会話は “間” があってこそ生きてくる。「価値ある沈黙」を上手に生み出すテクニック。

あなたは会話中の沈黙に耐えられますか?

親しい仲間内であっても少しの沈黙が気になってしまうのに、プレゼンや交渉中に沈黙が流れたら……と、考えただけでも冷や汗が流れてしまいますよね。特に、会話や発表することに苦手意識があるかたにとって、沈黙の時間は本当につらいと思います。

しかしながら、沈黙の時間を過剰に気にする必要はありません。実は伝わるコミュニケーションをするために、多少の沈黙の時間は必要なのです。

今回は会話における沈黙の役割について考えてみましょう。

沈黙は金、雄弁は銀

プレゼンや議論の場、普段の会話などでは、沈黙の時間は嫌われることが多いです。それは沈黙が長く続けば続くほど、場の空気が重くなると思われているから。しかしながら、「相手に伝える」ということを考えると、ただひたすらに話を続けることが良いとはいえないのです。

例えば、誰かのプレゼンを聞いているときや同僚との会話の中で、「相手の話している内容が伝わってこない……」、そんなときはありませんか? 「もしかして、自分の理解力不足なのではないか」と、悲しくなってしまいそうですが、あなたの理解力が足りないのではありません。

話の内容が伝わってこない人たちの話をよく聞いてみてください。実は「てにをは」を間違えて何度も言い直していたり、一文がなかなか途切れなかったりしているはずです。また緊張していたり、思ったことをそのまま口に出したりしていると、口だけは回っているが、なにも伝わらないという状態になってしまうのです。

一生懸命話しているのに内容が伝わらなかったら残念ですし、ビジネス上での評価にも影響してしまいます。このことについて、元アナウンサーの松本和也さんは、以下のように述べています。

もちろん、とりあえず話してしまうという気持ちもわかります。考えている間の沈黙が怖いからです。大丈夫です。しっかり考えがまとまるまで黙ってください。実は無駄なことばを言う代わりにしっかり黙ることこそ、伝わる話をするために最も必要なのです。

(引用元:ダイヤモンド社 書籍オンライン|話しながら考えない。考えてから話す。考えている間は黙る

内容が難しかったり真剣であったりするほど、聞き手も時間がほしいもの。沈黙を恐れず、しっかりと考えをまとめてからはっきりと話すようにしましょう。沈黙の時間があったほうが言葉は確実に相手に伝わるのです。

会話は間で生きる

また、会話中の沈黙の時間はあなたの話の印象を左右します。例えば、以下の話し方を見てみましょう。

(1)早口でまくしたてるマシンガントーク。 (2)長い沈黙の後に返される、短い文章の返事。

(1)と(2)を比較したとき、(1)は軽薄そうな話をしている感じがするのに対して、(2)はとても真剣な会話をしているように感じませんか?

このように、沈黙の時間によって私たちが受ける会話の内容の印象はガラリと変わるのです。

このことから、雑談の時は話すペースを早くしていたとしても、大事な話題になったら多少間を置きながら話すようにすると、相手も「ここからが大事な話なのだな」と聞く意識を変えることができます。そのため、一番伝えたいことがしっかりと相手に伝わるのです。

沈黙を使いこなし、もう一段上のコミュニケーションを目指してみてはいかがでしょう。

自分の話を録音してみよう

「伝わる」コミュニケーションでは、沈黙が大切だということがわかった。そうはいっても、沈黙があまりにも長すぎてしまうと、相手は会話の内容以外の余計なことを考え始めてしまったり、心配したりするかもしれません。どうすれば適切な長さの沈黙を維持できるようになるのでしょうか?

単純かつ明快ですが、自分の会話を録音し、聞き手の立場になって聞いてみるとよいのです。

放送作家として『ザ!鉄腕!DASH!!』『奇跡体験!アンビリバボー』『ズームイン!!SUPER』などに携わってきた野呂エイシロウさんは、プレゼンを魅力的なものにするために、自分の話し方を録音して聞き直していたのだそう。

話し方を改善するには、自分の話がどう聞こえているかを客観的に検証する必要があります。そのために有効な方法は、自分の会話を録音して聞き返すことです。 実を言うと僕も、かつては自分のプレゼンをすべて録音し、聞き直していました。

(引用元:ITmedia エンタープライズ|自分の話し方を「客観的」に研究する

緊張しているときや、一生懸命に話しているとき、私たちの時間感覚はあてにならないものです。10秒ほど経ったと思っていても、5秒しか経っていないことはよくあります。だからこそ、自分の話し方を客観的に眺めることが大切なのです。そしてプレゼンや普段の会話にちょうどいい沈黙の時間と、自分の時間感覚をすり合わせてみましょう。

自分の話があまり相手に伝わってないなと感じるかたや、沈黙が怖くて話し続けてしまう癖があるというかた、今よりもっと効果的なプレゼンを目指しているかたは、一度自分の話を録音し、客観的に研究してみてください。自分が思っているほど沈黙がそれほど気にならないことや、自分の話し方の癖や欠点がわかるはずです。

*** 会話やプレゼンの沈黙は完全に悪というわけではありません。まずは一度自分の話を聞いてみてはいかがでしょうか? きっと沈黙についての考え方が変わりますよ。ぜひ試してみてください。

(参考) ダイヤモンド社 書籍オンライン|話しながら考えない。考えてから話す。考えている間は黙る ITmedia エンタープライズ|自分の話し方を「客観的」に研究する 日経Bizアカデミー|意識的な「沈黙」が、円滑なコミュニケーションを生む! 故事ことわざ辞典|沈黙は金、雄弁は銀 エキサイトニュース|放送事故の基準は?

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