読みやすい文章、書けてる? 悪文の例と文章改善方法教えます

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皆さんは、「読みやすい文章」を書いている自信はありますか? 世の中には小説やビジネス書、ネットニュースの記事やSNSの投稿文に至るまで、流れるようにスムーズに読める「読みやすい文章」がある一方で、どうにもつっかかって一向に読み進められない「読みにくい文章」もあります。

「読みやすい文章」と「読みにくい文章」の差が生まれる理由は、いったい何なのでしょうか。今回は、読みやすい文章を書きたい人に向けて、文章を改善するコツをお教えします。

読みやすい文章と読みにくい文章は何が違う?

みなさんが「読みやすい文章」と感じるのはどのような文章ですか? 読んでいて引っかかるところがなく、スムーズに最後まで読み切ることができる文章や、体裁が整っていて違和感のない文章など、癖のない文章ほど「読みやすい」と感じるのではないでしょうか。

では、「読みにくい文章」はなぜ生まれてしまうのでしょうか。武庫川女子大学言語文化研究所の佐竹秀雄教授は、悪文が出現する理由のほとんどが、“主語と述語の対応が悪い”ことであると述べています。

例えば、次のような文章はどうでしょう。 

リゾート開発計画は、各種団体などとそれらの問題について協議を行なっています。

一瞬「?」と感じたとしても、深く考えずにいるとそのまま読み流してしまいそうです。しかし、明らかに読みにくい文章だと思いませんか? この場合、主語に対応する述語の形を「行なっている段階です」とすると、丸く収まります。

佐竹教授によると、主述がねじれてしまう現象は、全体を見通す力が欠けていることによって起こるそう。主語が「は」で始まる場合、主語と述語が対応しないのは、書き手が述語部分まで見通して主語を考えていないことの証明です。

みなさんも文章を書くとき、とりあえず「○○は、」と書き始めていませんか? 全体の文構造を無視して、思いつくままに書き続けていると、いつのまにか主語に対して不適応な述語の組み合わせが出来上がってしまうので注意が必要です。

では、反対に、読みやすい文章にはどのような特徴があるのでしょうか。小説などは人それぞれに好みがあるため、一概に「読みやすい文章」「読みにくい文章」の判別をすることができないかもしれません。難解な文章をじっくり味わうことが好きな人もいれば、短時間でさらっと読める文章を好む人もいるからです。

ただ、多くの人が「読みやすい」と感じるのは、主語・述語の乱れや文法に誤りがなく、筋が通っている文章であるといえるでしょう。また、「長すぎないこと」も読みやすい文章には欠かせません。せっかく面白い内容の文章でも、ひとつの段落にダラダラと無駄な要素を詰め込んでしまえば、結果的に「読みにくい文章」=「つまらない文章」になるのです。

つまり、読みやすい文章とは、文法が正しく、論理が破綻していない内容で、無駄なくシンプルであること、以上の条件がそろっているものだと言えるでしょう。

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読みやすい文章を書くコツ

続いて、読みやすい文章を書くためのコツをいくつかご紹介しましょう。ぜひ参考にしてください。

読みやすい文章の書き方:構成編

文章を書く前に絶対にしておかなければならないのは、“構成を練る”ことです。文章は長ければ長いほど読みにくく、読みやすい文章ほどスッキリと短くまとまっている傾向があります。長い文章を回避するためにも、事前にしっかりとした構成を考えましょう。

そもそも、すべての情報を詰め込もうとするから文章が長くなってしまうのです。情報の多さよりも、“伝わりやすさ”を優先して文章を組み立てることを意識するといいでしょう。

『売れる文章術』(フォレスト出版)の著者・中野巧氏は、構成を練る段階で“見出し”を作ることをすすめています。そうすることで文章構成が明確になり、伝えたい内容を書き手自身が再確認できるのです。

本記事に例えると、テーマは『読みやすい文章』について。

各見出しは、

  • 「読みやすい文章と読みにくい文章の違い」
  • 「読みやすい文章を書くコツ」
  • 「読みやすい文章の書き方」

と続きます。

文章を書き始める前に見出しを設定しておくと、どのような流れで進めるべきかが明確になるだけでなく、項目ごとに必要な資料やデータをそろえやすくなります。無駄のない文章を効率的に作成するためにも、見出しを含む事前の構成が重要だといえるでしょう。 

『そもそも文章ってどう書けばいいんですか?』(日本実業出版社)など多数の著書をもつ“文章術の専門家”山口拓朗氏は、「文章を上手に組み立てられない」という悩みを克服する方法として、「文章の型」を取り入れる提案をしています。

