やる気に関係なく「理想の行動」をとる最大のコツ。なりたい自分を “設定” するだけでいい

星渉さん「やる気などなくとも行動するための最大のコツ」01

「やる気」に関するコンテンツは、ビジネス書や自己啓発書、あるいは当サイト『STUDY HACKER』でも常に大きな人気を集めます。それだけ、「なかなかやる気が出ない」と悩んでいる人が多いことの表れなのでしょう。

ところが、『神モチベーション 「やる気」しだいで人生は思い通り』(SBクリエイティブ)を上梓した星渉(ほし・わたる)さんによれば、やる気などなくとも、行動できる人間になればいいだけのことなのだそう。そんな人間になるための方法を解説してもらいました。

構成/岩川悟 取材・文/清家茂樹 写真/塚原孝顕

やる気があろうがなかろうが、行動できてしまえばいい

「やる気」に関して、多くの人が「やる気が出ないと行動できない」という思い込みをもっているように私は感じています。そのため、「やる気を出す」ことを重要視しすぎてしまい、揚げ句の果てには目的までも見誤っているように思うのです。

みなさんは、なぜやる気を出したいのでしょう? その先にある、勉強や仕事といった行動をするためですよね。本来の目的は「行動する」ことです。そう考えると、やる気などあろうがなかろうが、行動できてしまえばいいのです。

私の場合も、いつも「やる気満々」というわけではありません。ある日の私の行動を紹介しましょう。私は300日ほど連続して毎日11時50分に「Voicy」という音声配信メディアで、音声コンテンツを配信しています。ただ、その日は13時半から19時まで心理学の講座を行なったために、肉体的にも精神的にもくたくたで、翌日に配信するコンテンツを収録するやる気など、とてもじゃありませんが湧いてきませんでした。

しかも、翌日には朝9時から、企業経営者の方たちを対象とした講義の予定があり、講義後にVoicyのコンテンツを収録する時間はありません。また、その講義のために移動する必要もあったため、早起きして収録するのもちょっと厳しい。そう考えると、心理学講座を終えたその日のうちに、翌日に配信するVoicyのコンテンツを収録するのがよさそうです。ただ、先にもお伝えしたように、その日は疲労困憊でした。

でも、もしその収録をしなかったとしたら、リスナーのみなさんから「今日は配信がないんですか?」「連続配信が途切れてしまいましたね」といったコメントが寄せられるでしょう。そんなことは私も絶対に避けたいところです。そうして私は、「やる気満々」ではない状態でVoicyのコンテンツを収録する行動ができたわけです。

これが、私が提唱する「ギャップモチベーション」の力です。ギャップモチベーションとは、「記憶と現実とのあいだにあるギャップ」を埋めようとすることで行動を促してくれるもの(『「やる気がなくても動ける人」になる方法。記憶と現実の “ギャップ” が自然と行動を導く!』参照)。私の例で言えば、「明日もVoicyの配信をする」未来に対する記憶と、「このまま収録をしなければVoicyの配信が途切れる」現実とのあいだにあるギャップを、ただ埋めようとしただけのこと。やる気など関係なく行動できるギャップモチベーションの特徴を活かしたのです。

星渉さん「やる気などなくとも行動するための最大のコツ」02

 

行動を「全自動化」するために、現時点の「自分設定」を知る

ギャップモチベーションなら、やる気などなくとも行動できる点で、行動を「全自動化」することができます。そして、この行動の全自動化には、じつはもうひとつのパターンがあります。それは、やりたいことややるべきことをきちんとやるような人間として、自分自身を「設定」してしまうというものです。このことを、私は自分設定をすると呼んでいます。

わかりやすい例を挙げましょう。みなさんは、目の前の信号が赤だったら止まりますよね。それは、「私は赤信号なら止まる人」という設定を自分自身に対してしているからです。

つまり、「30分早く出社して会社で資格勉強をしたい」人なら、やる気なんてものに頼るのではなく、「私は30分早く出社して会社で資格勉強をする人」という設定を、自分自身に対してすればいいだけのことです。

ただし、その設定の前にやるべきことがあります。それは、まず現時点での設定を知ること。なぜなら、いまの自分がどんな設定になっているかを知らずに設定を変えることなどできないからです。

とはいえ、「いまの自分はどんな設定になるのか?」とぼんやりと自問してみたところで、すぐに自分設定がわかる人は少ないでしょう。そこで、私は「17の質問」を用意しました。これは、多種多様な人たちが自分設定を知るための、いわば自己分析をするためのヒントとなりえる質問です。

