波紋を呼ぶパワハラ騒動。「理不尽」にはどう対処すればいいのか?

スポーツ界を中心に、至るところで「パワハラ騒動」が勃発しています。

パワハラとまでは行かずとも、仕事をしていると「理不尽な出来事」に数多く遭遇しますよね。不可解な理由で怒られた、ミスをしつこく咎められた、何かを強要された、など……。きっと多くの方が、そういったご自身の苦い体験を思い出しながら、パワハラ関連のニュースを眺めているのではないでしょうか。

理不尽な出来事のせいでイライラしたりネガティブ感情に陥ったりしては、仕事のパフォーマンスにも悪影響が及んでしまいます。「理不尽」への賢い対処法を学びましょう。

体操、レスリング、アメフト……多発する「パワハラ事件」

最近のニュースを特に騒がせているのは、体操リオデジャネイロ五輪女子代表の宮川紗江選手がコーチから暴力指導を受けていたとされる問題です。日本体操協会はこれをパワハラと認定し、コーチは無期限の登録抹消処分に。しかし当の宮川選手は、暴力はあくまで信頼関係に基づいたものであり、決してパワハラではないと主張。逆に、二人三脚で2020年東京五輪を目指している自分たちの関係を引き裂くための謀略だとして、日本体操協会側のパワハラを訴えています。

思えば、2018年は今日まで、パワハラ関連のニュースが多く取り上げられてきました。五輪4連覇の実績を誇る女子レスリング伊調馨選手と、日本レスリング協会強化本部長(※当時)栄和人氏を巡る騒動。監督やコーチが間接的に指示を出したとされた、日本大学アメリカンフットボール部の悪質タックル問題、など。

そしてスポーツの世界以外では、とある企業の上司が部下に送った「有給取得クイズ」メールが問題視されました(※上司が出すクイズに全問正解しない限り、有給取得が許可されないというもの)。

身近な場所にも「小さな理不尽」はたくさんある

上で取り上げた事例は、全国ニュースを駆け巡ったぐらいですから、非常に極端な例かもしれません。しかし私たちが普段働くなかでも、パワハラとまでは行かずとも、「小さな理不尽」は意外とたくさん存在しているはずです。

女性向けファッション誌『CanCam』が実施したアンケートによれば、職場で理不尽を感じる瞬間として、以下のような回答が多かったのだそう。皆さんにも、思い当たるものがあるのではないでしょうか。

【人によって言っていることが変わる】 部長と課長で言っていることが真逆、相手や気分によってあからさまに態度を変える、など。

【感情的に怒る上司や先輩がいる】 周囲に八つ当たりする、仕事ではない場所で発生したイライラを仕事に持ち込む、など。

【自分の責任ではないことで怒られる】 まったく関係ないことでなぜか怒られる、他人のミスの責任を押し付けられる、など。

【職場に納得できないルールがある】 上司の仕事が終わるまで居残りを強いられる、スピーディーに仕事を終わらせて定時で帰ると逆に評価が下がる、など

【非効率的な仕事のやり方を強要される】 明らかに効率が良い代替手段があるのに変えようとしない、改善案を提出しても取り合ってもらえない、など。

こういった理不尽な出来事に正しく対処するには、どうすればいいのでしょうか? 今回は特に、皆さんの周囲にもいるに違いない「理不尽な人」への対処法に焦点を絞って解説していきます。

1. 「メタ認知」でスマートに受け流す

思い当たらない件でなぜか責められる。上から目線で説教をされる。こんな「理不尽」に遭遇したときの対処法として、脳科学者の中野信子さんは「メタ認知」をキーワードに挙げています

人は説教をしているとき、快楽物質であるドーパミンが脳から分泌されているため、中毒性のある快楽を感じています。したがって、説教を無理にやめさせようとするのは少々厄介なのだそう。その代わりに「メタ認知」を行なうのです。具体的なやり方は以下。

①類型化することで、客観的に相手の分析を試みる。 「この上司はすぐに『いまの若いやつは……』って嘆くけど、新しいことが嫌いなタイプなのかな?」などと分析してみる。 ②相手の心理分析を試みる。 「険しい表情をしているけど、ストレスが溜まっているんだろうな」などと内面を推測してみる。

(引用元:StudyHacker|毎日聞くのが苦痛な自慢や説教――。そんな困った人から「自分を守る方法」とは【中野信子『カリスマの言葉』第9回】

このようにして、相手や自分の思考心情を客観的につかみに行くことで、説教の内容からちょっと気が逸れ、心理的な不安感が少なくなります。理不尽な説教は、受け止めるのではなく受け流す。これぐらいの対処で充分なのです。

2. 面倒さを事前に回避。理不尽な人をあえて味方につける

もうひとつ、中野信子さんが推奨している、ちょっと高圧的な人との上手なコミュニケーション術をご紹介しましょう。

こちらに対して異様に攻撃的な人、理不尽な嫌がらせをしてくる人。本来であればあまり関わりたくない相手ですが、場合によっては、こちらから “ある方法で” 積極的に関わりに行くのが得策だと、中野信子さんは述べています。

その方法はじつにユニークで、その人にアドバイスを求めに行くというもの。中野さんは、人はアドバイスを求められると、攻撃や嫌がらせを続けられなくなるのだと言います。

「アドバイスをする」という行為は、相手があなたに「投資する」ことを意味します。投資をするとき、人間は報酬を期待します。つまり、「アドバイスが役に立つ」ことを期待するのですが、攻撃や嫌がらせを続けていると、アドバイスが役に立ちません。 (中略) 一度アドバイスをしてしまうと「自分が授けた知恵を正解にしたい」という心理が強く働きます。そのため、自然とあなたに対して嫌がらせを続けるモチベーションが下がっていくのです。

(引用元:StudyHacker|高圧的で苦手な相手をうまくコントロールする心理戦略【中野信子『カリスマの言葉』第4回】

アドバイスをしたからには、そのアドバイスを確実に “役立つもの” に仕立てたい。そういう心理から、攻撃や嫌がらせをするモチベーションが逆になくなっていくのですね。

関係に悩む相手がいたら、相手の心理を逆手に取り、あえて教えを乞うてみるのはいかがでしょうか?

*** 本当にどうにもならない事態はしかるべき場所に相談するべきですが、「ちょっとした理不尽」ぐらいだったら、意外とテクニックで対処できるのかもしれませんね。

理不尽な出来事、理不尽な人に恐々として本来の能力を発揮できないのは、非常にもったいないことです。「理不尽」を上手にいなし、快適に物事を進められるようになるといいですね。

(参考) ZAKZAK|塚原夫妻の「支配」浮き彫り… 体操・宮川パワハラ問題“泥沼化”の様相 現代ビジネス|伊調馨と栄監督が袂を分かった「決定的な出来事」 YOMIURI ONLINE|日大アメフト、危険なタックル問題 ねとらぼ|「全問正解で有給チャンス」 サントリー子会社のジャパンビバレッジ、“有給取得クイズ”メールの存在認める CanCam|職場で「理不尽!」と思う瞬間ランキング、2位「八つ当たり」、1位は…やっぱりアレ StudyHacker|「理不尽」に悩まないために。“ムカつく” をさらりと流す3つのテクニック StudyHacker|毎日聞くのが苦痛な自慢や説教――。そんな困った人から「自分を守る方法」とは【中野信子『カリスマの言葉』第9回】 StudyHacker|高圧的で苦手な相手をうまくコントロールする心理戦略【中野信子『カリスマの言葉』第4回】

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