みなさんは「爆速」というフレーズをご存知ですか?
これは、2012年にIT企業であるヤフーが経営陣の交代と同時に掲げた新たな経営スローガンです。この「爆速」の元、新生ヤフーはさまざまな改革を実行し、2016年となった現在も19年連続での増収増益を達成しています。
今回は、このヤフーの新たな経営を取り入れながら、あなたの勉強や仕事スピードを加速させて成果を出すための「爆速勉強法」を紹介します。
勉強しない理由より、勉強する理由を考えよう
2000年代後半にmixiやGREEなどのさまざまなIT企業が台頭し、さらにはスマートフォンという新たなデバイスが流行しました。そんな中、老舗であるヤフーはPCでの成功に引きづられて新たな事業へのチャレンジに踏み出せずにいたのです。
そこで、この停滞を脱するために、新生ヤフーは改革として「10倍挑戦して5倍失敗し、2倍成功する」というスローガンを掲げます。こうして、リスク回避思考を捨てて以前の成長を取り戻す試みを始めていきました。
これは、勉強にも当てはまることではないでしょうか。過去と今とでは、あなたにとって必要な知識は変わっていませんか?
もう過去の財産にあぐらをかくことは止めましょう。過去にどれだけ勉強したとしても、今も安泰だということにはなりません。まず、今のあなたが必要とする知識が何かを考えてみてください。
明確な目標を示して登る山を決めよう
新たな勉強の方向性が決まったら、次は数値を置いた明確な目標を立てください。
ヤフーの場合は、2012年に「201X年までに営業利益を2倍にする」という目標を立てました。それにより自社の150のサービスから、利益2倍達成のために有望なサービスを絞り込み、資源を集中的に投下したのです。さらに、他者に比べて遅れているサービスは、他者の力を借りテコ入れする、あるいは潔く撤退するようにしました。
例えば、あなたがTOEICで900点を取るという目標を立てたとします。そのためには、自分はどの分野の勉強量をどのくらい増やすべきでしょうか?
合計で○時間の勉強量が必要だとします。では、その勉強量を○月までに達成させるには、1日どのくらい時間を費やすべきでしょうか?
このように、何事も明確な数値目標を置くことで、計画が立てやすく、やるべきことが自ずと見えてくるのです。
人に見られている意識を持とう
人は誰かに見られることで自意識が高まります。
そこで、攻めの姿勢を取り戻すためにヤフーは新たな人事制度を採用したのです。「他人に見られている」という意識を社員全員に持ってもらうために、上司が部下と週1回30分面談を行うようになりました。さらに上司と部下、チームのメンバーが互いに評価し合う制度も設けたのです。
このように自意識が高まると張り合いが出てきて、結果としていい仕事をするようになります。
では、勉強も「人に見られている」と意識した方が良いのではないでしょうか? ただ部屋にこもって勉強していても、誰にも監視されていない状況ではサボってしまいがちですよね。
例えば、自習室で周囲に見られているつもりで勉強したり、日々の勉強内容や読んだ本の感想をブログやSNSに投稿してみたり、友人と会った時に自分の勉強目標や達成度を話してみるなど、方法はいくらでもあります。
人も企業も安定を脱してかつての成長を取り戻すには、大きな意識改革が必要です。「昔は頑張っていたけれど、最近は頑張りが足りないなぁ」と思っている方は、ヤフーの「爆速」を見習ってみてください。
(参考) 蛯谷敏著(2013),『爆速経営』,日経BP社 ダイヤモンド・オンライン|「1on1ミーティング」で才能と情熱を解き放て! サイボウズ式|社員の才能を解き放つ方法とは?──「爆速経営」で大企業病を克服したヤフーに学ぶ