課題解決できる人は “○○” が得意。BCG流・解決策を考える前にやるべき3つのこと

課題が解決したイメージ

「売上が伸び悩んでいる。どうすれば回復させられるだろうか……」
「新製品の知名度を上げるには何をすべきだろう……」

仕事は問題解決の連続ですが、有効な解決策を考え出すのは難しいものですよね。

課題解決を本業とするコンサルティング会社の社員たちは、問題解決の前段階である「問題設定」にも巧みな技術を発揮しています。問題設定は、解決すべき課題や達成すべき目標を明確に定めるための重要なステップ。

今回は、BCG(ボストン コンサルティング グループ)出身者が提唱するBCG流の問題設定法をご紹介します。

【ライタープロフィール】
髙橋瞳
大学では機械工学を専攻。現在は特許関係の難関資格取得のために勉強中。タスク管理術を追求して勉強にあてられる時間を生み出し、毎日3時間以上勉強に取り組む。資格取得に必要な長い学習時間を確保するべく、積極的に仕事・勉強の効率化に努めている。

BCG流「問題設定法」とは

BCG流問題設定法とは、BCG社内で使われている問題定義の手法のこと。元BCG所属、早稲田大学ビジネススクール教授の内田和成氏が、同企業在籍時の経験をもとに分析しました。

この方法のベースにあるのは、問題解決のためには、まず解決方法を考えるよりも適切に問題を設定することが重要だという考え方。適切に問題を設定してこそ、論点にずれのない解決策を見つけられるのです。

経営学者のピーター・ドラッカー氏による、

“The most serious mistakes are not being made as a result of wrong answers.
The true dangerous thing is asking the wrong question.”

(最も重大な過ちは、誤った答えを出すことにより発生するのではない。本当に危険なことは、誤った質問をすることだ)

(引用元:goodreads|Quote by Peter Drucker ※和訳は筆者が補った)

という言葉を用いて、内田氏は、以下のように述べています。

最初に設定する問いを間違えると、その後の問題解決アプローチが意味をなさなくなる──間違った穴を掘りつづけることになるのです

(引用元:EL BORDE|論点をハズさない、コンサルの問題設定力―なぜ日本人は“ズレた”提案をしてしまう? ※太字は編集部が施した)

課題の解決策を探っているイメージ

そもそも論点がずれていると、解決策を実施しても期待する効果は得られません。

たとえば、「新商品が売れない」というとき――実際は「商品の質」に問題があるにもかかわらず、「広告が足りないからだ」と間違った問題設定をするとどうなるでしょうか? どんなに広告を増やしたところで、商品の質をよくしなければ、状況の改善には至りませんよね。

この問題設定の重要性を説くのは、内田氏だけではありません。株式会社リクルートホールディングス代表取締役会長で、社長兼CEO在任時に同社の変革を主導した峰岸真澄氏いわく、変革の一番のポイントは「アジェンダセッティング(課題設定)」とのこと。(カギカッコ内引用元:日経ビジネス|リクルートホールディングス峰岸会長 成功体験捨て世界で勝つ

私たちビジネスパーソンが、適切に問題を設定する力を鍛えれば、仕事の質を高めていけることは間違いないと言っていいでしょう。

そんな問題解決のプロセスは、内田氏によると以下0~6のステップ

  1. 現象
  2. 論点抽出
  3. 構造化
  4. 優先順位づけ
  5. 論点ごとの解決策の立案
  6. 実行
  7. レビュー(フィードバック)

(※前出の「EL BORDE」記事にある図より、文言を引用しまとめた)

このうちステップ4~6は、ビジネスでおなじみの「PDCA」で実行されるものだそう。その前段階にあたるステップ1~3が、BCGが重視する問題設定にあたる工程です。ではこの3つのステップのやり方を、筆者が考えた例も交えながら、次項で詳しく紹介していきます。

課題の解決策が見つかったイメージ

BCG流「問題設定法」のやり方

ステップ1. 論点抽出

■ ステップ1「論点抽出」
ステップ0で見いだした「現象」に対して、どのような問題点(=論点)があるかを書き出す。

(参考:前出「EL BORDE」記事)

