年末まであと3か月! 今からでも間に合う成長戦略 - 振り返りと90日プランで目標達成

デスクにて腕時計を見る人の手元

今年も残すところあと3か月ですね。「慌ただしい毎日に翻弄され、目標に向けてなにも取り組めていない」とがく然としていませんか?

ここで「いまさら足掻いても無駄だ」と諦めてしまうのか、それともなにかひとつでも行動してみるのか――その選択が、年末までに成長できるかどうかの分岐点になるでしょう。

この記事では、成長するためにいますぐできる方法を提案していきます。
筆者自身も実践してみたので、ぜひ参考にしてください。

初秋に成長のチャンスがあるワケ

暑くて集中力を保てなかったり、やる気が出なかったりした夏も終わり、過ごしやすい季節がやってきました。

読書の秋、勉強の秋と言われるのは、秋の過ごしやすさも理由のひとつだそうですが、なぜ暑いと集中力ややる気に影響があるのでしょうか。

その答えは、“脳の働き”にあるようです。

医学博士で心療内科医師の吉田たかよし氏は、「脳は情報を処理するときに熱を発するため、適度に冷やさないと勉強やテレワークで必要とされる高度な情報処理を続けることはでき」ず、「湿度60%を超えると脳内で意欲が生じにくくなり、勉強のやる気が低下する危険性があ」ると話します。*1

夏の高温多湿な環境が脳の働きを阻んでいたのですね。それに比べて秋は気温も湿度も下がり、脳の働きから見ても読書や勉強といったスキルアップにぴったりの季節だと言えるでしょう。

年末までに成長する人としない人の差は、この季節のメリットを活かして行動するかどうかにかかっています。

「今年はまだなにも取り組めていない」「このまま年末を迎えるのは不安だ」と思うのなら、現状に気づいたいまこそ成長のチャンス。これから紹介するふたつの行動を参考に、まわりと差をつけていきませんか?

ブロックで形作られた階段を手指で上る仕草をする人の手元

成長する人の「振り返り」と「90日プラン」

「気づけば時間ばかり経っていて、なにもできていない」と焦る人は、「振り返り」をおろそかにしてしまっているかもしれません。

多くのビジネス書を出版し、大学での講義などを手がける金田博之氏は、「PDCAで最も重要なのは、Cの振り返り」だと言います。

たとえば、いつもうまくいかない仕事が今日はうまくいったとしましょう。ここで、なぜうまくいったのかを振り返らずに次回もなんとなく仕事を進めてしまっては、また失敗してしまうかもしれないですよね。振り返りを「いかに次の行動に結びつけるかが重要」なのです。*2

では、どのように振り返り、どのように次の行動に結びつけるといいのでしょうか。

金田氏は、その方法として以下の3つを挙げています。*2

  1. 「成功体験」の「1行記録術」
  2. 成功の「再現性を生み出すフレームワーク『STAR』」
  3. 振り返りをもとに、目標を達成するための方向性を考える「90日プラン」

1から順番に説明いたしましょう。

1. 成功体験の「1行記録術」

自分自身を振り返るとき、うまくいかなかった原因を考えがちではありませんか? しかし金田氏は、失敗ではなく成功を振り返るようにすすめています。
その理由は「成功事例から成功要因を見出して展開させることによって、その後の行動に再現性がもたらされるから」です。*2

つまり、成功の法則を見つけるということですね。

振り返りと言うと、就職活動の際の自己分析のように紙にびっしり書くことを想像するかもしれませんが、「30字~40字ぐらい」でいいのです。金田氏は「A5のシステム手帳に手書きで記録している」と話します。*2

さっそく筆者も、システム手帳のウィークリーのページで実践してみました。その様子がこちら。

筆者がシステム手帳に書いた振り返り

画像は筆者が作成した

筆者は、これまでの知識をかたちにするためにブログを活用したいという目標があるので、その目標に向けて取り組めたことを一文で書いてみました。

これまでは仕事に追われるあまり「次の休みにやろう」と後回しにしていましたが、毎日振り返ることで、自然と意識を目標に向けられるようになったと感じます。

1行記録は手書きにこだわる必要はないそうなので、スマートフォンのアプリなどを活用してもよさそうです。

2. 成功の「再現性を生み出すフレームワーク『STAR』」

1行日記をさらに発展させ、成功の再現性を高めるフレームワークが「STAR」です。
金田氏は「STARとは、状況(Situation)、課題(Task)、行動(Action)、結果(Result)のこと」で、「ふだんの業務においても、それぞれ1行で整理すれば、成功要因を見いだしやすくなる」と説明します。*2

さっそく筆者も、ブログを活用したいという目標をSTARで考えてみました。

S:なにをどのように書こうかテーマや内容を考えるのに時間がかかり、更新頻度が低い
T:読者がどんな情報を求めているのかを把握し、テーマをストックする
A:SNSやお悩み掲示板などを参考に、読者層の興味を探る
R:読者が自分ごととして読めるように、さまざまな角度から身近な例を交えるスキルが必要だとわかった

