自己肯定感の低い私が “Wishリスト” で得た大きな気づき「どんな自分も認めていい!」

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仕事などで失敗するとひどく落ち込みがちで、「自分なんかやっぱりダメだ」と思ってしまう癖がある……。

そんな“自己肯定感の低い人”は、“自分の価値に気づき、認められるようになる”ことが必要です。それが叶うとっておきのノート術「Wishリスト」について、筆者の実践談を交えながら詳しくご紹介しましょう。

そもそも「自己肯定感」とは何か

近頃、特に教育系のトピックのなかで見聞きする機会の多い「自己肯定感」。これはそもそも、いったいどのようなものなのでしょうか。

淑徳大学人文学部助教、吉森丹衣子氏の論文によると、自己肯定感という言葉は1994年に臨床心理学者の高垣忠一郎氏が提唱したもの。自己肯定感については多くの研究があるそうで、そのなかで自己肯定感は「現在の自分を自分であると認める感覚」や「自分自身のあり方を肯定する気持ち」などと定義されているとのことです。

ここではひとことで、「自己肯定感=ありのままの自分を“価値ある存在”だと認められる感覚としましょう。

吉森氏によると、自己肯定感の有無による影響について、教育の観点では次のように語られているそうです。

  • 自己肯定感の低下が意欲の低下につながる(文部科学省中央教育審議会、2007年)
  • 自己肯定感が高い人ほど、意欲があり前向きである(福島県教育委員会、2011年)
  • 自己肯定感は、他者を思いやり、社会的絆を深めようとする姿勢を育む基盤になる(山梨県教育委員会、2014年)

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これらを参考に考えると、教育に限らずビジネスにおいても、自己肯定感の高さは重要だということがわかります。私たちビジネスパーソンも、仕事などをうまく行かせたいなら、自己肯定感を高めたほうがいいはず。

そこでご紹介したいのが、自己肯定感を高められるノート術「Wishリスト」です。

「Wishリスト」とは

「Wishリスト」とは、自分の願いを箇条書きにしたリストのこと。元テニスプレーヤー杉山愛氏の著書『杉山愛の“ウィッシュリスト100”願いを叶える、笑顔になる方法』(2016年、講談社)が、Wishリストが注目されるようになったきっかけのひとつだといわれています。杉山氏は、Wishリストを書き出したことで「自分が本当にやりたいことや理想のライフスタイルが明確になった」のだとか。

Wishリストを作るときのポイントは、自分の願いを書き出す際にじっくり考えないことです。内容は仕事や勉強に限らず、プライベートのことでも、また現実的にできるかどうかわからないようなことでもかまいません。「社内トップの営業成績を出したい」「有名店のスイーツを食べたい」「人に優しくできるようになりたい」などなど、さまざまな願いをどんどん書いていきます。

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「Wishリスト」で自己肯定感が高まる理由

では、いったいなぜWishリストを書くことが自己肯定感を高めることにつながるのでしょう。心理カウンセラーの中島輝氏によると、Wishリストに自分の願いを書き出すと、「自分は何に興味があるのか、何を実現したいのか、何を楽しみたいのか、何を望んでいるのか」が明らかになるため、自己認知が進むのだそう。先ほどの杉山氏が言っていたのは、まさにこのことですね。

中島氏いわく、自己肯定感が低い人は自己承認(自分で自分を承認すること)ができていません。そのような人がWishリストを書いて自己認知を深めると、自分自身の楽しみや喜びなどを認識でき、自分には自己承認できる価値があると気づくことができるといいます。だから、Wishリストを書くと自己肯定感が上がるのです。

さらに中島氏は、Wishリストを書いたあとはたびたび読み返すことをすすめています。なぜなら、リスト化された自分の願いを眺める時間が、自分を大切にする時間になるからです。そうした時間を持つことが、自尊感情をいっそう高めることにつながるのだとか。

なお、人の心には機能的自律性という機能があります。これは、興味や関心を自覚すると、実現したいモチベーションが高まり、ワクワクしてくるという心理的働きのこと。そして、ワクワクすると脳からはドーパミンが分泌されるので、いっそうやる気や意欲が高まります。Wishリストを書くことには、良いことがたくさんあるのです。

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実際に「Wishリスト」を作ってみた

というわけで、筆者もWishリストを書いてみました。実践してみようと考えた理由は、自己肯定感の低さを普段から感じており、自分に自信を持つことができずに悩むことが多くあったからです。