まずは『結論優先型』

「結論→理由・根拠→具体例→まとめ」の流れで書く形式です。結論を先に書くことが大前提であるビジネスシーンのほか、ロジカルに人を説得したい場面で使えます。はじめに結論を述べることで文章が脱線しにくくなり、理路整然とした文章に仕上がるメリットがあります。 

次に『列挙型』

「この映画が大ヒットした理由は3つあります」「工場視察の結果、3つの改善点を発見しました」など、列挙する数を冒頭で示してから、それぞれ具体的に説明していく方法です。

そして『ストーリー型』

「発端(マイナス)→転機→成長→未来」の4ステップからなる形式で、映画やドラマ、小説でよく見られる手法です。相手の感情に訴えかける良い文章を書きたいなら、ストーリー型が良いでしょう。何かしらのマイナス(失敗や課題や不満など)を抱えた状態から始まるので、読者はその後の展開が気になってぐんぐん引き込まれます。 

読みやすい文章が書けずに試行錯誤している方は、試しに“文章の型”にはめ込んで書いてみると、コツをつかめるはずですよ。

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読みやすい文章の書き方:文字数編

読みやすい文章に大きく関係するのが“文字数”です。文字数が多いと、主語と述語がわかりにくくなったり、内容が複雑になったりするため、読者は混乱してしまいます。では、1文あたりの文字数の目安はどれくらいなのでしょう。

株式会社J&G HR アドバイザリー代表取締役社長であり、『世界のどんな職場でも評価される 無敵の働き方』(朝日新聞出版)の著者・篠崎正芳氏によると、「職場で評価される人は長文を書かず、1文の長さを80文字以内に収める傾向がある」とのこと。80文字以内に収めるためには、1文にひとつの事柄を書く“一文一義”を意識して文を分割するのがポイントだといいます。

意識して短文を書く際には、1文の中に主語・述語があることと、論理の流れが自然であることをしっかりと確認してください。80文字以内であれば、短くなっても問題ありません。

おおよその目安として、60文字から80文字以内を目標にするといいでしょう。例えば、短さだけを意識して極力無駄な言葉を省いた場合は60文字、もう少し言葉を足して内容に深みをもたせたい場合は80文字以内にまとめれば、スッキリとした仕上がりになります。

文字数を削る際には、無駄をどんどん省いていきましょう。読みやすい文章を書くために無駄を省く方法は、次に詳しく説明していきます。

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読みやすい文章の書き方:内容編

あまりにたくさんの情報を盛り込んだ文章は、読みやすい文章とは呼べませんし、読む人にストレスを与えます。

例えば、タイトルを見て「面白そう!」とクリックしたネット記事でも、読み進めていくうちに「結局何が言いたいの?」とイライラした経験がある人も多いはず。せっかく興味のあるテーマについて書かれていても、情報がまとまっていなかったり、結論がはっきりしていなかったりすると、無駄な時間を過ごした後悔だけが残ってしまいます。 

次の例文は、文章の中にさまざまな要素が入りこんでいるため、言いたいことがまったく伝わりません。

私はスポーツが大好きです。小さい頃から、外で体を動かすことが好きでした。他には、子どもの頃から絵を描くことも好きです。区の絵画コンクールで賞をとったこともあります。小学校では地域のサッカークラブに入りました。中学校ではサッカー部に入部し、都大会に出場しました。また、他のスポーツでは、テニスも好きで、今も週末には友人とテニスをしていますが、高校の頃はテニス部で活動していました。大学では、経済学部に進み、経営について学び、フットサルサークルに所属していました。現在は、IT企業でエンジニアとして働いています。

上記の文章はかなり極端な例ですが、読み終わったあとに感じるのは、読み手を無視した一方的で独りよがりな文章だということ。文章術の書籍を多数執筆しているコラムニストの尾藤克之氏は、「文意がわからなくなったら細かく区切るといい」と述べています。

読みやすい文章にするために、段階的に修正していきましょう。まずは、思い切ってスポーツ以外の要素を削除します。

私はスポーツが大好きです。小さい頃から、外で体を動かすことが好きでした。小学校では地域のサッカークラブに入りました。中学校ではサッカー部に入部し、都大会に出場しました。また、他のスポーツでは、テニスも好きで、今も週末には友人とテニスをしていますが、高校の頃はテニス部で活動していました。大学では、フットサルサークルに所属していました。

