社会人の勉強時間は? 忙しい方が時間を確保する方法3選

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社会人になると、自分のための勉強時間を確保しにくいもの。資格などの勉強が必要かなと思いつつ、着手できない方は多いのではないでしょうか?

今回は、仕事で忙しい1日でも勉強時間を捻出できる、おすすめの方法をご紹介します。勉強時間がとれず悩んでいる社会人のみなさんは、ぜひご一読ください。

社会人の勉強時間はどれくらい?

一般的な社会人の勉強時間はどれくらいなのでしょうか? ふたつのデータをご紹介します。

平均は1日6分

総務省統計局が2016年に実施した「平成28年社会生活基本調査」では、「有業者」について以下の結果が得られました。

  • 調査日に「学習・自己啓発・訓練」(学業以外)を行なった人の割合:38.5%
  • 1日当たりの「学習・自己啓発・訓練」(学業以外)総平均時間:6分

勉強している人としていない人を混ぜた平均時間とはいえ、「1日6分」とは驚きですよね。社会人がいかに勉強不足か、よくわかる結果でしょう。

年収が高い人ほど長い

次は、勉強している人だけのデータを見てみましょう。同じく2016年にビジネス誌『プレジデント』がビジネスパーソン1,000人に行なったアンケートで、「平日に勉強している」と答えた人のものです。

平日に勉強しているビジネスパーソンの勉強時間

結果は、年収2,000万円台の人と500万円台の人に分けて集計されています。平日に1時間以上勉強している人は、2,000万円台だとおよそ半分、500万円台でも約3割です

年収が高い人は、そうでない人より勉強時間が長いこともわかりますね。特に、1日2時間以上勉強している人の割合では、2倍以上の差がついています。勉強は、やはり年収アップに必要なようです。

目安は人それぞれ

とはいえ、「社会人は○時間以上勉強すべき」「○時間以上勉強すれば出世できる」という基準が存在するわけではありません。必要な勉強時間は人によって異なるためです。

問題は、「もっと勉強しないとな」と自覚があるのにできていない場合。社会人が勉強時間を確保できない原因はどこにあるのでしょうか?

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社会人が勉強時間を捻出できない理由

社会人が勉強時間を捻出できない理由としては、以下の3つが主に考えられます。

仕事が忙しい

最も大きい原因は、やはり仕事が忙しいこと。時間に余裕がある人でも、平日に勉強できるのは、せいぜい2~3時間ではないでしょうか。まったく勉強の時間がとれないほど多忙なら、異動や転職で労働時間を減らすことも検討してみましょう。

無駄な時間が多い

1日の過ごし方に無駄が多く、勉強時間が少なくなってしまうパターンも。

  • ゲームやSNSに熱中してしまった
  • 机に向かったものの、ボンヤリ過ごしてしまった
  • 飲み会の翌日、二日酔いで動けなかった

……といった時間ロスが積み重なれば、勉強時間は短くなる一方。時間の使い方を見直し、ムダな時間を極力なくしましょう。

目標・計画が曖昧

目標や、目標を達成するまでの計画が曖昧な場合、迷いが多くなるため、勉強時間を確保しようという意欲が湧きません。勉強を始める前に、明確な目的意識をもち、ゴールに最短でたどり着くための具体的な学習計画を立てましょう。

