文章力とは、読み手にとってわかりやすい言葉で表現できる能力。読者に説得力を感じてもらうには、自分ではなく相手を意識して書く必要があります。
どんな書き方をすれば、相手に理解してもらえるのでしょう? 文章力を高めるには、どうすればよいのでしょうか? この記事では、仕事で報告書を書いたり趣味でブログ記事を書いたりするのに欠かせない「文章力」を徹底的に検証し、文章力の付け方をお教えします。
文章力とは
文章力とは、文章によって気持ちや意見を表現する力。言いたいことを文章によって正確に伝えられることを意味します。類語としては「文才」がいちばん近いでしょうか。
「文章力の高さ」は、「頭の良さ」と関係あるのでしょうか? 『世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた』(東洋経済新報社、2013年)など「一流」についての本を数多く執筆するムーギー・キム氏は、次のように話しています。
「頭の良さや学歴」と「文章能力の有無」は関係ない。原稿用紙に半分でも何か書いてもらうと、その人の文章能力を超えた「仕事のIQ」が如実に現れるものである。
(引用元:東洋経済ONLINE|文章でバレまくる「永遠に二流の人」の共通点 太字による強調は編集部が施した)
どうやら、文章力は、いわゆる「頭の良さ」に直結するものではないようです。
文章力がある人の特徴
では、文章力がある人はどのような特徴を持っているのでしょう。キム氏によると、文章力の高い人たちは、文章を書くこと自体よりも「理解される」ことを重視しているようです。
学歴や頭のIQはそれほど高くなくても、文章だけは恐ろしく読みやすい人もいる。メールでも資料でも企画書でも、「伝えたいメッセージ」がきちんとあり、全体がきちんと整理されていて、場合によっては明快な図解など、文章の内容を上手に伝えるさまざまな工夫がなされているのだ。
(引用元:同上)
文章力の高い人たちは、内容を相手に正しく伝えられるよう、論理を整理したり図を用いたりといった配慮をしているのですね。それに、仕事上でのコミュニケーションもスムーズで、仕事の生産性に優れている場合も多いのだそう。自動文章校正サービス「Grammarly」が、ビジネス系SNS「LinkedIn」のプロフィール文を利用した実験では、プロフィール文に文法ミス・スペルミスがない人ほど昇進が多かったのだそう。
仕事上のメールに不備や不明瞭な表現があると、訂正や補足のメールを送ったり、相手から内容を確認するメールが送られたりなど、何通もメールをやり取りすることになりますよね。このようなやり取りは時間の浪費となり、生産性の低下につながります。文章力の高い人が昇進しやすいのは、このような理由からでしょう。
現代は、SNS・ビジネスメール・報告書など、どんな人でも文章を書く時代。作家や編集者だけでなく、どのような職業においても一定の文章力(ビジネス文章力)が必要だといえます。
まとめると、文章力が高い人には以下の特徴があります。
- 伝えたいメッセージを明確にする。
- 文章全体に目を配って整える。
- 場合によっては、図表も利用する。
- 文法の誤りや誤字脱字が少ない。
- 生産性が高い。
文章力がない人の特徴
一方、文章力がない人はどのような特徴を持っているのでしょうか。伝える力【話す・書く】研究所所長であり、“文章術のプロ”でもある山口拓朗氏によれば、文章力がない人には、以下の2つのタイプが存在するのだそう。
- 書くべき情報を持っていない・作れない・集められない。
- 文章の構造を知らない。
1つ目は、そもそも書くべき情報を持っていない「頭が真っ白」タイプ。文章の材料となる情報や意見を用意できていない状態です。
小学校の作文の宿題で、テーマが自由だと、全く文章が書けなかったという経験はありませんか? 何について書くか決めていないと、どのような情報を集めればよいかわからないため、情報がないまま書こうとして「文章が書けない」ということになるのです。
2つ目は、情報は持っているものの、「文章を上手に組み立てられない」タイプ。頭のなかに素材があるからと安心して、「とりあえず、これを書こう」と思いついたまま書き出してしまうのだそう。結果として、文章の構造がメチャクチャになってしまうのです。
文章力が低いと、小説家だけでなく、SE・ライター・弁護士など、どのような職業でも苦労するでしょう。それに、文章力の低さは、日常生活におけるディスコミュニケーションの原因ともなります。文章力は、学生・社会人を問わず、どのような立場の人にとっても必要なのです。