かなりすっきりとした印象になりました。さらにまとまりのある文章にするために、テニスとサッカーを分けて整理します。 

私はスポーツが大好きです。小さい頃から、外で体を動かすことが好きでした。小学校では地域のサッカークラブに入りました。中学校ではサッカー部に入部し、都大会に出場しました。大学では、フットサルサークルに所属していました。また、他のスポーツではテニスも好きで、高校の頃はテニス部で活動していました。今も週末には、友人とテニスをしています。

読みにくさ、わかりにくさの原因は、「文章の組み立て方」に問題がある場合が多いと言います。書籍ライターとして活躍する佐藤友美氏によると、読みやすい文章に必要なのは、「正しい情報をわかりやすく伝える技術」とのこと。内容を簡潔にまとめるためには、次のような方法がおすすめです。

まず、書きたい内容のテーマに沿って集められたたくさんの素材を、ひとつずつ付箋に書き込んでいきます。次に、似た素材ごとにまとめてグループ分けをしていきましょう。そして、グループごとにどの順番で並べたらもっともスムーズに話が進むかを考えるのです。 

並び替えるときに大事なのが、「さらに」「もちろん」「しかし」「しかも」「というわけで」など、どの接続詞でつなぐといいかを意識すること。こうすることで、論理的な構成になり、読みやすい文章になりますよ。

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読みやすい文章の書き方:文体編

読みやすい文章に欠かせないのが、リズムやテンポです。つまらない文章になってしまう原因のひとつは、「表現がワンパターン」であること。文末のバリエーションを豊富にするだけでも、見違えるほど洗練された文章になるので意識してみましょう。 

例えば、「~しました。~しました。~しました。」と続けるのではなく、「~しました。~します。~なりました。」と変化をつけるだけでも、単調さを回避できて文章にリズムが生まれます。 

前出の山口氏は、「くどい言い回し=ぜい肉」がなくなると情報がストレートに頭に入ってくると指摘します。とくに、「~こと」を何度も使うと文章にくどさを与えるので、できるだけ別の言葉に言い換えるか、思い切って省略しましょう。

例:

「自分のことを理解することで、成長することができる」

「自分を理解すれば、成長できる」

 

「よく運動することが必要だ」

「よく運動する必要がある」 

「〜こと」はつい使ってしまいがちですが、私たちが思っているほど「~こと」は重要ではないと感じたはずです。むしろ「~こと」を省いた結果、すっきりとした文章へと生まれ変わっていますね。

また、テンポの悪い文章の多くには『接続詞の多用』が見受けられます。接続詞は文のつながりを強調し、導線の役割を果たしますが、そもそも文の内容がスムーズに連結されていれば必要ないものです。接続詞を削っても意味が通じるなら、迷わずカットしていきましょう。

おもな接続詞は次の通りです。

  • 順接=前の文章に対する結果を示す(だから、それゆえに、従って、など)
  • 逆説=前の文章と相反する結果を示す(しかし、けれども、にもかかわらず、など)
  • 並列=前と後ろの文章が対等であることを示す(また、かつ、ならびに、など)
  • 添加・累加=前の文章にあとの文章を付け加える(しかも、そればかりか、おまけに、など)
  • 説明=前の文章に対する説明をする(なぜなら、だって、むしろ、など)
  • 補足=前の文章に対して補足をする(ただし、なお、もっとも、など)

続いて、接続詞に注意しながら以下の文章を読んでみてください。 

私はTOEFLで高得点をとりたい。なぜなら、アメリカへ留学に行きたいからだ。けれども、いつも勉強を怠けてしまう。そればかりか、実は英語が好きではないのだ。むしろ留学など行かない方が良いのではないだろうか。しかし、私の学びたいことはアメリカの大学でしか学べない。それゆえに、どうにかして英語を勉強しなければならない。

上記の文章には、「なぜなら」「けれども」「そればかりか」「むしろ」「しかし」「それゆえに」と合計6つの接続詞が使われていますね。意味は通じるものの、少しくどい印象を与えています。 

次に、不要な接続詞を削った修正文を読んでみましょう。

私はTOEFLで高得点をとりたい。アメリカへ留学に行きたいからだ。けれども、いつも勉強を怠けてしまう。実は英語が好きではないのだ。留学など行かない方が良いのではないだろうか。しかし、私の学びたいことはアメリカの大学でしか学べない。それゆえに、どうにかして英語を勉強しなければならない。

 “削れる接続詞”の条件は、接続詞を挟んだ前後の文章の関係性が崩れないこと。上記の例文では、前の文章に対する説明につながる「なぜなら」「むしろ」は削除してもいいでしょう。逆に、前後の文章の意図が相反する「逆説の接続詞」は残しておかなければなりません。

