勉強や仕事で行き詰った時、皆さんならどうしますか?コーヒーを飲んでちょっとブレイク、近所に散歩に行く、等解消法はいろいろあると思います。ですが私が一つ提唱したいのは、“トイレに行く”こと。「えっ、トイレ?」と思われた方に、トイレの持つ侮れないパワーをお伝えしたいと思います。
不思議と落ち着く?トイレの秘密
「言われてみれば、トイレにいくとなんとなく落ち着く」っていう人、多いんじゃないでしょうか。実はこれにはパーソナルスペースが関係ありました。人は無意識のうちに、他人との間に距離をとって、快適な空間を保とうします。この空間のことを「パーソナル・スペース」といいます。この広さは国籍・人種・性別、また個人間でも大きな差がありますが、おおよそ以下のような広さといわれています。 ●密接距離---ごく親しい人に許される空間 ・近接相(0~15センチ)=抱きしめられる距離 ・遠方相(15~45センチ)=頭や腰、腿がかんたんに触れ合うことはないが、手で相手に触れるくらいの距離(親しい人同士がささやきあえる)
●個体距離---相手の表情が読み取れる空間 ・近接相(45~75センチ)=相手を捕まえられる距離(配偶者や付き合っている以外の異性がこの空間に入ると、違和感を感じる) ・遠方相(75~120センチ)=両方が手を伸ばせば指先が触れあうことができる距離(個人的な話をするときによく利用される)
実は、この遠方相以上の距離が確保できるのが、トイレなのです。自分の縄張りであるパーソナルスペース、その空間に他人が入ってくると人は緊張や不快を感じますが、トイレならば絶対におかされる不安はありません。だから私たちはトイレにいると落ち着き、安らぎを感じるのです。
近年は今まで以上にトイレが必要とされる時代
自分のパーソナルスペースを確保するならば、自分の部屋でもいいんじゃないの?そう思った方もいらっしゃるかもしれません。ですが、近年、SNSの発達により、どこにいても、いつでもだれとでも繋がれる時代になりました。それ自体はもちろんとてもよいことでです。ですが、悪い面もあります。それは自分の時間や「自分だけの場所」がなくなってしまったことです。家に帰っても、自分の部屋にいても、絶えず誰かから連絡がくる時代。あるいは、誰かが何かを書き込んでいないか、と気になったりもします。それでは、常に気持ちが休まらない状態です。それでは自分の部屋にいても、パーソナルスペースを確保できているとは言えません。
パーソナルスペースは、地理的物理的空間確保だけではありません。心の距離もパーソナルスペースには含まれます。真に自分が絶対的に他人と距離を取れる場所、それはトイレ以外にはないんではないでしょうか。(トイレ内でスマホを見ている場合は除く)
ではトイレで何をするの?
では行き詰った時、トイレへ行っていったい何をすればいいのでしょうか?私がおすすめするのは、ちょっとした読書や、ただボーっとすること。私は自宅のトイレの棚に、星新一さんのショート・ショート集を置いており、疲れたときはトイレでそれを一遍だけ読むことにしています。そうするとリフレッシュにもなり、不思議とアイディアがわいてくることもあります。
また、会社内のトイレであれば眠気覚ましに使う人も多いでしょう。顔を洗ったり軽いストレッチをしたりするだけでも気分転換になりますし、ずっとパソコンとにらめっこしていると顔の筋肉も固まってしまうので、人目を気にせずに変顔をして顔の凝りをほぐしてあげても良いですよね。誰にも邪魔されずリラックスすることで、不思議と安らぎを得られて「さぁまた頑張ろう!」という気持ちになるでしょう。
*** どうでしたか?今もしこのコラムをトイレで読んでいる方がいたら、そっと画面を閉じて、目をつぶってみてください。外界をシャットダウンして一人ぼっちになることも、時には必要ですよ。
(参考) All About 近づかれると不快な距離って何センチ? Yahoo!beauty 仕事が進む気分転換のコツ!女子はトイレで●●をせよ