメント・キャリア構築に関する悩みを解決してきた他、アスリート、トップモデル、ベストセラー作家、経営者など各界で活躍する人々の目標実現・行動革新サポートを実施。その功績により、メディアからの注目も増加中。メルマガを毎日執筆し、オンラインサロン「行動イノベーションLabo」も運営中。主な著書に「先延ばしは1冊のノートでなくなる」(大和書房)、『「やめられる人」と「やめられない人」の習慣』(明日香出版社)、『本気で変わりたい人の行動イノベーション』(だいわ文庫)、『たった1枚の紙で「続かない」「やりたくない」「自信がない」がなくなる』(大和書房)、『今すぐ変わりたい人の行動イノベーション』(秀和システム)、『指示待ち部下が自ら考え動き出す!』(かんき出版)などがある。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。

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