上記のように、念のために用いているだけの不要な接続詞は、思い切って削除しましょう。格段にテンポが良く、読みやすい文章になりますよ。 

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読みやすい文章の書き方:語彙編

文章の構成に注意して短い文章を心がけても、まだ「自分の文章は読みやすい文章ではない」と感じているのなら、語彙力が乏しいことが原因かもしれません。言葉の引き出しが少なく、書きたいことを正確に描写する力がついていない人もいますが、一般の人にはわかりにくい難解な専門用語を使いたがる人も多くいます。 しかし、自分自身もよく意味がわかっていないのに、「かっこいいから」「かしこいと思われたいから」と難しい言葉を使ったところで、読む人からの理解や共感を得られるはずはありません。 

読売新聞取締役論説委員の竹内政明氏は、ジャーナリストの池上彰氏との共著の中で、「こだわる」という言葉を例に挙げ、注意喚起しています。固執してはいけないときに固執するのが「こだわる」本来の意味ですが、今は「妥協しないで取り組む」という意味で使われることも増えているのです。

竹内氏によると、「こだわる」という言葉は、便利すぎるがゆえに乱用されているそう。

「こだわる」を使えば、そりゃあラクですよ。言い換える手間が要りませんからね。「材料にこだわる」であれば「材料を吟味する」。「勝ちにこだわる」であれば「勝利を最優先に考える」。その都度、言い換えるのは面倒だけれども、でも、この手間のかかる厄介な作業が文章を練る楽しさだと思うんです。

(引用元:池上彰, 竹内政明(2017), 『書く力』, 朝日新書.)

前出の山口氏も「類語をパッと思い浮かべ、最適な言葉を選び取ることができる人は文章力がある」と述べています。

語彙力を磨くには読書はもちろん、ひとつの単語を複数の類語に変換するトレーニングが効果的です。山口氏が考案した「9マス類語変換ゲーム」は、語彙力アップにもってこいのトレーニング法なので、ぜひ試してみましょう。

やり方はとてもシンプルです。

  1. 9個のマス目を作る。
  2. 中央のマスに、何かひとつ言葉を決めて書き込む。
  3. 周りの8マスにその言葉の類語を書き込む。

例えば、中央に「うれしい」と書き込むとします。そこから連想する類語、「楽しい」「幸せ」「ハッピー」「愉快」「ご機嫌」などを周りに書いて、マスをすべて埋めていくだけです。これだけで、スキマ時間を使って簡単に語彙力を高めることができると言います。

パッと思い浮かばなかったら、類語辞典を活用してもいいでしょう。「こんな言葉に言い換えられるのか!」と新しい発見があるかもしれません。読みやすい文章に欠かせない多様な表現力を身につけるためにも、普段から、さまざまな言葉に言い換えるトレーニングをしてみてはいかがでしょう。

***
読みやすい文章を書くことは、決して難しくありません。まずは根拠となる材料や素材を集めて、論理づけて構成を練ることから始めましょう。そして書くときには、無駄な言葉を極力省くように心がけると「読みやすい文章」が完成しますよ。

(参考)
公益社団法人 日本広報協会|悪文のパターンと出現のメカニズム
STUDY HACKER|「ムダに文章が長くなる人」はどこがいけないのか? 書く前に“何もしない”のが絶対NGなワケ。
ITmedia|売れる文章術:文章の8割は「見出し」で決まる
STUDY HACKER|プロが教えてくれた文章力最速習得法ーーえ、たったこれだけでいいんですか!?
STUDY HACKER|あなたはどちらのタイプ? 「文章が苦手」2つのタイプの原因と克服法ーー“文章術のプロ”山口拓朗さんインタビュー【第2回】
AERA dot.|できる人の文章は「長さ80文字以内」?
尾藤克之(2018), 『即効!成果が上がる 文章の技術』, 明日香出版社. 
STUDY HACKER|「文章が下手な人」ができていない4つの大事なこと。“文を書く前”にやるべきことがある。
東洋経済ONLINE|永遠に文章が下手な人と、上達する人の「差」
リクナビNEXTジャーナル|【体はしぼった!文章はどうだ?】くどい“メタボ文”を改善する「文章ダイエット」の奥義
幻冬舎ルネッサンス新社|読みづらい文章は、『不要な接続詞』を削って、『必要な接続詞』を残す/小説の書き方講座
池上彰, 竹内政明(2017), 『書く力』, 朝日新書. 
STUDY HACKER| 使える言葉がどんどん増える! 5分でできる「9マス類語変換ゲーム」で楽しく語彙力アップを。

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