「文章力が高い文」の特徴
文章力とは、わかりやすい文章を書ける能力。では、わかりやすい文章を書くには、具体的にどのような点に気をつけるべきなのでしょうか? 「伝わる一文」および「伝わる文章」という2つの側面から解説します。
まずは、「伝わる一文」を書くために必要なことを5つ紹介しましょう。
1. 難読漢字や専門用語が少ない
わかりやすい文の大前提は「読める」ことです。相手が読めないような、わかりづらい言葉使い・難読漢字・専門用語を避けましょう。
【悪い例】
客室乗務員の慇懃無礼な態度の所為で彼女は怒り心頭に発し、罵詈讒謗した。
あなたは読めるでしょうか? マイナーな四字熟語や言い回しをむやみに使うと、上記のような文が生まれてしまいます。
また、PCやスマートフォンの変換機能に気をつけましょう。「ほとんど」「しかし」「また」などの単語を「殆ど」「然し」「又」と簡単に変換できますが、一般的ではありませんよね。「読み手にとってのわかりやすさ」を常に意識しましょう。文章力の基本の基本です。
【改善例】
一見丁寧でありながら、内心では相手を見下しているかのような客室乗務員の態度に、彼女は心から怒りを覚え、悪口の限りを尽くした 。
2. 一文一義である
伝わりやすい文を書くには、文の構造をなるべくシンプルにすることが大切です。次ののようにだらだらと文を続けては、内容が頭に入りにくくなってしまいます。
【悪い例】
今日は、いつもより仕事が早く終わったので、前から気になっていた経済学の本を買って勉強しようと思い本屋さんに寄ったら、たまたま賞をとった話題の本が2冊並んでいたので、結局その2冊を買ってしまったが、どちらにしろ買おうと思っていた経済学の本は売っていなかったので、結果的には良かった。
1つのトピックは1つの文に収めましょう。「一文一義」は文章力の決め手です。
【改善例】
今日はいつもより早く仕事が終わったので、帰りに本屋さんへ立ち寄った。そこで、前から勉強しようと考えていた経済学の本を探したが、残念なことに売っていない。しかし、賞をとった話題の本がたまたま2冊並んでいたため、購入。目的の本はなかったが、結果的には満足できた。
3. 主語と述語が対応している
意味が伝わる文は、主語と述語が対応しているものです。よく「日本語は主語がなくても意味が通じる」と言われますが、主語と述語が対応していないと、以下のようにわかりづらい文が生じます。
【悪い例】
主語と述語が対応しない文は、長い一文を書いている間に最初の内容が頭から離れてしまい、文章がわかりにくくなる。
「主語と述語が対応しない文は」という主語(主部)に対応する述語がありません。主語と述語が対応していない文を書いてしまう主な原因は、複数の文を1つにまとめようとすることです。文の要素を分解し、主語と述語の対応を確認しましょう。
【改善例】
主語と述語が対応しない文は、長い一文を書いているあいだに最初の内容が頭から離れてしまうことから生じる。こういった文が増えると、文章は分かりにくくなってしまうのだ。
4. 修飾語と被修飾語が近い
理解しやすい文というのは、修飾語と被修飾語が近くに置かれているものです。修飾語と被修飾語が離れていると、以下のようになってしまいます。
【悪い例】
私は友人と家族について作文を書いた。
これでは、「友人と」の部分が、どの言葉を修飾しているのがわかりませんね。「私が、友人とともに家族についての作文を書いた」とも読めますし、「私が、友人+家族についての作文を書いた」とも読めます。誤解を避けるために、語順を変えたり、句読点を打ったり、説明を足したりしましょう。
【改善例】
私は家族についての作文を友人と書いた。
私は友人と家族の両方について、作文を書いた。
5. 具体的である
伝わる文とは具体的なもの。抽象的であいまいな表現では、相手に意図が伝わりません。
たとえば、「たくさんの人」という表現は、どれくらいの人数を指すと思いますか? 10人なのか、100人なのか、それとも10,000人なのか、人や状況によってイメージは異なりますよね。誤解を避けるため、具体的な表現を心がけましょう。
『今まで一番やさしい経済の教科書』(ダイヤモンド社、2015年)などで知られるビジネス書作家の木暮太一氏によると、以下の2点に注意するべきなのだそう。
- 動詞:具体的に行動できる動作を表す動詞を使う
- 形容詞&副詞:全て数字に置き換える
(引用元:cakes|「文章力は、伝達力の基本」【第18回】「具体的に書く」とはどういうことか?)
