「自分は必要とされているのだろうか……」うまくいかないときや集団の中で個性を出せないときなどに、突然頭によぎる不安。みなさん一度は、自分の価値について思い悩んだことがあるのではないでしょうか。

ある一つの分野でナンバーワンになれなくても、自分にしかない価値を作ることができれば、つまり、オンリーワンになることができれば、私たちは他者に貢献することができます。また、それが強みとなって、自信も湧いてきますよね。

では、オンリーワンになるためには、何をすればよいのでしょうか? 他の誰にもない価値など、いったいどのようにすれば得ることができるのでしょうか。

今回は、オンリーワンになる方法について考えてみたいと思います。

3つの分野で100人に1人の存在になる

リクルートで数々の新規事業を手がけ、2016年現在、奈良市立一条高校の校長である藤原和博氏。ビジネスマンが公立高校の校長になるという、ユニークな人生を歩んでいます。その藤原氏が語る、希少な人材になるために必要なこととは、3つの分野で100分の1の希少性を獲得すること。その理由を、藤原氏は次のように説明しています。

100人に1人という技を3つ掛け算しますと、100分の1×100分の1×100分の1=100万分の1になれるわけです。これで「100万分の1の希少性を獲得した」ということになるわけです。100万分の1の希少性というのは、だいたいオリンピックのメダリスト級です。
(中略)
ただ、たった1つの分野で勝負して100万分の1人になろうとすると、99万9999人に勝たなきゃなりませんので、これはけっこう勝負としては不利、もしくは途中で屍になる確率が高いわけです。リスクが非常に高い。でも、3分野で100分の1というなら、なれる。

(引用元:logmi|100万分の1のレアな人材になるには? 藤原和博氏が教える、自分の付加価値を上げる三角形

それでは、100分の1の希少性を獲得するにはどうすればいいのでしょうか。藤原氏は、ワシントン・ポスト紙の記者を経て雑誌記者、ベストセラー著者として活躍するマルコム・グラッドウェル氏が示した「1万時間の法則」に触れ、100分の1の希少性は、その分野で1万時間努力すれば得られるのだと言います。

この1万時間の法則とは、グラッドウェル氏の著書『天才! 成功する人々の法則』で紹介されているもので、作曲家やチェスのプレイヤーなど様々な分野で成功を収めている人の多くが、1万時間の訓練を経てその分野に精通したという研究結果に基づき導かれた法則です。

1万時間というと、1日6時間費やしたとして5年弱です。3種類の分野でそれぞれ1万時間努力し、100人に1人の価値を得られれば、私たちはオリンピックのメダリストレベルの希少性を得られるのですね。

(ちなみに藤原氏によると、ノーベル賞を受賞する確立を計算すると、1000万分の1の希少性が必要なのだそう。追い抜く必要がある人数は999万9999人です。誰もが知っている名誉なだけあり、やはり厳しい道と言えるでしょう。)

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あなたが持っている価値は三角形の大きさと同じ

ただし、私たちが努力すべき3つの分野が何でもよいわけではありません。藤原氏によると、3つの分野は互いに離れたものである方がよいのだそう。

このことは、アイデアの発想法によく似ています。というのも、

「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」

(引用元:Newsweek日本版|「アイデアは既存の要素の新しい組み合わせ」とヤングは言った

から。これは、アメリカの広告業界で伝説の広告マンと言われるジェームズ・W・ヤング氏が言った言葉。みなが驚くような価値あるアイデアは、誰もが思いつかなかった物事の組み合わせによってうまれています。

例えば、それまでになかった美しい書体が話題となったAppleのコンピューターは、カリグラフィーという文字のデザイン技法とパソコンを組み合わせたことが大きな特徴でした。全く異なる分野をつなげることによって、新たな視点が生まれ、新しいアイデアが生まれた好例と言えます。

私たちの価値も、ユニークなアイデアと同じように、今までにいなかった人材であればあるほどに高まります。そのためには、3つの分野がなるべく離れていて、誰も見つけることがなかったつながりを見出すことができると、オンリーワンへの道が見えてくるのです。

3つの分野を頂点にした三角形は、各頂点が離れていればいるほど大きな面積を占めるイメージに似ています。藤原氏が選んだ3つの分野は、「営業とプレゼン」×「リクルート流のマネジメント」×「公立校の校長」でした。異なる分野をつなげることで新しい視点が加わり、柔軟な発想ができるようになることも、アイデアと同じですね。

***
みなさんは今、いくつの分野で努力を重ねていますか?
1つの分野で戦ってきたという方や、今よりも自分の価値を高めたいという方は、新しい分野に挑戦してみてはいかがでしょう。

(参考)
logmi|100万分の1のレアな人材になるには? 藤原和博氏が教える、自分の付加価値を上げる三角形
PRESIDENT Online|自分の価値をかけ算して「レアな人材」になれ
リクルート マネジメント ソリューションズ|「一流」と「二流」を分かつものは何か?
iPhone Mania|ジョブズにカリグラフィーを教え、コンピュータ業界を変えた伝説の神父、83歳で逝去
Newsweek日本版|「アイデアは既存の要素の新しい組み合わせ」とヤングは言った
The Asahi Shimbun GLOBE|[第7回]「有意義な仕事」が成功の定義だ。複雑だが夢中になり、努力すれば報われる 「天才! 成功する人々の法則」Outliers マルコム・グラッドウェル Malcolm Gladwell