頭のいい人が “気づけていない” 4つの大切なこと。「知性の落とし穴」にはまっていませんか?

頭のいい人が“気がついていない”4つのこと01

なんでも知っている “頭のいい人” に憧れて、熱心に勉強に励む人は多いでしょう。「論理的思考は得意」「頭の回転が速いと言われる」など、自らがその存在だと自覚する人もいるかもしれません。

しかし、そのような人でも注意するべきことがあります。それは「頭のいい人にも盲点がある」ということ。

優秀な人が陥りかねない4つの落とし穴に、あなたははまっていませんか?

1. 頭のいい人は「“学歴的優秀さ” と “職業的優秀さ” の違い」に気づけていない

優秀な大学を卒業。知識の習得は速いし、問題解決も論理的に行なえる――そんな人は会社でも見事な成果を出せるように思えますが、一概にそうとも言えないようです。

多摩大学大学院名誉教授の田坂広志氏は、優秀な人が陥る落とし穴のひとつとして「学歴」があると指摘。いわゆる高学歴の人は、“学歴的優秀さ”と “職業的優秀さ” の切り替えにつまずくことがあるそうです。

一般的に “勉強できる人” が秀でているのは、「論理的思考力」と「知識の習得力」。これらの力は、数式を解いたり用語を覚えたりするのに役立つため、勉強で好成績を残すことができます。

ところが、仕事で大きな成果を出すために必要なのはこれだけに限りません。田坂氏が重要だと述べるのは、「直観的判断力」と「知恵の習得力」。このふたつは、いわゆる勉強ではなく、人や経験を通じて学ぶものです。

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たとえば、サービスの説明中、顧客の反応があまりよくなければ、説明を理解してもらえているか確認したり、別のサービスを紹介したりしてみる――このように、臨機応変な判断に必要なのが「直観的判断力」です。

また、上司から「話し方にメリハリをつけたほうがいい」と言われたので、上司の話し方を見てそのニュアンスを理解する――というように、本ではなく人を通じて得る、言葉に表せない学びが「知恵の習得力」です。

高学歴に安住して「自分は優秀だ」と思っていると、若手から中堅に上がっても、このふたつの能力の重要性に気づかないまま、成長が止まってしまうと田坂氏は指摘します。

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そこで田坂氏が提案するのは「私淑」優れた能力をもつ人を師匠とし、その人の姿から懸命に学ぶということです。

企画力に優れた先輩、営業で成果を出す同僚、マネジメント力のある上司……。師匠はひとりに定めなくていいそうです。一芸に秀でた人から学ぶという謙虚な姿勢を心がけましょう。

2. 頭のいい人は「失敗から何を学べるか」に気づけていない

頭の良さを自覚する人は、きっと何事に対しても自信をもっているはず――そんな印象とは裏腹に、意外にも彼らは失敗を怖れているようです。

こう指摘するのは臨床心理士で作家のアリス・ボーイズ氏。頭のいい人ほど、知能の高さを自尊心の土台としていると説明します。そしてその土台は、状況によって崩れてしまうという問題点があるのだとか。

たとえば、批判的なフィードバックを受けたり、同僚が自分よりも成果を挙げたり、リスクのある新しい仕事をしなければならなくなったり……。こういった、知識やスキルの不足が露呈するような場面に遭遇すると、失敗により自尊心が傷つくことを怖れるあまり、そういう場面自体を回避するようになるのだそう。その人本来の能力を発揮できなくなるほか、レジリエンス(回復力)の低下も招くと言います。

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では、失敗とどう向き合えばいいのでしょうか。

ジョンズ・ホプキンス大学キャリー経営大学院のクリストファー・G・マイヤーズ氏らは、失敗したときに、その責任を自分で負う人は、そうでない人に比べて失敗から学ぶ確率が高いとする研究報告をまとめました。

一方で、「失敗したのはあの人のせいだ、状況が悪かったからだ」など他責にする人は失敗から学べず、次なる挑戦において成功確率を上げられないとのこと。

失敗から背を向けるのではなく、自分の責任ととらえて今後の改善策を立て、実行する。このサイクルを回せる人が、成長できる人なのですね。

過度に自分を責める必要はありません。「失敗は成功のもと」という言葉があるとおり、「何が問題だったのか」「今後どうしたら防げるのか」を冷静に考え、そこから “学ぶ” 意識をもつことを心がけましょう。

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3. 頭のいい人は「知性の落とし穴」に気づけていない

頭の回転が速いと言われる。専門知識の豊富さには自信がある——このように、頭のいい人のなかには、自分の知性を誇りに思う人もいるでしょう。ところが、そこにも落とし穴が。ジェームズマディソン大学とトロント大学の共同研究では、賢い人ほど、間違った答えに確信をもってしまうことが示されています。

たとえばあなたは、以下の問いにどう答えますか?

