性格のせいか強く主張できず、嫌な思いをすることがあり困っている。もう少しはっきりと自信を持って主張できるようになりたい。こんな思いを抱いたことのある方はいませんか? あると答えた方は、そのせいでストレスを蓄積しているかもしれませんね。そんなときは、少し視点や考え方を変え、発言の内容や他者との関わり方を工夫することで、悩みが解決するはずですよ。今回は、自信を持って主張するためにはどうしたら良いのかについてお伝えします。
他者の視点を持ちながら主張する
「母熊効果」という言葉をご存知でしょうか。母熊効果とは、自分の子を守る母熊が強い力を発揮するように、他者のために発言するときは自信を持って自分の意見が述べられるようになる、という効果です。たしかに、自分のためだけに物事を強く主張するのは利己的だと思われる可能性もあり、なかなかしにくいですよね。その点、他者のためになる主張なら「好意的な人物」として受け入れられやすく、堂々と主張することができます。
しかし他者のためだけではなく、自分のために主張しなければならないときも当然ありますよね。そんなときにおすすめなのが、他者の視点を持ち、自分の主張がどうまわりの利益につながるかを考えることです。
例えば、“自分がすべきではない”もしくは“する必要がない”仕事を押し付けられたとき、その言葉のまま伝えてしまうと、自己中心的な人物だと思われてしまいます。その場合は、自分がその仕事を避けることによって、まわりにどんなメリットがあるのかを考えて伝えるのです。「この仕事は自分が行うと非効率なので、より業務内容に精通した人に任せたほうが生産性を上げられる」といった言い回しや、「チーム全体の仕事の流れがスムーズになるので、自分ではなく○○さんが担当した方が良い」などといった感じです。あれこれ考えてみると、いろいろなことが思いつくはずですよ。
そして大切なのは、自分が発言する内容を、自分自身がしっかりと信じることです。自分の主張は自分のためだけでなく、他者や組織などまわりのためでもあるのだと、自分自身に暗示をかけることで強く主張できるようになるからです。
専門分野を持ち、情熱を持って話す
自分の専門分野について話すときにも、人は強く主張できるようになります。専門性があることの発言や主張は、自信の構築にも役立ち、他者からも信頼を得られるためです。また、聞き手の方も、話し手が情熱を持って話していると、その主張に対してより寛容になれます。好きなことについて楽しそうに語る人の話は、なんだか聞いている方まで楽しくなってきますものね。
だからこそ、もともと詳しいことを極めるためにもっと深く学んだり、もしくは知識を広げるために本を読んだり勉強に励んだりして、自分の専門分野・得意分野をしっかりと作っておきましょう。そうすれば、自然と情熱を持って上手に主張することができるようになりますよ。
人に助言を求め、味方を作る
強力な味方がいるときにも、人は強く主張することができます。自分だけで戦わなければならないときと、いざとなったら助けてくれる味方がいるときとでは、随分心持ちが違うでしょう。そのため、味方になって欲しい人には積極的に助言を求めるのが吉です。また、自分が持つ能力は、時に主張しなければ誰にも気づかれないことがあります。しかし、それをそのまま主張したのでは、人から疎まれたり嫌われたりするリスクがありますよね。
そこで、単に自分の能力をアプローチするのではなく、それに関する助言を他者に求めることがおすすめです。例えば「自分は英会話が得意なのでそれを活かしたいのですが、どうしたら良いのかわかりません。だから、○○さんのようにしっかりした方から的確なアドバイスがほしいのです。」といった感じです。
人は頼りにされて嫌な気持はしないもの。そうすることにより、謙虚な姿勢で相手を立てている印象を与えられるので、強力な味方を得ることができます。そして助言を求めながら、さりげなく自分の能力もアピールすることができるので、有能で好ましい人物として印象づけることができるはずです。
*** 自分の幸せのためには他人のためだけではなく、自分のために主張する勇気も持たなければなりません。強く主張するのが苦手だ、と感じている人はぜひ参考にしてみてください。
(参考) TED|Adam Galinsky:How to speak up for yourself NEGOTIATION STRATEGIES FOR WOMEN |PROGRAM ON NEGOTIATION HARVARD LAW SCHOOL Fobes|4Things Every Powerful Woman Should Know About Negotiation