ここで大事なのが、「現象」と「論点」を混同しないことだそう。内田氏は、次のように述べています。

一般的に問題点と呼ばれるものの多くは、じつは現象や観察事実であって、論点でないことが多い。わかりやすい例が『少子化』です。『少子化問題』などという言葉があるように、少子化は問題だとされますが、あくまでもひとつの『現象』であって、『問題』ではありません。つまり論点ではない。

(引用元:同上)

仕事の例を挙げて考えてみましょう。たとえば、保険営業の仕事をするなかで「新規顧客の獲得数が伸びない」という現象に遭遇したとします。この場合、論点の抽出は次のようになります。

論点を抽出した例

こうして列挙してみると、現象自体は同じでも、それぞれの論点に対する解決策は異なりますよね。

ステップ2. 構造化

■ ステップ2「構造化」
一般的なフレームワークで論点を整理する。

(参考:同上)

フレームワークの例として内田氏は「イシューツリーやマトリックス」を挙げており、筆者はイシューツリーで構造化をしてみました。

ロジックツリーツールを提供するLucid社によると、イシューツリーとは、ロジックツリーの形でつくられる、問題解決のためのフレームワーク。ロジックツリーは「様々な問題を分解の木として原因や解決法を発見する際に活用」されます。

ロジックツリーにはいくつかの種類があるそうなのですが、今回筆者は「原因研究」のための「Whyツリー」によって、ステップ2で抽出した論点を整理することにしました。

(参考およびカギカッコ内引用元:Lucidchart|ロジックツリーとは?作り方と活用できる具体例やテンプレートで解説

ステップ3. 優先順位付け

■  ステップ3「優先順位付け」
いくつかの基準に基づき、最優先すべき論点を決める

(参考:同上)

具体的なやり方のひとつとしては、

  1. 『かかる時間』と『パフォーマンスの良さ』の2軸で論点を順位づけする」
  2. 短時間でいちばん効果の上がるものを最優先の論点にする」

という方法があるそう(カギカッコ内引用元:同上)。

ここまでの内容をふまえて、実際にノートにイシューツリーを書き出し、論点の優先順位づけをしたものが以下です。

構造化してノートに書き出した例

結果、「新規顧客の獲得数が伸びない」という現象に対し、個人での改善が可能で最も効果の出やすい「新規顧客の獲得数が伸びないと会社からの評価が低下し、報酬や昇進などに影響する」という論点が優先すべき問題だと判断しました。

BCG流「問題設定法」で、仕事において注力すべき問題が明確になった!

BCG流問題設定法を利用することで、「新規顧客の獲得数が伸びない」という現象に対する論点が明確になりました。問題設定をするメリットは、本当に解決すべき課題が明らかになることなのだと実感できました。

これまでであれば、「顧客の獲得ができない」という事象自体を問題として設定していたと思います。ですがそれでは表面的すぎるのだと気がついたのです。

また、論点が明らかになると、より効果の高い解決策を見いだせると感じました。「電話本数を増やす」といった手っ取り早い対応で済まそうとしても、本当の問題を解決できるとは限りません。たとえば、「既存顧客の離脱を防ぐため、契約後のサポートをさらに手厚くする」というような、一見新規顧客の獲得に関係しないような解決策もとりうるのだということに、イシューツリーを書いてみて気づけました。

BCG流問題設定法を実践している様子

実践するうえで難しいと感じた点は、ステップ1「論点の抽出」です。

今回は、ビジネスパーソン個人の視点でこの手法を試してみましたが、問題設定に慣れていないため、当初は「売上が下がると会社の業務継続が難しい」というような、大きすぎる視点からの論点抽出になってしまいました。

 「誰にとっての論点を挙げるか」という点にも注意して書き出していくと、目的からずれることなく問題設定ができるのではないでしょうか。

また、現象自体に良し悪しはないという考え方や、問題設定の手法自体は、仕事以外の悩みに対しても応用できると感じます。たとえば「夜ふかしをしてしまって昼間に眠くなる」「平日に家事をしている時間がない」など、日常の現象の論点を整理するためにも有効ですよ。

***
コンサルティング会社で実践されている課題解決プロセスは、コンサルティング業務以外にも役立ちます。

問題設定をしっかり行なうことで、適した改善方法を見つけられるのです。課題の進展に行きづまったときには、論点がずれていないかあらためて考えてみてください。

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