「ちゃんとやる」「大人数」「早く」などのあいまいな表現は使わず、「ミスをゼロにする」「25人」「8時まで」と具体的に書きましょう。以上のことを意識すれば、あなたの文章力は確実に向上します。
「文章力が高い文章」の特徴
続いて、文章力の高い人が気をつけている「伝わる文章」のコツを紹介します。
山口拓朗氏によると、「伝わる文章」のほとんどは「型」に従って書かれているのだそう。有力な「型」は、以下の3つです。型をうまく使えば、単純な情報を活かすこともできます。
結論優先型
結論優先型では、“結論→理由→具体例→まとめ” という順で文章を書きます。最初に結論を述べるため、話題が途中で脱線しにくくなるのがメリット。
有名な「PREP法」も、結論優先型です。PREP法は、“Point(結論)→Reason(理由)→Example(具体例)→Point(結論)”という構成。PREP法を利用して文章を書くと、以下のようになります。
Point(結論): 私の今後の課題は、英語力の向上です。
Reason(理由): 先日、海外の取引先とのミーティングに出席した際に話に全くついていけませんでした。また、英文のメールや資料に目を通そうとした際にもかなりの時間を要してしまい、自分の英語での会話力と英文を読むスピード、語彙力に危機感を覚えました。
Example(具体例): 最近では仕事の後に英語のスクールに通い始めました。徐々に英語に慣れてきましたが、まだまだ充分ではありません。
Point(結論): 今後も英語の勉強を続け、英語力の向上を目指します。
(引用元:STUDY HACKER|どんなに「口下手」でも本気で伝えるためにできる4つの工夫。“ズバリ発想法” で印象が段違いに!)
列挙型
列挙型では、列挙する数を冒頭で示してから、それぞれの項目を具体的に説明します。列挙型は、複数の要素を並べて説明したいときに便利です。
私がこの映画を魅力的だと感じる理由が3つあります。
1つ目は、背景の絵がとても綺麗であること。
2つ目は、音楽が物語の展開に寄り添っていること。
そして3つ目は、登場人物たちの掛け合いが面白いことです。
ストーリー型
ストーリー型では、“発端(マイナス)→転機→成長→未来”の順に文章を書きます。ストーリー型を利用すれば、相手の感情に訴えかける文章を作れますよ。
発端:チームの中で最も背が低く、はじめは万年補欠状態でした。
転機:新任のコーチからの勧めで、ドリブル技術を磨くことを決意したのです。
成長:練習を続け、ドリブルで切り込んで得点を決めるスタイルを確立しました。
未来:結果、今年の春には県大会5試合で8得点を記録し、エースストライカーとして活躍することができたのです。
「伝わる文章」の型を意識すれば、あなたの文章力は飛躍的に向上するはず!
文章力を上げる方法
文章力をつけるには、上記で紹介した「コツ」と「型」を意識するだけでなく、下記のようなトレーニングに励んではいかがでしょう? 文章力の鍛え方をご紹介します。
1. 「100字要約」をする
文章力を鍛えるには、要約の練習がおすすめ。要約の際は、文字数を抑えるため、言葉の言い換えが必要です。別の言い回しを探ることが、語彙力の向上につながります。
『大人に必要な「読解力」がきちんと身につく 読みトレ』(大和書房、2018年)の著者・吉田裕子氏によると、要約の教材には新聞の社説や本が適しているのだそう。いずれも100文字前後で要約します。新聞の社説を要約する場合、次の2点に着目するとよいとのこと。
- 何について述べているのか(話題)
- 結局、どのようなことを言いたいのか(結論)
この2点をすばやく見つけるには、タイトルや小見出し、導入部のほか、太字で強調されている箇所や締めくくり部分に注目するとよいそうです。また、本を要約する際は、次の3点に着目するべきなのだそう。
- 何についての本なのか(話題)
- 面白い点はどこか(見どころ)
- 自分はどう感じたか(感想)
新聞と本では着目点が異なるので、両方でトレーニングするのが理想的です。
2. フレームワークを利用する
文章力のない人の特徴として、インプット・情報収集が不足していることを上述しました。情報収集力を鍛え、文章力を上げる方法が「3×3のフレーム」です。
(画像引用元:STUDY HACKER|プロが教えてくれた文章力最速習得法——え、たったこれだけでいいんですか!?)
