東大生が教える、自宅での勉強効率を最大化する2つの具体的戦略

Teenage Boy Studying At Desk In Bedroom

突然だが、質問だ。 あなたはどこで勉強するだろうか。 図書館で、カフェで、自習スペースで、ファミレスで。いろいろある。

でも一番いいのは、「自宅」なはずだ。 完全無料だし、食料や飲料もある。移動時間がかからなければ、交通費だって要らない。

では、一体なぜ多くの人が自宅で勉強しないのか。できないのか。 その理由を考えてみたいと思う。

badge_columns_1001711家でやるのが、理想的!だけど…

自宅で勉強したいし、しようと思っている。それなのに、なぜできないのか。

多くの人は「集中できないから」と答えるだろう。 そうなるのには、「自宅」という環境に原因があるのでは?

具体的に検討してみよう。筆者は二つの理由を考えた。

1,誘惑がある 生活の場なのだから当然、趣味や自分の好きなものがおいてあるはず。漫画やゲームなどがいい例だ。それがあると、勉強中にも手が伸びる。結果、勉強に手がつかない。また、食べ物・飲み物も置いてある。外出中は購入を控えても、自宅では食べ飲み放題。さらに集中力が削られる。

2,人目がない 自宅には、他人がいない。当然だが、おそらく自宅で勉強できない最大の原因だ。自習室や図書館では人の目があるから、アクションが制限される。しかし自宅では、うろうろと歩き回っても、寝転がっても、歌を歌っても、何も言われない。「1,誘惑」もここに起因する。たとえ図書館にゲームを持って行っても、人目を気にしてプレイしないだろう。誘惑に負けてしまうのは、人の目がないからなのだ。

おそらく、この二つが自宅で勉強できない原因だ。 原因がわかったら後は簡単。それに向けた具体的戦略を練るだけだ。

Woman sitting on couch reading book at home

badge_columns_1001711自宅を自習室に一変させる。具体的戦略2点。

1,誘惑がある。 【解決策:目に入れない。タイムプレッシャーをかける。】

家の中から完全に誘惑を消すのは不可能だ。普段、生活しているのだから。ならば一時的に、「勉強のための空間」を作りだしてやろう。まず、誘惑を目にいれないこと。棚の中、カーテンの後ろなど、視界に入らないようにするのだ。そうすることで、目に入ってしまってついつい…という自体を避けられる。ホビーグッズが入っている棚などに向かわないよう、机を移動させてしまうのも手だ。

また、タイムプレッシャーをかけるのも有効な手段。「30分」「50分」と短い制限時間を設定し、その時間は席を立たない、と決めてしまうのだ。たとえ家の中に誘惑があっても、その時間内は勉強しかできなくなる。

2,人目がない 【解決策:鏡をおく。服を着替える。】

家の中に赤の他人を入れるわけにはいかないから、「人に見られているような気分」を作りだそう。まずは鏡。机の上に置ける小さなタイプのものを置くとよい。自分に見られている、という適度な緊張感が生まれるはずだ。

ただの鏡で?と思う人も多いだろう。

米国の心理学者Diener氏が行った、こんな実験がある。被験者に個室でパズル課題を行わせ、休憩中の作業を禁じた。なんと、鏡のある個室では休憩時間に作業をした人、つまり「ズルをした人」の割合が非常に低かったというのだ。(参考:黒沢香. "13 鏡の存在と自己意識特性が規範の遵守に及ぼす影響." 日本性格心理学会大会発表論文集 6 (1997): 23. )

これは、鏡があることで規範を守らせる効果があったことを示唆するんだとか。実際に日本でも駅ホームでの人身事故防止のために鏡を設置するところが多い。

また、自宅で勉強する時。スウェットやジャージで、という人、多いのでは?これでは脳が完全リラックスモードに入ってしまう。学生ならよそ行きの私服や制服に着替えて勉強してみよう。きっと緊張感が生まれるはず。

***

筆者は受験時代、自宅で勉強するのが非常に苦手だった。そのため遠い予備校の自習室を毎日のように利用していたが、もし自宅で集中できるのなら、往復時間の二時間強を勉強にまわせたはず。今考えると、非常にもったいない。

「だって家じゃ集中できないし……。」 そんな言い訳する前に、戦略的に自宅を改造してみてほしい。

なお、集中力を保つ方法については、「勉強に集中する方法まとめ。音楽・場所・食べ物を利用しよう」でも詳しく紹介しています。ぜひご参照ください。

参考 黒沢香. "13 鏡の存在と自己意識特性が規範の遵守に及ぼす影響." 日本性格心理学会大会発表論文集 6 (1997): 23.


東京大学理科二類所属。県立浦和高等学校および駿台予備校出身。小さいころから自然や生き物に関心を持ち、高校時代に読んだ福岡伸一の「生物と無生物のあいだ」に刺激をうけ、分子生物学を志す。テニス歴6年。AKB48の大ファン。

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