「方眼ノート1冊に何でも書き留める習慣」のすごい効能。“思考の足あと” が刻まれてゆく

気づきや問題解決策、アイデアをノートに記録するビジネスパーソン

「なるほど」と思ったこと、「おやっ?」と思ったこと、「おぉ、これは役に立つ」と感じたこと、「そうだ、こうしよう!」と思いついたこと、など――うまく活かしていきたい知識や情報、まだ形になっていないアイデアの種を、みなさんはどう保管していますか?

「物事に触れ、頭の中で『ハッ』としたことを、仕事に活かせたらいいとは思うが、書いたところで分類が面倒。でも、何かいい方法があるのなら知りたい」という方に、「気づき、体験、アイデア」などを方眼ノートに手書きで残す有効性とやり方をお伝えします。

筆者も実践してみました!

仕事力を高める「自分ノート」

これまでに2,000社を超える赤字会社を黒字化してきた、敏腕経営者で経営コンサルタントの長谷川和廣氏は、気づきやノウハウ、ひらめき、起こったトラブルに解決策、他者からの相談事やアドバイスなどを、ノートに書き留めているそうです。

27歳から書き続けたというそのノートは、2018年の時点で290冊にも達したとのこと。 日々「おやっ」と思ったことを記すので、長谷川氏のノートの名前は、ズバリ「おやっとノート」。こうしたノート習慣は、仕事に改革を起こすと同氏は述べています。

また、精神科医で作家の樺沢紫苑氏にも、書き続けているノートがあるそうです。セミナーや講演の聴講記録、会議やミーティングの記録、自身のアイデア出しから、映画の感想まで、すべて1冊のノートに書き込んでしまうのだとか。

樺沢氏は、ノートのとりかたを変えるだけで、学びのスピードが格段に変化するはずだといいます。ただし、自分自身が続けやすくて便利だと感じるような、自分に合うノート術を実践することが大切とのこと。

いろいろなノート術がありますが、今回は、次に当てはまる方に気に入ってもらえそうなノート術を、効果とともに紹介します。

  • “気づき” を仕事に活かしたい
  • まだ自分に合うノート術がわからない
  • けっこう面倒くさがりである
  • 最近ちょっぴりイライラしている

そのノート術とは、冒頭で紹介した手書きで、方眼ノート1冊何でも書き留めていくノート術」のことです。

気づきやアイデア、セミナーの聴講記録や、映画の感想まで書き留める方眼ノート

1.「いろいろ書き留めていく」といいのはナゼ?

順天堂大学医学部教授・小林弘幸氏は、どんなことでも文字にして書き留める習慣があると、物事を対象化して考えられるようになると述べます。物事を、ひいては自分の頭のなかを客観視できるので、冷静に考えられるようになるとのこと。自己を客観的にとらえると、自律神経のバランスが整うので、イライラも和らぐそうです。

また、長谷川和廣氏は、気づきやノウハウ、ひらめき、問題解決策などを「おやっとノート」につけてきたことで、かけがえのない知的な財産を得られたと述べます。他者が提唱したままの情報ではなく、自分の感情を刺激した、印象深く理解もできている情報や知識、知恵が詰まった「おやっとノート」は、同氏のビジネスを大きく広げ、赤字会社の再建にも大いに役立ったそう。

そして、樺沢紫苑氏は、1冊のノートにあらゆることを書き留めたものを「思考の軌跡」と表現します。

つまり、何でも書き留めていくといい理由は次のとおり。

  • 客観的になれる
  • 自律神経のバランスが整う
  • イライラを軽減する
  • 自分の頭の中で起こったことがわかる
  • 自分が咀嚼した情報を保管できる

気づきをノートに記録するビジネスパーソン

2.「ノート1冊にまとめる」といいのはナゼ?

樺沢紫苑氏は、すべて1冊のノートに時系列で書いておくと、見返しやすくて復習しやすいと説明します。書き留めたおおよその時期を思い出すだけで、目的のページを開くことができるからです。逆に複数のノートに分類して使い分けると、どのノートに書いたのかわからなくなってしまうとのこと。

メンタリストのDaiGo氏も、やはりノート1冊にまとめるようすすめています。ジャンル関係なくすべて時系列で書いておくと、「たしか、このあたりに書いた」と、位置の記憶をたどって目的の内容を探すことができるからです。人間の記憶は、空間と物事を結びつけて行なわれるそう。

また、DaiGo氏は、いろんなジャンルが入り混じり書き込まれているほうが、飽きずに復習でき、新しいアイデアも生まれやすくなるといいます。

それに、1冊にまとめるとノートを使いきる確率も高まるので、ノートを使い終えたときに覚える達成感を得られやすくなります。書き続けること、見返して復習すること、いずれの意欲も高まるでしょう。

さらにいえば、何でもかんでも1冊にまとめていいならば、面倒くさがりやさんにも “うってつけ” です。したがって、ノート1冊にまとめるといい理由は次のとおり。

  • 目的のページを見つけやすいので、見返しやすい
  • いろいろなジャンルが入り混じるので、飽きずに復習できる
  • ノートを使いきる率が高まり、意欲の増進を後押しする
  • 面倒くさくない

自分が書いたノートを見返すビジネスパーソン

3.「手書き」がいいのはナゼ?