文章を書くため収集したい情報を、このフレームの中央に書き込みます。
たとえば、文章セミナーに参加した感想をブログ記事として書きたい場合、中央のマスに「文章セミナーで得たいもの」と記入。次に、1〜8のマスに「論理的な文章を書く方法は?」「共感を誘う文章を書く方法は?」「スピーディに文章を書く方法は?」などの「問い」を書き出しておくのです。
疑問をあらかじめ洗い出しておくことで、セミナー受講中は常に「問いへの答え」に対しアンテナが張られた状態になります。「答え」を聞き逃さないよう、能動的な態度で情報収集ができるというわけです。
3. 多くの文章を読む
持っている情報の量が少なかったり質が低かったりすると、書く文章の質も下がってしまいます。もし、インターネットから得た情報が間違っていたら、その情報をもとに書いた文章も間違った内容になりますよね。
つまり、文章力を鍛えるには、情報のインプットの量を増やす必要があるのです。仕入れる情報の量を増やせば、その中から信用に足る適切な情報を取捨選択することができるため、文章の信頼性を高められます。
また、情報をインプットしているうちに、よく使われる言い回しやわかりやすい文章のパターンも蓄積されます。筆者は、STUDY HACKERのライターとして駆け出しのとき、先輩ライターの記事を30本ほど読み込み、文章構造をそのまま真似することで、わかりやすい文章の書き方を身につけました。読書はもちろんのこと、自分が好きな小説の作家やWebライターの文章を読み込むのは、文章力を上げる方法としておすすめです。
4. 優れた文章を書き写す
文章力を伸ばすには、他人の優れた文をお手本にしましょう。政治・経済のわかりやすい解説で知られるジャーナリストの池上彰氏は、新人記者時代、以下の点に着目して先輩記者の書いた文章を研究したといいます。
- 説得力の有無
- 論理展開
- わかりやすさ
- 文章のリズム
- 誤字脱字
そして、読むだけでなく、できるだけ写経のように丸写しする方がよいのだそう。説得力のある言い回しや、わかりやすい文章の構造、読みやすい文章のリズムなどが身につけられます。
5. SNSを利用する
文章力を鍛えるために、TwitterなどSNSアプリを利用して日記をつけるのもよいでしょう。STUDY HACKERの東大生ライター(当時)は、次のように述べています。
筆者は、文章訓練に最適なSNSはTwitterだと考えており、自身も日々Twitterを通して文章訓練を行っています。なぜなら、140字の字数制限がちょうど良く、日常的などうでもいいことを投稿しやすいからです。これらの特性を最大限に利用することが、文章の訓練には必須になります。
(引用元:STUDY HACKER|文章力はTwitterで磨け! 東大生がすすめる「Twitter文章力トレーニング」3つのコツ)
少ない文字数で言いたいことを表現するのは、とても良い文章力の訓練になります。Twitterの文字数制限は、要約の練習に最適なのです。Twitterは無料で利用できるので、セミナーに参加したり本を買ったりするのに比べ、金銭的な負担がありません。
また、「日常的に書き込んでしまう」というTwitterの特性も、文章力の訓練に役立つのだそう。
訓練は継続が命ですから、日常に組み込みやすいTwitterの特性を利用して、投稿をルーチンワークにしてしまうのも重要です。特にオススメなのが「歩きながら考え、止まった時に打ち込み始める」というリズムです。
(引用元:同上)
日常的にSNSを利用している人は、「文章力をつける」という目的を意識してみてはいかがでしょうか。
文章力が身につく本のおすすめ
「文章力」についてもっとよく理解するのにおすすめの本を紹介します。
『文章力の基本』
文章力を上げる本としては、まず、昭和女子大学ライティング・サポートセンターで文章指導を行っている阿部紘久氏の『文章力の基本』(日本実業出版社、2009年)を挙げたいと思います。