勉強時間が少ないと感じている社会人の方は、上記のどの理由にあてはまるかチェックしてみてください。

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社会人が勉強時間を捻出する方法1:目標とノルマを決める

社会人が勉強時間を捻出するには、まず目標を明確にしましょう。目標と、それを達成する具体的な手段がわからなければ、どれくらいの時間が必要かもわからないためです。

資格スクール講師・碓井孝介氏などの見解を参考に、勉強の目標・計画を決める手順をご紹介しましょう。

1. 目標を明確にする

まずは、取得したい資格や達成したいことなど、勉強の目標を明確にします。目標設定に役立つのが「SMART」という枠組み。5つの条件を組み合わせたものです。

  1. Specific:具体的である
  2. Measurable:計測可能である
  3. Achievable:達成可能である
  4. Related:より大きな目標につながっている
  5. Timed:期限がある

あなたの目標は、5つの条件をクリアできていますか? ひとつでも欠けていると達成が困難になるため、目標を修正してください。

◆SMARTを満たしている目標の例

不動産業界に転職するため、2021年10月17日の宅建試験に合格する

◆SMARTを満たしていない目標の例

  • 今年中に何か資格をとる
    →目標に具体性がない(Specificの欠如)
  • 今年中に不動産業界の知識をマスターする
    →数値として計測できない(Measurableの欠如)
  • 2週間の勉強で宅建試験に合格する
    →達成できそうにない(Achievableの欠如)
  • 不動産業界で働く気はないけれど、宅建試験に合格する
    →次の目標につながっていない(Relatedの欠如)
  • いつか宅建試験に合格する
    →期限がない(Timedの欠如)

2. 期間は短めに設定する

碓井氏によると、資格に向けて勉強する場合、「長期コース」より「短期コース」のほうが負担が少ないそう。3ヵ月でとれそうな資格なのに、「1年じっくり勉強しよう」と計画を延ばすのはNGです。

その理由は、「古い記憶を次々に忘れていく」という脳の性質。受験勉強に1年も費やすと、試験当日には、最初に仕入れた知識ははるか1年前の記憶になっています。勉強期間が長くなるほど、覚えたことを忘れてしまうリスクが高まるのです。

一方、3ヵ月で勉強を終えれば、記憶が新鮮な状態で試験に臨むことができます。短期間に知識を詰め込んだほうが、合格の可能性が高まる場合もあるのです。

もちろん短期集中といっても、一夜漬けのような無茶は禁物。あくまで現実的に達成可能な期間を設定します。

3. ノルマを逆算する

目標と達成期限を決めたら、具体的な計画を立てましょう。試験日や締切日からノルマを逆算してください。「300時間の勉強が必要そうな資格を半年でとりたい」場合、「300時間/180日」と計算し、平均で1日当たり1.66時間勉強すべきだとわかります。

◆1日当たりのノルマの求め方
目標/残り日数

◆1日当たりのノルマを計算する例

  • 300時間の勉強が必要そうな資格を半年でとりたい:
    300時間/180日=1.66時間
  • 100ページの参考書を1ヵ月で終えたい:
    100ページ/30日=3.33ページ

こうして計算すれば、どれくらいの勉強時間を確保すべきなのかわかりますね。資格試験合格に必要な勉強時間の目安を知るには、以下のような方法があります。

  • すでに資格をとった人に質問する
  • 資格スクールなどの講習会で質問する
  • インターネットで検索する

総合情報サイト「All About」で活躍する資格取得の専門家たちによると、合格に必要な勉強時間の目安としては、以下のような例があるそうです。

  • 司法書士:3,000時間(1日2時間で約4年)
  • 中小企業診断士:1,000時間(約1年半)
  • 社労士:800時間(約1年)
  • フランス語検定1級:600時間(約1年)
  • 宅建:300~500時間(約半年~1年)

4. ノルマが適切かチェックする

最後に、計算したノルマが現実的かどうかチェックしましょう。1日の空き時間(可処分時間)にノルマが収まっていれば達成可能、そうでなければ達成不可能です。

起床から就寝までの過ごし方を順番に書き出し、勉強に使える時間を洗い出しましょう。通勤中など、机には向かえないけれど勉強できる時間も、空き時間とみなしてOK。ただし、効率が下がることを考慮して、「0.5」をかけましょう。通勤時間が往復2時間なら、2時間×0.5で1時間とみなします。

ノルマが空き時間に収まらない場合、「目標」または「現状」を変更する必要があります。目標を変更してノルマを減らすか、現状を変更して可処分時間を増やしましょう。

◆目標を変更する例

  • 試験の等級を下げる(1級→2級など)
  • 締切を延ばす

◆現状を変更する例

  • 転職して労働時間を減らす
  • 引っ越して通勤時間を減らす

多忙で勉強時間を確保するのが困難な人や、人生のターニングポイントとなるほど重大な試験に臨む社会人の方は、現状の見直しも積極的に考えてみましょう。

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社会人が勉強時間を捻出する方法2:ムダな時間をなくす

社会人が勉強時間を捻出するには、24時間をムダなく使う努力が必要です。具体的には、以下に挙げる5つの方法を試してみてください。

時間の使い方を振り返る

まず、自分が1日をどう過ごしているか振り返ります。1日の行動を順番に思い出し、分単位で紙に書き出して、「ムダな時間」がないか探しましょう。この作業を「タイムスタディ」と呼びます。