今回筆者が実践したのは、中島氏が推奨する自分の願いを100個、20分以内にできるだけ書き出すという方法です。20分間で100個も書くとなるとかなり厳しいようにも感じられますが、中島氏いわく、無理にでも願いを出そうとすることで、忘れてしまっていた昔の夢や潜在意識からの願いを表出させることになるのだそう。自分の本当の願いに気づくことができるというわけです。

Wishリストを作るにあたり必要なものは、下記の3点。

  • ストップウォッチ(なければスマートフォンのタイマー機能でも可)
  • 紙(ノートでもコピー用紙でも、なんでも可)
  • 筆記用具

筆者は今回、ルーズリーフとボールペンを使いました。シャープペンシルや鉛筆ではなくボールペンにした理由は、書いた内容を途中で書き換えることができてしまうより、簡単には消せないほうが、“思いのまま書き出す”のに向いていると考えたからです。

Wishリストを書き出してから20分経過後、筆者の願いは以下の通りとなりました。

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実際、必死に書き出そうとはしたのですが、たった14しか考えつかなかった(!)ことに、自分でも驚いています。じつは、最初は自分の願いがなかなか思い浮かばず、ボールペンを持ったままただ数分間ぼーっと考えを巡らせていただけでした。そして何か1つ思い浮かんだとしても、実現可能性や本当に自分がそれを願っても良いものなのかどうかという余計なことを考えてしまい、しばらく紙に書き出すことができなかったのです。「〜〜〜したい」という言葉が並ぶことについても罪悪感のようなものを覚え、書くのをためらう瞬間もありました。まさに、自己肯定感の低さが露呈したわけです。

1回目であまりにも書き出すことのできた数が少なかったため、数日後に2回目も試してみたのですが、この気づきのあとでは45まで増やすことができました。

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依然として悩みはしたものの、書き出している間は1回目より楽しく感じられました。「どのような願いでも自分自身で認めてあげよう」という心の準備をしていたので、1回目と比べてたくさん願望を書き出すことができたのだろう、と推測しています。

実践してわかった「Wishリスト」をつくることのメリット

筆者の場合、20分で書き出すことのできた願いの数は100個とは程遠いものでした。予想では、1回目で少なくとも30ぐらいは書き出すことができるだろうと踏んでいたのですが、意外に難しいということがわかりました。しかしその結果が逆に、自分の願いについてもっと気楽に考えても良いのだという気づきを与えてくれたように思います。

それによって、たとえ気分が沈んでしまったときでも自分の存在を肯定できるようになるための安心材料を得られたと感じました。私の低かった自己肯定感は、たった2回の実践で完全に高まったとまでは言えないものの、自己肯定感が高まるきっかけを得たのは確かです。今後、自己肯定感の低さに悩む頻度を減らすことができそうに思います。

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Wishリストにより自分の願望を“見える化”すると、気分が高まるだけでなく、願望が実現につながりやすくなるのだそうです。ハーバード大学が行なった研究によれば、紙に明確な目標を書き出した人は、書き出さなかった人と比べて、10倍もの収入を得ていたのだそう。願いを本当に実現させようというモチベーションが湧くからこその結果だといえるのではないでしょうか。もしも実際に願望を達成できれば、さらに自分の価値を見出すことができるはずです。

自己肯定感の低さにお悩みのみなさん、メリットだらけのWishリストをぜひつくってみてはいかがでしょうか。

(参考)
吉森丹衣子(2016),「大学生の自己肯定感における対人関係の影響 : コミュニケーションを重視して」,国際経営・文化研究,Vol.21,No.1,pp.179-188.
PRESIDENT WOMAN|なぜ願いを100個書くと自己肯定感が高まるか
STUDY HACKER|「ウィッシュリスト」に”100個の願い事”を書いてみたら、本当にやりたいことが見えてきた。
STUDY HACKER|夢を現実化できる「ウィッシュリスト」とは? 手帳に”100の目標”を書くと人生が捗るワケ。

【ライタープロフィール】
三島春香
神戸大学経営学部所属。京都市立西京高等学校卒業。海、宇宙、音楽、レモンが好き。旅行も大好き。大学生のうちにいろいろな所へ出かけて見聞を広めたい。

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