夜30分でも劇的に成果を出す勉強法|短時間で集中力を最大化する3つの習慣

夜のデスクで男性が参考書を開き、メモを取りながら勉強している

リクルートワークス研究所が実施した「全国就業実態パネル調査2019」によれば、前年1年間で「学校に通う」「通信教育を受ける」「本を読む」などの学習活動をしなかった社会人が4割強もいたとのこと。また、人材紹介サービス等を手がけるエン・ジャパン株式会社が「エン転職」ユーザーを対象に実施した調査でも、仕事に関する勉強をしたことがない人が3割もいることが判明。これは決して少ない数字ではないでしょう。

もし、あなたが勉強を習慣化したいなら、スタートとして「夜の30分」を勉強にあてることをおすすめします。夜は比較的時間を確保しやすいですし、夜のなかでも “就寝前” を選べば記憶定着も期待できるからです。

今回は、夜30分の勉強を最高にはかどらせるための3つのコツをご紹介しましょう。

【1】勉強前の「瞑想」で脳を集中モードに

その日の業務を終えて、夜は脳が少し疲労している時間帯かもしれません。学習を開始する前に、まず瞑想を実践してみてください。

実践方法として、まず「観察瞑想」があります。これは "自分の感覚" や "頭に浮かんだビジネスアイデア" を客観的に観察するというものです。何かが頭に浮かんだとしても無理に排除しようとせず、「いま○○プロジェクトについて考えている」という事実を冷静に観察します。あるいは、"呼吸" というところに注意を向ける「集中瞑想」も、オフィスや自宅で簡単に実践できるでしょう。

実際、ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学の合同研究では、瞑想を8週間続けると集中力を高める「アルファ派」が多く出ることも判明しています。

ハイパフォーマンスモードに入るための準備として、ぜひ学習前の瞑想を日々のルーティンに組み込んでみてください。

 

開いた楽譜の上に丸眼鏡と木製の音符モチーフが置かれた、アンティーク調の静かな雰囲気

【2】音楽を使い分ける

集中するために「音楽」の力を借りるのも効果的です。

音楽が脳に与える効果について研究している医学博士の藤本幸弘氏によれば、自分が好きな音楽を聴くと、集中力に関与する「ドーパミン」や多幸感をもたらす「βエンドルフィン」といった脳内物質が放出されるとのこと。特に、サビの直前などで脳が「音楽がこれから盛り上がる!」と感じたときに、その効果が顕著に表れるそうです。「いまいち勉強する気が起きない……」というときは、大好きな音楽をかけて意欲を湧かせるのがいいかもしれませんね。

一方で、それが「歌詞つきの音楽」だと、勉強に悪影響が及ぶ可能性も無視できません。一般社団法人日本人間工学会が発行する『人間工学』に掲載された論文によると、「歌詞のある音楽」「歌詞を抜いた同じ音楽」「無音」という3つの環境下で文章課題を行なわせたところ、「歌詞のある音楽」を聴いた場合に誤答率が最も高くなったとのこと。音楽に含まれる歌詞に気が散ってしまうことが原因のようです。

そこで、気分が乗ってきたら、歌詞のない「環境音」に切り替えることをおすすめします。波の音や川が流れる音、木々がざわめく音といった自然の音には「1/fゆらぎ」が含まれており、私たちの気持ちを落ち着かせてくれるそうです。2種類の音楽を活用して、しっかり勉強に取り組める環境を整えましょう。

夜30分の勉強をはかどらせる方法03

【3】あえてキリの悪いところでやめる

学習が順調に進んでくると、どんどん先に進めたくなるのがビジネスパーソンの性でしょう。そして「この章を読み終わったら……」「このケーススタディの最後まで……」など、キリのいいところまで進めてから終わらせようとするのではないでしょうか。

しかし、あえて「キリの悪いところ」で今日の学習を終了させてください。 具体的には、「レポートを書いている途中で今日の学習を切り上げる」「明日読む予定の章の導入部分だけ読んでおく」といった方法です。

これは「ツァイガルニク効果」と呼ばれ、「あのケースの分析はどう展開していこう……」など、中途半端な状態で中断した内容が気になる状態が続くため、翌日の学習をスムーズに開始できるようになるのです。

「キリが悪くて違和感がある」と感じるのが、じつは理想的な状態。継続的な学習習慣を構築するためにも、次の日も確実に学習するための "仕掛け" をあらかじめ準備しておきましょう。

***
時間のある夜に「ずっとダラダラし続ける」か「たった30分だけでも勉強にあてるか」で、1年後・3年後はだいぶ違ってきます。お伝えした方法で、夜の勉強をもっとはかどらせてください!

(参考)

*1  エン・ジャパン|1万人が回答!「社会人の学習習慣」実態調査
*2  プレジデント・オンライン|「寝る前1時間」は勉強のゴールデンアワー
*3  AFP|記憶定着には「すぐ睡眠」が効果的、独研究
*4  imidas|瞑想の効果を脳科学からみてみる
*5  MIT News|The benefits of meditation
*6  門間政亮, 本多薫(2009),「音楽に含まれる言語情報が文章課題に与える影響に関する検討」, 人間工学, Vol.45, No.3.(PDF
*7  All About|自然界のリズムを日常生活に取り込もう 「1/fゆらぎ」って知ってる?
*8  ダイヤモンド・オンライン|集中力が高い人ほど「キリが悪いところでやめる」を実行している

【ライタープロフィール】
STUDY HACKER 編集部

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