◆タイムスタディの例

0:00~7:00(7時間)睡眠
7:00~7:15(15分)テレビを見ながらボンヤリ
7:15~7:30(15分)朝食
7:30~7:35(5分)歯磨き
7:35~7:45(10分)トイレ
7:45~7:50(5分)着替え
……

この例では、「テレビを見ながらボンヤリ」の15分、「トイレ」の10分が節約可能です。ボンヤリする15分をなくし、トイレを5分で済ませれば、20分もの時間が生まれます。ちょっとした復習や暗記に使える、貴重な時間です。

こうして「ムダ時間」を削っていけば、平日に1~2時間の勉強時間を確保することも夢ではありません。

予定を3色ペンで管理する

『お金が貯まる人はなぜ時間の使い方がうまいのか』(PHP研究所、2012年)など数々の著書をもつ田口智隆氏は、手帳と3色ボールペンで時間の使い方を意識する方法を紹介しています。

  • 投資の時間:将来に備えて努力や準備をする、有意義な時間。勉強や読書、運動など
  • 浪費の時間:仕事や勉強につながらない、いわゆる「ムダな時間」。ゲームで遊んだり、テレビを見たり、飲みに行ったりなど
  • 消費の時間:投資でも浪費でもない時間。仕事・睡眠・家事など

上記のように行動を3色に分ければ、どの時間が「ムダ」なのかひとめでわかります。赤色の「浪費」および青色の「消費」を減らせば、勉強時間を確保できるでしょう。

ただし、どの行動を何色にするかは、一考の余地があります。勉強の一環としてテレビ番組を見るのは「浪費」でなく「投資」、気分転換にゲームで遊ぶのは「消費」と考えることもできるでしょう。仕事と関係のない勉強や読書の時間は、「浪費」に分類すべきケースもあるかもしれません。

「テレビだからムダ」「読書だからよい」と機械的に分けず、「なんのためにこの行動をするか」という目的意識を常にもつことが大切です。

アプリを活用する

時間をムダにしないためには、スマートフォンのアプリケーションを活用するのも手です。

たとえば「aTimeLogger」は、各行動にかかる時間をストップウォッチの要領で計測・記録できるアプリケーション。先述の「タイムスタディ」に役立ちます。

また、「ルーチンタイマー」は、食事や着替えなどの日課に取りかかるべき時間を通知してくれます。「朝食20分、歯磨き5分、着替え5分……」と設定しておくと、指定の時間が経過するごとにアラームが鳴り、次の行動へと駆り立ててくれる仕組みです。ダラダラ過ごして時間を浪費してしまうクセがある方は、ぜひ使ってみてください。

ほかにも、睡眠の質を改善したりウォーキングの歩数を計測したりなど、生活リズムを整えるのに役立つさまざまなアプリケーションがあります。

勉強に役立つアプリは「【社会人向け】勉強に役立つ無料&有料のおすすめアプリ16選」で詳しく紹介しているので、こちらもご覧ください。

◆時間管理などに役立つアプリ

  • aTimeLoggeriOSAndroid):時間の使い方をストップウォッチの要領で計測
  • ルーチンタイマーiOSAndroid) ルーティンの開始時間を通知
  • Sleep CycleiOSAndroid) 睡眠サイクルを計測し、最適なタイミングで起こしてくれる
  • リズムケアiOSAndroid) 行動の時間や歩数など、生活・健康のあらゆるデータを記録

スキマ時間を確保する

まとまった勉強時間をとりづらい社会人にとって、「スキマ時間」はとても貴重なもの。通勤中や昼休み、人を待っているあいだなど、ちょっとした時間も勉強に使いましょう。15分のスキマ時間が1日4回あれば、1時間勉強できます