「合計1ドル10セントのバットとボールがある。バットはボールより1ドル高い。では、ボールの値段はいくらか?」

答えは10セント?——いいえ、正解は5セントです。

(※バットとボールの差額は1ドル。残り10セントをバットとボールで均等に分け、バットは1ドル5セント。ボールは5セント)

このような単純な引っかけ問題に、認知能力の高い人ほど、自信をもって間違えた回答をしてしまうのだとか。頭のいい人は、自分の論理的思考力や推論能力を過信する傾向にあります。つまり、すばやく答えを出すことに慣れているため、単純なミスを犯すのです。

この傾向は、チームワークにおいても問題となりえます。自分の主張がじつは合理的ではないのに、知性を用いて自分を正当化しようとするため、違う立場の意見を素直に聞き入れられないことも。

自分の頭の良さに自信があっても、誰かと意見が食い違ったときは、自らの主張を一度見直してみましょう。根拠は正しいのか、先入観で言っていないか、誤った確信をしていないか。冷静に考える癖をつけることが大切ですよ。

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4. 頭のいい人は「成功が幸福とは限らない」と気づけていない

優秀な人ほど、成功のためにスキルを磨き、よいキャリアを築くことに注力するものでしょう。ですが、頭がよければ成功でき、成功できれば幸福になれる “とは限らない”、と留意しておいてください。

前出のアリス・ボーイズ氏によると、知能が非常に優れている人は知能以外のスキルを重要視しない傾向があり、高い知能さえあれば成功できると思い込んでいるそうです。

たとえば、「専門性の高い業務をミスなく遂行するには、知能があれば十分。面倒な対人関係を構築する必要はない」と考えるといったようなこと。ですが本来、仕事はチームワークをともなうものですから、人間性を高めることも必要ですよね。

また、成功によって幸福になるとは限らないことも明らかになっています。「幸福学」の第一人者・慶應義塾大学大学院教授の前野隆司氏は、「年収が上がって満たされるのは満足度だけで、幸福そのものではない」と説きます。

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前野氏によれば、プリンストン大学名誉教授のダニエル・カーネマン氏と調査会社ギャラップの共同調査で、

  • 幸福度が上がるのは年収75,000ドル(約800万円)まで
  • 年収がそれ以上になっても、幸福度は横ばいになる

と判明したそうです。もちろん、数字自体は国や地域、職業などにより異なるでしょう。しかし、社会的に成功し、高収入を得ても、幸福度に結びつくわけではないということは明白です。

前野氏いわく、幸福とはさまざまな満足の集合体。高収入により「お金」の面で満足しても、いつも時間に追われたり孤独を感じたりして「生活や心」の面で満たされなければ、幸福とは言えないのです。

幸せは長期的にわたって安定的に心を満たしてくれるものである、と前野氏。仕事への充実感、支えとなる友人や家族との関わり、心を動かしてくれる景色——これら数字として換算できないものが幸福なのです。

肝心なのは、“社会的成功” に振り回されないこと。いまあなたが成功に向けて努力をしているのなら、地位や収入ばかり追い求めていないか、それは自分の幸福につながるものなのか、一度確認することをおすすめします。

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あなた自身が気づけていなかった項目はありましたか? 盲点を脱すれば、知性も実績もある一流のビジネスパーソンに近づけるはずですよ。

(参考)
STUDY HACKER|優秀なのに成長できない “残念な人” が陥るふたつの落とし穴
ダイヤモンド・オンライン|「あの人、頭は良いんだけど……」と陰で言われる人に足りないもの
DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー|知能の高さがキャリアの成功を妨げる5つのパターン
DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー|自分に責任があるかわからない状況で、失敗から学ぶことはできるのか
Inc.com|8 Stupid Mistakes That Even Smart People Make
PubMed|Cognitive sophistication does not attenuate the bias blind spot
NIKKEI STYLE|「頭のいい人」が愚かなミスを犯す理由 心理学で解く
東洋経済オンライン|年収がいくら増えても「幸せ」には直結しない訳

【ライタープロフィール】
青野透子
大学では経営学を専攻。科学的に効果のあるメンタル管理方法への理解が深く、マインドセット・対人関係についての執筆が得意。科学(脳科学・心理学)に基づいた勉強法への関心も強く、執筆を通して得たノウハウをもとに、勉強の習慣化に成功している。

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