皆さんは、いま使っている手帳に満足していますか? 今や手帳は、レイアウトやデザインのみならず、さまざまな点で多様化が進んでいます。その中から、自分にとって理想的な手帳を見つけるのはなかなか難しいですよね。
いま使っている手帳に何となく物足りなさを感じている方は、「バレットジャーナル」を試してみてはいかがでしょうか。バレットジャーナルとは、好きなノートとペンだけで始められる、カスタマイズ性の高い手帳です。
今回は、筆者が実際に試してみたバレットジャーナルの作り方と、その使用感をご紹介します。
バレットジャーナルとは?
バレットジャーナルとは、ライダー・キャロル氏によって発案された「箇条書きの手帳」のこと。コアコレクションと呼ばれる次の4つの要素が基本要素です。
- インデックス:どのページに何が書いてあるのかを示す目次のページ
- フューチャーログ:半年〜1年ほどの将来の予定を記入・一覧するページ
- マンスリーログ:その月の予定を記入・一覧するページ
- デイリーログ:毎日のイベントやタスクを記入・確認するページ
このほかにもさまざまな要素を追加することもできますが、基本要素はこの4つだけ。インターネットにあがっているオシャレな例を見て、「バレットジャーナルって手間がかかりそう」と思っていた方もいるかもしれませんが、じつは気楽に始められるものなのです。
バレットジャーナルの使い方は、次の通りです。
- ノートとペンを用意し、コアコレクションを作成する
- フューチャーログとマンスリーログに予定を記入する
- 前日までにデイリーログにイベントとタスクを記入する
- その日の終わりにタスクの進捗を確認し、翌日の予定とタスクを記入する
- 3と4を毎日おこなう
意外と簡単に思えてきませんか? 物は試しということで、この手順に沿って筆者もバレットジャーナルを作り、実際に使ってみました。
バレットジャーナルを作ってみた
1. コアコレクションの作成
ノートは、こちらのノートを購入しました。シンプルなデザインと表紙が硬くない点、罫線が入っている点(ページを分割する際に定規が要らない)が好みだったためです。毎日書くことを考えて、必要以上の装飾はせず普段使っているシャープペンシルで書いていきます。
コアコレクションページを作成していきます。今回は手書きで作成しましたが、カレンダーシールのようなものを使っても良いですね。
2. フューチャーログとマンスリーログに記入する
フューチャーログとマンスリーログには、日程の変更がない予定を書き込んでいきます。
3. 翌日のデイリーログにイベントとタスクを記入・確認する
当日になって新たに発生したタスクはその都度書き足していきます。
4. その日の終わりにタスクの進捗の程度を記入し、翌日のイベントとタスクを完成させる
進捗の程度は「終わったタスクには×印、済ませるつもりだったが先延ばしにしたタスクには>印、計画的に日程を変更したタスクには<印をつけ、する必要のなくなったタスクは線を引く」というルールで記入をしました。
皆さんも、ご自身の使いやすいルールを設定して記入をするのがおすすめです。
使ってみた感想
実際に1週間ほど使ってみた結果、バレットジャーナルには以下のような特徴があると感じました。
予定を見落としたり、忘れたりしなくなった
バレットジャーナルは、毎日タスクやその進捗を記入するため、必然的に毎日手帳を開くことになります。これは手間と捉えることもできますが、逆にいえばそれだけ予定を確認する頻度が増えるということ。何日も前に手帳に書いた予定を見落として忘れてしまう、といったリスクを軽減させることにもつながります。
また、プリンストン大学のパム・ムラー教授とカリフォルニア大学のダニエル・オッペンハイマー教授らが行なった実験では、講義中に手書きでメモをとった学生は、キーボードでメモをとった学生よりも講義内容の定着度が高く、かつ記憶時間も長かったという結果が出ています。このように、手書きで記入した内容は記憶に定着しやすいため、その点においても予定を忘れることを防ぐ効果が期待できるのです。
先延ばしの癖がなくなった
先延ばしにして>印をつけたタスクは、達成するまで毎日手帳に記入し続けなければなりません。つまり、先延ばしにするたびにその現実と向き合うことになるのです。そのため、「先延ばしにしていないでさっさと終わらせてしまおう」という気分になり、先延ばしの癖が治りました。
カスタマイズが簡単
実際に使っていくなかで、「デイリーログは見開きに1週間分収めたほうが使いやすい気がするな」「思いついたことを記入する欄が欲しいな」と、新たに気付くことも多くありました。それらのアイデアをすぐに反映させられるのは、ほかの手帳にない強みだと感じます。
ただ、自分が普段使っている週間バーチカルタイプの手帳と比べると、空いている時間がパッと見て分からない点には少し物足りなさを感じました。しかし、もちろんこれも自分で時間軸を作れば解決するので、余裕のあるときに作成してみようと思います。
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実際にバレットジャーナルを使ってみた結果、
- 予定の確認漏れが多い
- やるべきことはわかっていても、ついつい先延ばしにしてしまう
- 普段使っている手帳に物足りなさを感じている
という方には、とてもオススメの手帳術だと感じました。簡単に始められるので、ぜひとも、一度試してみてください。
(参考)
和気文具|はじめようバレットジャーナル
The Atlantic|To Remember a Lecture Better, Take Notes by Hand
【ライタープロフィール】
梅野 凌矢
東京大学工学部所属。鹿児島県立鶴丸高等学校出身。大学では人間の認知システムを中心に勉強中。大学の吹奏楽団体に所属していて、担当はホルン。趣味は音楽ゲーム、読書など。Perfumeがとても好き。