スキマ時間を活用するには、「スキマ時間にやることリスト」をつくっておくのが大事。「何をしようかな」と迷うことなく勉強を始められるので、短い時間をムダなく使えます。

コンサルティング事業を手がけるイントランスHRMソリューションズ株式会社代表取締役・竹村孝宏氏がすすめるのは、スキマ時間の長さに応じて「5分用」「10分用」「30分用」と作業を分類すること。これなら、急に生まれたスキマ時間もムダになりませんね。

◆スキマ時間にやることの例

  • 5分間:単語の暗記
  • 10分間:テキストやノートを読み返す
  • 30分間:問題演習、読書

スキマ時間用のツールを用意する

スキマ時間にやることを決めたら、専用の勉強道具も用意しておきましょう。

代表的なのは、単語カード。暗記したい情報をカードにまとめておき、1分でも時間が空いたらすぐ取り出せるよう携帯しましょう。復習内容をまとめた紙やノートでもOKです。

仕事術や勉強に関して多数の著書をもつ宇都出雅巳氏は、テキストや問題集を分解して持ち歩くというユニークな方法を推奨しています。復習に必要なページだけを切り取れば持ち運びやすいうえ、単語カードをつくる時間を節約できるので、かなりおすすめです。

スマートフォンのアプリケーションも、スキマ時間用の勉強ツールになります。たとえば「i-暗記シート」(iOSAndroid)は、スマートフォンのカメラで撮影したノートやテキストの文字を「赤シート」のように隠せる優れモノ。蛍光ペンで塗った部分は、アプリケーション内で黒く塗り潰されて表示されるので、大事な情報を暗記できているか確認できます。

◆スキマ時間用の勉強ツール

  • 単語カード
  • 復習用ノート
  • 分解したテキスト
  • 学習アプリ

勉強時間を捻出しにくい社会人の方は、上記のような工夫をして、貴重な時間をムダなく活用しましょう。

社会人が勉強時間を捻出するには5

社会人が勉強時間を捻出する方法3:睡眠サイクルを整える

社会人が勉強時間を確保するにあたっては、睡眠サイクルを整えることも必要です。

夜更かししたり寝つけなかったりして就寝の時間が遅れれば、起床時間も遅くなります。「朝に勉強する予定だったのに寝坊してしまった」という事態を防ぐには、規則正しい睡眠が重要なのです。

寝つきがよくなれば、ベッドに入ってから入眠までの時間を短縮することもできます。筆者も寝つきが悪く、いつも入眠まで1時間近くかかってしまうので「この時間がもったいないなぁ」と常々感じているものです。

以下では、特に睡眠を研究する内山真教授(日本大学医学部)の見解をもとに、睡眠サイクルを整える具体策をご紹介します。ベッドに入ってもなかなか眠れない方や、寝坊が多い方はぜひ参考にしてください。

一定の時刻に起床する

基本的なことですが、朝は決まった時間に起きましょう。起床時間が一定になれば、夜も一定の時刻に自然と眠くなります。

ポイントは、起床後すぐに太陽の光を浴び、少量でも朝食をとること。身体が「目覚めた」と認識し、体内時計がリセットされるため、睡眠サイクルの安定につながります。

休日も例外ではありません。内山教授によると、平日より遅く起きるとしても、2時間以上ずれてはいけないのだとか。普段7時に起きているなら、休日でも9時までには起床しましょう。

お風呂の温度はぬるめにする

お風呂の温度は、38~41度がおすすめ。心身をリラックス状態にする「副交感神経」が優位になり、眠りにつく準備が整います。

42度以上の熱いお湯だと、心身が興奮して寝つきが悪くなってしまうので、どうしても熱いお湯がいい方は、眠る2時間前までに入浴を済ませましょう

入眠前のリラックスタイムをつくる

入眠の直前はリラックスタイムを設け、気分をゆるめましょう。音楽を聴く、本を読む、ストレッチをするなど、リラックスできるならなんでもかまいません。

内山教授が特におすすめしているのは、以下の呼吸法。身体の力を抜き、入眠を促す効果が期待できます。効果を実感できるまで少し慣れが必要だそうですが、リラックス手段のひとつとして試してみてください。