助詞の「『に』を正しく使う」など文法の基礎から、「いきなり核心に入る」など文章の構成にいたるまで、わかりやすい文章のテクニックが例文を交えて紹介されています。「ホワイト・スペースを活用する」などレイアウトのテクニックも説明されているので、ひとつの文書を作り上げるための総合的な文章力が身につくこと請け合いです。
『文章力が身につく本』
文章力を上げる本としては、幅広く文章術を教えているフリージャーナリスト・小笠原信之氏の『文章力が身に付く本』(高橋書店、2011年)も。「推量は『〜らしい』、断定は『〜である』」といった文法・語法の基礎から、「実用文の基本は“結論先行”」などの文章構成に関わる部分まで学べます。
巻末に載っている「同音同訓異義語一覧」や「言い換え表現一覧」が非常に便利なので、実際に執筆する際に重宝するでしょう。手元に置くことで、あなたの文章力はきっと向上しますよ。
『メール文章力の基本』
メールに必要な文章力をつける本としては、翻訳出版・書籍編集・マニュアル制作など幅広く活動しているジャーナリスト・藤田英時氏の『メール文章力の基本』(日本実業出版社、2010年)も挙げられます。
「1行は25文字くらいが適当」「件名はひと目で内容がわかるように」といったメールならではのテクニックや、「『させていただきます』は『いたします』に直す」など、敬語の使い方がわかりやすく紹介されています。巻末には、「よく使うメールのひな型集」や「よく使うメールのフレーズ集」が載っているので、「もっとちゃんとしたメールを書けるようになりたい」と悩んでいる人にオススメです。
ビジネスパーソンとして一番身近な文書は、やはりメール。本書を読み、メールを上手に書けるようになる頃には、あなたの文章力は大きく向上していることでしょう。
『文章力の基本100題』
最後に紹介するのは、阿部紘久氏の『文章力の基本100題』(光文社、2010年)。
問題集のような構成で、見開きの左側には悪い文章例と改善のヒントが、右側には改善例が書かれています。悪い文章をどのように修正するか考えつつ読み進めることで、文章力を確実に鍛えられます。 文章力を向上させるためのテクニックを理解し、実践を積みたいという方におすすめの一冊です。
文章力のトレーニング講座
文章力を鍛えたいなら、自分の書いた文章にフィードバックをもらうとよいでしょう。メールを上司や先輩に確認してもらったり、ブログの記事を家族や友人に見てもらったりしてみては?
フィードバックをもらえる機会がない、もしくは少ないという方は、文章力養成講座に参加してはいかがでしょうか。東京と大阪で開催されている講座を紹介します(※情報は2019年9月時点のものです)。
東京の講座
日本経済新聞社グループが提供する学びのプラットフォーム「日経ビジネススクール」では、多数の文章力セミナーが開講されています。ピックアップしたいくつかをご紹介しましょう。
「伝わる文章力トレーニング」
わかりやすい文章・わかりにくい文章の特徴を把握したうえで、文章の書き方や文章構成を学びます。読みやすいレイアウトや推敲の方法も習得できるため、正しい文章を書くだけでなく、文書全体を作成する能力も身につきそうです。
2019年10月の講座は満席になるほどの盛況ぶり。現在は、2020年1月開講の講座が申込み受付中です。
「伝わる・通じる文章を書く5つの力」
「伝わる文章」を書くのに必要な能力を「取材力」「説得力」「論理力」「伝達力」「適応力」の5つに定義。ひとつひとつの能力について、座学と演習を交えて学べます。
特に「取材力」を学べるので、上で紹介した、書くべき情報を持っていない「頭が真っ白」タイプにおすすめです。 講座の最後には、総合演習として「問題解決文書の改善」「研修報告文書の作成」という課題が待ち構えています。
現在、2019年12月および2020年2月の講座が申込み受付中です。
大阪の講座
ライターを養成するために生まれた「大阪編集教室」では、身につけたい文章力のレベルに応じた3つのコースが用意されています。長期間に及ぶため、じっくり文章力を鍛えたい人におすすめです。
「文章のきほんコース」