現時点の「自分設定」を知るための「17の質問」

  1. あなたはどんな性格ですか?
  2. あなたが大切にしていることはどんなことですか?
  3. あなたは自分のことを何歳だと思っていますか?
  4. あなたはイラッとしたときにどんな態度をとりますか?
  5. あなたは努力することに対してどう思いますか?
  6. あなたは自分の見た目のことをどのように思っていますか?
  7. 朝起きたら、最初にすることはなんですか?
  8. 隙間時間であなたは何をしていますか?
  9. 帰宅したら、あなたは何をしている時間が多いですか?
  10. 休みの日にあなたは何をすべきだと思っていますか?
  11. あなたは未来の自分はどうなると思っていますか?
  12. あなたは上司に対してどんな態度をとる人ですか?
  13. あなたは部下・後輩に対してどんな態度をとる人ですか?
  14. あなたは家族に対してどのようなことをしていますか?
  15. あなたはピンチのときにどのような反応をしますか?
  16. あなたが嬉しいと感じるときはどんなときですか?
  17. あなたは、自分のことをどんな人だと思っていますか?

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「自分設定」を変えたら、そういう人間を演じる

なんとなく、いまの自分がどんな人間か見えてきたのではないでしょうか? では、この質問に対する回答を活かして、自分設定を変える例を示しましょう。

先の例と同じく「30分早く出社して会社で資格勉強をしたい」人がいるとします。でもその人は、「あなたは努力することに対してどう思いますか?」と自問した結果、「努力は苦手だし嫌いだ」と回答しました。そのままでは、「30分早く出社して会社で資格勉強をする」という「努力」をすることなど、できるはずもありません。

そこで、先の質問に対して、「努力をすることはすばらしいし、私は努力家だ」と回答する人へと、自分設定を変えてしまうのです。そして、その設定をした人間として日常を生きてみましょう。簡単に言うと、「俳優になる」ことです。

「努力をすることはすばらしいし、私は努力家だ」という人、「私は30分早く出社して会社で資格勉強をする人」ならどんな思考をするのか、どんな言動をするのか、どんな工夫をするのかと考え、実際に行動に移すのです。つまり、役づくりをして演じるわけです。

始めたばかりの頃は、その行動はもちろんただの演技かもしれません。でも、たとえ演技だったとしても、実際に努力をすることができて、30分早く出社して会社で資格勉強をできたならどうでしょうか? 本人は演じているつもりでも、行動したことは事実です。その人はもはや、「努力をすることはすばらしいし、私は努力家だ」という人、「私は30分早く出社して会社で資格勉強をする人」になっているわけです。

ほかの質問に対しても同様です。自分が目指す姿や目標と、質問に対する回答とのあいだに隔たりを感じたなら、その隔たりを埋められるような「自分設定」をする。そして、その設定に従って演じれば、設定通りの人間に近づくことができるのです。

星渉さん「やる気などなくとも行動するための最大のコツ」04

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【プロフィール】
星渉(ほし・わたる)
1983年5月13日生まれ、宮城県出身。作家(著書累計7冊43万部)、株式会社Rising Star代表取締役(https://usp-times.com)。大手企業で働いていたが、東日本大震災に岩手県で被災。生死を問われる経験を経て「もう自分の人生の時間はすべて好きなことに費やす」と決め、2011年に独立起業し、心理療法やNLP、認知心理学、脳科学を学びはじめる。それが原点となり、個人の起業家を対象に「心を科学的に鍛える」を中心に置いた独自のビジネス手法を構築。「好きな時に、好きな場所で、好きなシゴトをする個人を創る」をコンセプトに活動し、わずか5年間で講演会、勉強会には7,200人以上が参加し、手がけたビジネスプロデュース事例、育成した起業家は623人にものぼる。ゼロの状態から起業する経営者の月収を、6カ月以内に最低100万円以上にする成功確率は91.3%を誇り、その再現性の高い、起業家のためのビジネスコンサルティング手法が各方面で話題となる。コンサルティングの申し込みは倍率92.1倍を記録。日本で数千人規模の講演会を実施し、シドニー、メルボルン、ニューヨークなどの海外で大規模なイベントを行い、グローバルに「好きな時に、好きな場所で、好きなシゴトをする個人を創る」ための活動をしている。『神モチベーション 「やる気」しだいで人生は思い通り』(SBクリエイティブ)、『神子育て』(朝日新聞出版)、『99.9%は幸せの素人』(KADOKAWA)、『神トーーク』(KADOKAWA)など著書多数。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。

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