  1. おなかを膨らませながら、ゆっくり息を吸う
  2. おなかをへこませながら、吸ったときの2倍の時間をかけて息を吐く
  3. 1~2を数回繰り返す

多量の飲酒を避ける

リラックスするといっても、お酒に頼ることは避けましょう。アルコールによる眠気は一時的なもの。2時間ほどで作用が切れ、その後はむしろ眠りが浅くなってしまいます。晩酌をするとしても、お酒は少量に留めましょう。

勉強時間をなかなか確保できない社会人の方は、上記の方法で睡眠サイクルを整え、朝に勉強してみてはいかがでしょうか。

社会人が勉強時間を捻出するには6

勉強時間を捻出できないときは……

社会人だと、工夫しても勉強時間には限りがあるもの。十分な時間を捻出できないなら、短い時間で効率よく勉強する必要があります。最後に、学習効率を高めるテクニックをご紹介しましょう。

細かいタイムリミットを設定する

習慣化コンサルティング株式会社代表取締役の古川武士氏は、15分ごとに締切を設ける「短時間細切れ集中法」を紹介しています。「1時間で4ページ」ではなく「15分で1ページ」と目標を設定するほうが、タスク当たりの時間制限が短くなり、集中力が高まるのです。

◆普通の目標を細切れにする例

  • 1時間で4ページ進める→15分で1ページ終える
  • 1時間で英文を読み終える→15分で段落3つ分読む
  • 午前中に過去問を解き終える→15分で5問解く

◆「短時間細切れ集中法」のメリット

  • 集中力が高まる
  • 15分ごとに達成感を得られ、やる気が持続しやすい

類似のテクニックに、当サイトでたびたび紹介している「ポモドーロ・テクニック」があります。「25分の作業+5分の休憩」をひと区切りにするものです。

15分と30分のどちらで区切るかは、勉強の内容や好みで変わるでしょう。さまざまな設定で試しながら、自分にとって最適な区切り方を見つけてください。

「短時間細切れ集中法」やポモドーロ・テクニックを実践する際は、以下のような学習用タイマーが便利です。

株式会社ドリテックの「タイムアップ2」は、学習用の卓上タイマー。音ではなく光で知らせる「光アラーム機能」や、試験日や締切までの残り日数を表示する「デイタイマー機能」が搭載されています。

ポモドーロ・テクニック用として人気なのが、こちらのタイマー。手に持って振るだけで、25分や5分のカウントが開始されます。本体の向きによって、普通のタイマーや時計にもなりますよ。

スマートフォンで使えるアプリケーションもあります。たとえば「Focus To-Do」(iOSAndroid)なら、ポモドーロ・タイマーとして使えるほか、ToDoリストの機能も。

4回以上復習する

学んだ内容を効率よく定着させるには、繰り返しの復習が欠かせません。

記憶のメカニズムなどを研究する池谷裕二教授(東京大学)によると、何度も復習した情報は、重要なものだと脳に判断されるため、長期記憶として定着しやすいそう。以下のタイミングで4回復習するのが最も効率的とのことです。

  1. 学んだ翌日
  2. 1から1週間後
  3. 2から2週間後
  4. 3から1ヵ月後

脳は入力より出力を重視するそう。テキストを読むだけでなく、問題集を解いたり確認テストに挑戦したりと、アウトプット型の復習をしましょう。

記憶術を活用する

暗記に有効なのが「記憶術」。連想などによって情報を結びつけるテクニックです。膨大な情報を丸暗記しないといけない方は、ぜひ試してみてください。

連想結合法

「連想結合法」とは、覚えたいもののイメージを連結し、ストーリーをつくる方法。「ニンジン」「サバ缶」「タマゴ」「ネギ」「ビール」という5つの情報を覚えたいなら、以下のようなストーリーになります。