実際にやってみると“S(状況)”の振り返りが難しく感じましたが、状況が見えてくれば、課題や取るべき行動も自然と明らかになりましたよ。

3. 振り返りをもとに、目標達成への方向性を示す「90日プラン」

STARの振り返りをもとに、次のステップに進むために活用できるフレームワークが「90日プラン」です。*2

90日プランは、最初の30日・次の30日・最後の30日のように3つのフェーズに分けて考えます。筆者の実践を例に説明いたしましょう。

まず、このようにフォーマットをつくってみました。

筆者が書いた「90日プラン」のフォーマット

目標がブレないように一番上に大目標を書き、目標に向かって段階を追い、フェーズごとの目標を考えられるようにしました。

STARのフレームワークを合わせれば次に取るべき行動の解像度も上がると思ったので、右側にはSTARの項目もつくりました。

実際に記入してみたのがこちら。

筆者が書いた「90日プラン」

画像は筆者が作成した

大目標や各フェーズごとの目標を先に記入しました。まだ実践中なので、記入したのは最初のフェーズのSTARのA(行動)までです。

これまでは漠然と目標を立てて挫折してしまうことがありましたが、目標を3つのフェーズに分けて考えるので、無理しすぎずに取り組めそうだと実感しています。

STARの振り返りによっては、次のフェーズの目標も変わってくるかもしれません。

振り返りをしながら次の行動を考えることは、今やるべきことを着実に積み重ねていくうえで有効だと感じましたよ。

成長する人の読書法

目標を達成するために、学習を習慣化してスキルを習得する必要もあるでしょう。

そのための方法のひとつとして、読書での学習がおすすめです。

とは言え、「忙しくて読書する時間なんてない」とお悩みの人もいるかもしれません。

そんなあなたは、読み方を工夫してみてはいかがでしょうか。というのは、まずは全体の流れをつかんでから、必要な箇所だけ読んでみてほしいのです。

本の要約サービスを運営する株式会社フライヤー代表取締役CEO大賀康史氏によれば、ビジネス書や自己啓発本など、スキルアップのための読書は「まず本の概要を掴み、次に最も大切な中核部分、自分が興味を持った部分を優先的に読んでいく」のがいいと述べています。*3

ていねいに1ページ目から順を追って読めればいいですが、それでは時間がかかってしまいます。仕事に活かしていくのなら、ある程度テンポよく読む必要があるでしょう。

では、本の概要や中核部分を把握するにはどうすればいいのでしょうか。

大賀氏いわく、以下の流れで読むといいそうです。*3

  1. 「タイトルと著者の略歴を見て、この本がどんな経験やモチベーションから書かれたものかを理解」する
  2. 「目次をよく読んで構成を把握し、主要な主張が書かれた章」から読む
  3. 「自分の興味が湧いたところを中心に読」む

概要を把握してから、その本のポイントとなる部分をピックアップするのですね。

大賀氏は概要の把握に関して上記のほかに、本の要約サービスや書評を読むのもいいとしたうえで、「『この本で何が得られるのか』を事前に理解した上で読み始めると、読むペースが格段に速くなり、吸収力も上が」ると話します。*3

筆者も読書スピードが遅いのが悩みだったので、さっそく実践してみました。

上記の流れを意識しつつ本の要約サービスも活用しながら読んでみたところ、要点を押さえながらも読書スピードが格段に上がったのを実感。

いつもは1冊読み終えるのに1週間ほどかかっていたのが、2日ほどで読み終えられました。

タブレットを手に持ち読むビジネスパーソン

これまでは読み終わってから「知りたいのはこういうのではなかった」と残念な気持ちになったり、中核部分だけを読もうにも全部が重要に思えたりしていました。しかし、事前に概要を把握できれば自分がほしい情報をその本から得られるのかどうか判断できますし、要約サービスを使えばその本が一番伝えたいことも押さえられるので、どこを中心に読めばいいのかが明確になります。

慣れるまでは読まないページがあることに落ち着かないかもしれませんが、タイミングを逃さずに必要な知識を得ていくには、スピード感をもって読むのも大切。そのために、すべてを読もうとしない読み方も必要なのだと感じました。

もう少し深い理解が必要だと感じたら専門書をじっくり読むなど、状況によって本の読み方を変えていくといいかもしれません。

***
年末までの時間を「いまさら」と諦めずに、前向きに行動するきっかけとして本記事を活用していただけたら嬉しいです。

※引用部分の太字は筆者が施した

【ライタープロフィール】
澤田みのり

大学では数学を専攻。卒業後はSEとしてIT企業に勤務した。仕事のパフォーマンスアップに不可欠な身体の整え方に関心が高く、働きながらピラティスの国際資格と国際中医師の資格を取得。日々勉強を継続しており、勉強効率を上げるため、脳科学や記憶術についても積極的に学習中。

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    「STUDY SMART」をコンセプトに、学びをもっと合理的でクールなものにできるよう活動する教育ベンチャー。当サイトをはじめ、英語のパーソナルトレーニング「ENGLISH COMPANY」や、英語の自習型コーチングサービス「STRAIL」を運営。
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