小林弘幸氏によると、うまい下手関係なく、字を丁寧にゆっくりと手書きすることで、心が落ち着き自律神経が整うのだそう。

また、樺沢紫苑氏によると、プリンストン大学とカリフォルニア大学ロサンゼルス校の共同研究では、パソコンのキーボードを打つよりも、手書きでノートをとるほうが、成績、記憶の定着、アイデア出しにおいて優位になる傾向があると示されたそうです。

そのほかにも、スタヴァンゲル大学とマルセイユ大学の共同研究で、タイピンググループと、手書きグループに分けて記憶テストをしたところ、手書きのほうが記憶に残りやすいとわかったそう。

言語処理にかかわる脳の部位(ブローカ野)が活性化するのは、手書きをしているときのみなのだとか。そうしたことから、手書きがいい理由は次のとおりになります。

  • 丁寧にゆっくり書く作業が自律神経を整える
  • 言語処理にかかわる脳の部位(ブローカ野)が活性化する
  • 記憶力やアイデア力がアップする

セミナーに参加し手書きで記録するビジネスパーソン

4.「方眼ノート」がいいのはナゼ?

樺沢紫苑氏は、自分ノート用に方眼ノートを愛用しているそう。

じつは小林弘幸氏も、方眼ノートをすすめています。なぜならば、方眼ノートなら行頭をそろえやすく、字の大きさを整えやすく、字が下手でも見やすくきれいに書けるから。また、罫線があるのでレイアウトも組みやすく、図表を記録しても乱雑になりません。書くストレスが少ないので、より自律神経が安らぐとのこと。

つまり、方眼ノートがいい理由は次のとおり。

  • きれいに書ける
  • レイアウトを組みやすい
  • 書くストレスが少ない
  • 自律神経が安らぐ

自宅でリラックスしながら自分ノートを書く女性

では、こうした多大な効果を得るために、筆者もさっそく挑戦してみます。

「方眼ノート」に何でも書き留めてみる

筆者は、100円ショップでも買える8mm方眼罫の方眼ノートを選びました。

8mm方眼罫の方眼ノート

方眼の大きさの好みは人それぞれだと思うので、まずはご自身が「書きたいな」と感じた方眼ノートを選んで、書いてみてくださいね。

このノートに、気づきでも、「オッ」と思ったことでも、気になった言葉でも、アイデアでも、ふと思い出したことでも、忘れていたけどしっかり覚えておきたいことでも、何でも何かしら感情に働きかけたものを書き留めていきました。

方眼ノートに、気づきや、おっと思ったことを書き込んだ画像

「方眼ノート」に何でも書き留めてみた結果

とめどなく何でも方眼ノートに書き留めてみた結果、「適当に書いてもきれいに見えるストレスフリー感」を覚えたのはもちろんのこと、興味深いことがわかりました。

小林弘幸氏は自律神経の乱れが、手書き文字の乱れとなって現れることを指摘していますが、さらに今回、

  • 本当に興味があることだと文字が整い
  • じつはそれほど興味がない文字が乱れる

と気がついたのです。いつのまにか「べき思考」でも情報をキャッチしていたのですね。ただでさえ情報過多なので、文字が乱れたらアッサリ排除してしまえば内容が濃くなり、知識や情報の活用率が高まるかもしれません。

さらに、興味を持った英文の内容を人に説明できるくらいに理解しようとした場合、デジタル上でまとめながら解釈するよりも、手書きしながら解釈していくほうが、倍以上も速くできると実感しました。手書きが言語処理にかかわる脳の部位を活性化させると体感できたわけです。

なおさら、英文の解釈ほか、あらゆる内容がそのまま自分のネタとなり、それが詰まったノートが出来上がっていくので、書くことすべて自分の有益な知恵になるという充実感期待感満足感もまた格別。まさに長谷川和廣氏がいう、かけがえのない知的な財産といったところです。

また、あらゆる興味が膨らんだり、小刻みになったり、新たに生まれたりしてノートに埋まっていく状況は、まさに樺沢紫苑氏がいう思考の軌跡思考の足あとといってもいいかもしれません。

何でも書き留めてみたら「自分だけの知的な財産」 ができて「思考の足あと」 が刻まれた。

何でも書き留めてみた結果、「自分だけの知的な財産」ができて、「思考の足あと」が刻まれました。ぜったいに、おすすめです!

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2003年に北海道大学附属図書館副館長・北分館長に就任していた大平具彦氏は、米宇宙天文学者のカール・セーガン氏が「図書館は、人間が大量の情報を、遺伝子でも脳でもない場所に貯えるために身体の外部につくりだした脳である」と説いた、興味深い言葉を紹介しています。

大平氏いわく、図書館は「社会的な脳」。ならば、家の本棚は「個人的な脳」。だとすれば、何でも書き留めていく自分ノートは、「個人的な脳の閲覧コーナー」とでもいいましょうか。

ぜひお試しくださいね。

(参考)
長谷川和廣(2011),『ポケット版 30代のための「おやっと」ノート』, かんき出版. 
樺沢紫苑(2018),『学びを結果に変えるアウトプット大全』, サンクチュアリ出版. 
ダイヤモンド・オンライン|最強リーダーの仕事の“気づき”が詰まった「おやっとノート」の中身 
@DIME|手帳やノートが乱雑な人は自律神経が乱れ気味?  
STUDY HACKER|メンタリストDaiGo推奨「3ワードノート術」は記憶定着&思考訓練にホントに効く 
STUDY HACKER|自律神経を整えて頭もスッキリ! 夜寝る前 “たった5分” でできる「3行日記」が最高だった。
NHKらいふ|自律神経を整えて イライラしにくい自分に  
Hokkaido University Library|「楡蔭」116号 目次|図書館という脳 

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