ニンジンをくわえたサバタマゴを産んだ。そのタマゴをネギで割ってみると、なかからビールが出てきた。

光景をなるべく鮮明に思い描くと、頭に残りやすくなります。また、抽象的な情報は具体的な物体に置き換えましょう

  • クーリングオフ制度→返品用の段ボール箱
  • 手付金等保全→

連想結合法について詳しく知りたい方は、「世界トップクラスの “記憶アスリート” たちも実践する『連想結合法』が万能すぎる。」をご覧ください。

場所法

「場所法」とは、情報を身近な風景に関連づけて覚えるテクニック。上と同じ5つのアイテムを覚えるなら、

  • 玄関にニンジンがある
  • 風呂場にサバ缶がある
  • トイレにタマゴがある
  • キッチンにネギがある
  • リビングにビールがある

と、自宅の各位置にアイテムがある光景をイメージします。はっきりと思い描ける場所であれば、自宅以外でもOKです。連想結合法と同様、抽象的なものを覚えたい場合は、具体的なものに置き換えましょう。

場所法についてより詳しく知りたい方は、「超定番記憶術『場所法』とは? 3ステップであなたもできる!」をご覧ください。

頭出し法

「頭出し法」とは、頭文字を並べて覚える方法。防災訓練の標語「おはし(押さない、走らない、しゃべらない)」と同じです。上のように、

  • ンジン
  • バ缶
  • マゴ
  • ール

という5つの単語を暗記したい場合、頭文字の「ニサタネビ」を覚えます。この「ニサタネビ」を覚えるには、

  • 繰り返し唱える
  • 語呂合わせを使う(「NISA種火」など)
  • 覚えやすいように並べ替える

などを試してください。一度記憶すれば、情報を一気に思い出せます。大量の専門用語を記憶しなければならない社会人は、頭出し法を活用することで、かなり勉強時間を節約できるはずです。

***
社会人が勉強時間を確保するには、24時間を上手に使って時間を捻出すること、そしてその貴重な時間を最大限有効に使う努力をすることが大切です。スキルアップやキャリアアップを目指している方は、ご紹介したアプローチをぜひ試してみてください。

【ライタープロフィール】
佐藤舜
大学で哲学を専攻し、人文科学系の読書経験が豊富。特に心理学や脳科学分野での執筆を得意としており、200本以上の執筆実績をもつ。幅広いリサーチ経験から記憶術・文章術のノウハウを獲得。「読者の知的好奇心を刺激できるライター」をモットーに、教養を広げるよう努めている。

(参考)
統計局ホームページ|平成28年社会生活基本調査
プレジデントオンライン|年収2000万vs500万学習法比較
All About|司法書士試験 合格に必要な勉強時間の目安とは?
All About|中小企業診断士合格までの勉強時間はどれぐらい必要?
All About|社労士試験の勉強スケジュール!合格するための学習時間とは
All About|フランス語検定(仏検)準2級・2級・準1級・1級とは?
All About|独学で宅建に合格するためにやるべき5つのこと
碓井孝介(2018),『40代からの勉強法&記憶術』, PHP研究所.
GLOBIS知見録|目標設定の5つのポイント「SMART」とは?
尾本一明(2017),『資格試験に超速で合格る勉強法』, すばる舎.
松本幸夫(2010),『そうか、こんな手があったのか! 1分間を10万円にする時間力』, 青志社.
田口智隆(2012),『お金が貯まる人はなぜ時間の使い方がうまいのか』, PHP研究所.
日経クロステック|スキマ時間を効果的に活用するコツ
多田健次(2012),『仕事と無理なく両立できる 毎日続く勉強法』, 日本実業出版社.
All About|隙間時間を活用した勉強の4つのコツ!1日5分でもOKの暗記術とは
古川武士(2017),『成果を増やす 働く時間は減らす 高密度仕事術』, かんき出版.
日経クロステック|「ポモドーロ・テクニック」で集中力を高める
プレジデントオンライン|「復習4回」で脳をダマすことができる
宮口公寿(2015),『読んだら、きちんと自分の知識にする方法』, PHP研究所.
平田直也(2019),『世界最強 記憶術 場所法』, ディスカヴァー・トゥエンティワン.
ダイヤモンド・オンライン|一度に大量に記憶するには「頭出し記憶法」が効果的
NHK|【不眠対策】寝つきが悪い原因と寝つきが良くなる4つの方法

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