本番前の不安を乗り越える! メンタル安定のためのシンプルな習慣

タブレットと飲み物を手に、前を向いて立つビジネスパーソン

「大事な試験でいつも実力を発揮できない……」「試験の前になると不安で居ても立っても居られない……本番に弱いタイプで困っている」

こんな悩みをもっていませんか?

この記事では、試験前のメンタルを安定させる方法をご紹介します。ぜひ、試験の準備に役立ててください。

メンタルを安定させればうまくいく

試験やテストを控えたとき、多くの人が「本番に弱い」と感じたことがあるのではないでしょうか。たとえば、普段の勉強や授業中には難なく解ける問題でも、試験本番になると急に頭が真っ白になって解けなくなってしまうことがあります。これは、試験に対する過度な不安や緊張が原因で、通常のパフォーマンスを発揮できなくなっているのです。

「プレッシャーを感じると思考能力が鈍ったり、思考が停止してしまったりする」ことがあると、東邦大学 神経科学研究室教授の増尾好則氏は述べています。*1 

思考が停止してしまえば、たとえ問題の解き方を知っていたとしても正解にたどり着けなくなってしまいます。

こうした思考能力の低下はストレスが脳に与える影響によるものです。特に試験のような高い集中力を必要とする状況では、ストレスが原因で集中力が低下し、問題文の読み間違いなどのミスが起きやすくなります。

ミスをせずに試験に合格するためには、ストレスを緩和させて心の状態を安定させることが必要です。メンタルの安定がなければ、どれほど準備をしても本来の実力を発揮することはできません。精神的に落ち着いた状態で試験に臨み、実力を最大限に引き出すことが重要なのです。

赤鉛筆でSTRESSと書かれる様子

試験前の不安を軽減させる習慣づくり

試験前の不安を軽減し、メンタルを安定させるためには、普段からの習慣が重要です。ここからは、試験前の緊張や不安を和らげるための具体的な方法を3つ紹介します。

1. 毎日のルーティンをつくる

規則正しい生活リズムを保つことが、メンタルの安定に大きく貢献します。規則正しい生活リズムのために、早寝早起きは鉄則です。とはいえ、普段夜型の人に早寝早起きは厳しいものがありそうです。

秋田大学大学院教授の三島和夫氏は、「早寝早起きではなく、『早起き早寝』で調整する」ことをすすめています。それは「朝型生活を頑張って続けていくうちに、光や食事、運動などの環境因子を巻き込んで、睡眠リズムをその時間帯に安定化させるメカニズムが働き始め」るからです。*2

ということはつまり、無理に早く眠ろうとするより朝食の時間を決めたほうがいいのではないかと筆者は考えました。毎日同じ時間に朝食をとるように心がけることで、自然と起きる時間が決まり、眠る時間も固定されてくるはずです。

朝食をイメージした画像

2. ポイントを確認できるメモをつくる

試験直前の復習は、精神的な負担を軽減するためにも効果的です。普段から要点をまとめた簡潔なメモをつくっておきましょう。これを見ることで、試験前に重要なポイントをさっと確認でき、不安を和らげることができます。

また、試験直前にはそのメモ以外の資料を見ないと決めてしまうことも重要です。広範囲にわたる復習を試みると不安が増大してしまいます。メモを作ったら、試験直前にそれ以外に手をつけないことで、心を落ち着かせることができます。

3. いつも本番だと思って勉強する

試験本番と同じ環境で練習しておくことは、緊張を和らげるのに効果的です。たとえば過去問は、本番の試験会場のような静かな場所や机の配置で解きましょう。当日に似た緊張感を経験しておくことができます。

順天堂大学医学部教授の小林弘幸氏は、「毎日が本番のつもりで勉強して、模試も本番のつもりで臨む」ことが有効だと述べています。*3 試験本番に似た状況に慣れておくことで、心を落ち着けて自分の力を発揮できるようになるからです。

机に向かい勉強している男性

習慣のおかげでメンタルが安定した

筆者は弁理士の資格取得を目指していて、先日その模擬試験を受ける機会がありました。本番同様に会場で受験できる模擬試験だったので、本番のつもりで挑んできました。そのときに、上で紹介した3つの方法を実践しましたので、その様子を紹介します。

1. 無理に眠ろうとせず、朝食をしっかりとった

筆者は試験前に限らず寝つきが悪く、なかなか眠れないことが多いのです。そのため、無理に眠ろうとせず、前出の三島氏の言うように「早起き」にフォーカスすることに。そのうえで、朝食を毎日決まった時間にとることを目標にしました。

模擬試験当日も、眠れたのは朝4時頃だったのですが、いつもと同じ時間に朝食をとることで自分を整え、落ち着いた気持ちで会場に向かうことができました。

普段は夜型だという方にも、ぜひ「朝食を毎日決まった時間にとる」ことをおすすめします。ルーティンがあることでメンタルが安定するはずです。

2. メモのおかげで緊張が和らいだ

筆者は「試験直前に見る」と決めたメモを作成し、当日模擬試験の会場に持っていきました。メモがあることで安心感が増し、緊張が和らいだ気がします。

筆者がメモにまとめたのは、受験する弁理士試験の二次試験で必要な熱力学の公式です。これがあるだけで「きっと大丈夫!」という気持ちをもつことができたと思います。当日試験会場に向かう電車の時間や、会場での注意点、また試験の時間配分などをまとめておいても安心につながるでしょう。

このメモは自分がわかればOKですし、メモを作成するという作業自体が緊張を和らげるので、ぜひ取り組んでみてください。

3. 本番さながらの緊張感をもって勉強した

毎日の勉強中には、ついスマートフォンが気になったり、音楽を聞き始めたりしてしまっていた筆者。しかし、この模擬試験の前ばかりはいつも本番だという意識をもって勉強に取り組みました。このとき、試験本番での時間配分を考えながら勉強すると、自然と本番さながらの緊張感を味わえます。これが、試験への緊張感を乗り越えるための練習になったと感じます。

また、本番同様の会場で模擬試験を受けたことで、試験会場の環境面にも注目することができました。会場のイスが固いことや、少しの騒音でも気になるなどの発見があったのです。

本番の試験では、許可を得てクッションを持ち込んだり、耳栓を使用するなどの対策ができそうです。

もし、本番同様の模擬試験を受けられる場合は、環境面にも注目してみてください。本番へ向けて具体的な準備ができるようになるので、不安が軽減されると思います。

机の上に置かれたマークシートと鉛筆

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今回は試験前の不安を乗り越えるための方法をご紹介しました。みなさんが不安を乗り越えてメンタルを安定させ、試験で実力を発揮できるよう祈っています。

※引用部分の太字は筆者が施した

【ライタープロフィール】
髙橋瞳

大学では機械工学を専攻。現在は特許関係の難関資格取得のために勉強中。タスク管理術を追求して勉強にあてられる時間を生み出し、毎日3時間以上勉強に取り組む。資格取得に必要な長い学習時間を確保するべく、積極的に仕事・勉強の効率化に努めている。

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