初心者向けの、文章の基本を学べるコース。簡潔かつ細部にこだわった文章を書けるようになるよう、課題が出されます。作成した文章を受講者と講師で批評し合うことで、文章力の向上を目指すのです。
「文章ゼミ」
レビュー、ルポ、インタビュー、エッセイという4種類の文章課題を通じ、「自分らしさ」を見つけるコース。書いたものを参加者と講師で批評し合ったあと、何度も書き直すことを重視しています。
自分の文章を何度も直されることに最初は慣れないかもしれませんが、「フィードバック→修正」は文章力向上の基本。ぜひ挑戦してみたいものです。
「発想ゼミ」
企画書やSNSなどで、パッと人目を引く言葉選びを学べるコース。多くの人に「ウケる」言葉選びができるのは、生まれつきの才能のように思えますが、「脳を刺激するさまざまな発想法」に取り組めば伸ばせる能力なのだそう。
キャッチコピーや書籍・映画のタイトル、さらには川柳や回文など、課題は多岐に渡ります。さまざまな種類の文章を書くことで新しい視点が得られ、発想力を鍛えられるでしょう。
通信講座
「東京や大阪は遠い……」という方のために、文章力を鍛えられる通信講座も紹介します。
「ビジネス文章力養成講座」
日経ビジネススクールには、オンラインで受講できる講座もあります。この「日経新聞の記者経験者が添削 ビジネス文章力養成講座 <初級編>」は、日本経済新聞の記事を教材として、文章の書き方を学ぶというもの。2つのレポート課題を、記者経験者が添削してくれます。現在、2019年10月以降の講座が申込み受付中です。
「文章力を磨く」
産業能率大学総合研究所は、「プロカレッジ」として、個人向けの講座・セミナーを提供しています。通信講座のひとつである「文章力を磨く」は、ビジネスの事例から学べる文章講座。言いたいことを正確に伝えられるよう、「文」と「構成」の両面から、文章力の基礎を身につけます。
***
幸運なことに、文章力は才能だけで決まるものではありません。今回紹介したさまざまな方法を試し、ぜひ文章力を鍛えてみてください!
東洋経済ONLINE|文章でバレまくる「永遠に二流の人」の共通点
STUDY HACKER|『伝わる文章』を書くために。絶対に押さえておきたい4つの “きほん” 。
STUDY HACKER|生涯給与は “文章力” で決まる!? 「できる社会人」の「できる文章」5つのコツ
STUDY HACKER|書けなければ何も始まらない。「文章力の重要性」と「文章の難しさ」をプロが語る――“文章術のプロ” 山口拓朗さんインタビュー【第1回】
STUDY HACKER|あなたはどちらのタイプ? 「文章が苦手」2つのタイプの原因と克服法――“文章術のプロ” 山口拓朗さんインタビュー【第2回】
日本人材ニュース|「文章力」のない人に共通する7つの特徴
STUDY HACKER|Study Hackerのライターが教える、“人に伝わる” 文章を書くための3つのポイント。
STUDY HACKER|どんなに「口下手」でも本気で伝えるためにできる4つの工夫。“ズバリ発想法” で印象が段違いに!
STUDY HACKER|評価を「上げる人」「下げる人」の話し方。プレゼン順番の黄金法則 “PREP” ってなに?
STUDY HACKER|プロが教えてくれた文章力最速習得法——え、たったこれだけでいいんですか!?
STUDY HACKER|新聞の「100文字要約」が文章力と読解力のトレーニングに最高なワケ。
STUDY HACKER|伝えたいことを “書ける” 人になる。文章力を鍛える3つのトレーニング方法。
プレジデントオンライン|池上彰が新人時代に"文章力"を養った方法
STUDY HACKER|文章力はTwitterで磨け! 東大生がすすめる「Twitter文章力トレーニング」3つのコツ
日経ビジネススクール
大阪編集教室
産業能率大学 プロカレッジ|文章力を磨く
村瀬裕一
早稲田大学大学院先進理工学研究科所属。松本深志高校出身。日々、細胞の微小管について研究をしている。趣味はゲーム・カメラ・旅行など。