読書や勉強、運動やストレッチなどさまざまな活動を習慣化しようと思っても、なかなかうまくいかないことは多いでしょう。でも、それはもしかして、工夫が足りないことが原因かもしれません。その行動を習慣化しようとした背景には、必ず何かしら理由があるはず。ならばその動機を明確にして、具体的な目標を立て行動へと移せば、意外にも習慣化が容易になるはずです。

なかには「そんなに習慣化が大事なの?」と疑問に思う人もいるでしょう。しかし、成功哲学について書かれた本の多くは「良い習慣」を身に着けることを推奨しています。そこで今回は、「習慣化」を実現させるためのひと工夫をご紹介します。あなたが習慣化したい行動に応用しながら読み進めてみてください。

継続は力なり

習慣化のためのひと工夫を紹介する前に、いかに物事を継続することが大切かをご説明します。

例えば、あなたが筋肉トレーニングを始めようと考えたとします。どんなに高価なトレーニングマシーンを買い揃えたり、評価が高いプロテインドリンクを取り寄せたりしても、三日坊主になってしまっては意味がありません。逆に、安価なトレーニングマシーンでも、そこそこのプロテインドリンクでも、ある程度継続すれば一定の効果を出すことができます。これは仕事でも勉強でも同じこと。目標を達成するためにもっとも大事なのは、継続することなのです。

また違う視点では、心理学者のHeidi Grant Halvorson博士が著書『Nine Things Successful People Do Differently(成功する人が実践する9つの行動)』のなかで、「習慣化」することの重要性を以下のように述べています。

例えば、私たちは日常生活のなかで常に選択することを迫られます。ランチに何を食べるか、どの企画を提案するか、どの営業スケジュールを優先するか、どの勉強を優先するかなどなど。実はこの一つひとつが私たちを一時的に緊張させ、ストレスを与えています。それがあらゆる判断を先送りさせて、物事を停滞させてしまうのです。このようなストレスを減らすためには、日々の行動を「習慣化」して決定する回数を減らせばいいとのこと。実際に、イチロー選手や、バラク・オバマ元大統領ほか、多くの著名人が「習慣化」を力に変えています。

有名な「継続は力なり」という言葉通り、続けることは何事においても必要なのです。では、どうすれば物事を継続しやすくなるのでしょう。

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ガソリン(動機・目標・行動)をそばに置く

誰かが、何かを習慣化しようと決意したとき、それには何らかの理由があるはずです。そう思い至るほど感情を喚起する出来事です。例えば、それが“営業成績がドーンと落ち込んでしまった”という出来事だとしましょう。これがいわゆる「動機」です。

人によってはなんとかその状況が変化し、どんどん営業成績が上がってついにはトップに躍り出て、上司に褒められ皆から羨望のまなざしで見られ……、といった妄想に走り、次の瞬間「まさか、そんなことは絶対無理だ」とあきらめてしまうかもしれません。しかし、実はそれを妄想で終わらせないことが物事を継続させるカギとなります。つまり、妄想ではなく具体的な目標を定めるのです。

例えば、“1ヶ月で営業成績を30%アップする”という具体的な内容です。するとこれが明確な「目標」になります。

そして、その目標を達成するために、実際どのようなことを習慣化するかを考えます。それが例えば、“営業ノウハウについて書かれた本を毎日読む”でもいいでしょう。営業の最中にバテて他者に遅れをとったなら“体を鍛える”でもいいかもしれません。毎日の残業のせいで疲労がたまりミスが重なったならば、たとえどんな状況でも“仕事を早く切りあげる”といった行動でもいいのです。いずれにせよ、この具体的な行動の継続性が「習慣」です。

そして、これら「動機・目標・習慣」があなたの習慣化におけるエネルギー、いわゆるガソリンというわけです。

そこで、おすすめなのが、その内容を簡潔に書いた紙をクリアファイルに入れ枕元に置くこと。それを毎朝見て実行する、という一連の流れをつくれば、「今日はやめようかな」と思うこともなくなるはずです。動機となった理由にはおおむね悔しい感情が入り混じっているはず。面倒くさいという感情に勝つためにも、それが常に視界へ入るようにして「絶対にやってやる」と思うことが効果的です。

このガソリン(動機・目標・習慣)の準備には5分とかかりませんが、想像以上の効果を発揮するはずです。それに、習慣化してしまえば必然的にストレスが減って、「どうしよう」と悩むだけの無駄な時間もなくなり、建設的なことだけに時間をつかうようになります。

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すぐにできるようにする

いちいち準備しなければならないと、面倒な気持ちが大きくなってしまいます。準備しているあいだに「やはり今日はやめておこうかな」と思ってしまうことも多いはず。したがって、すぐに取りかかれる状態にしておくことが重要です。

数多くの名著を残す米国のビジネスコンサルタント、ブライアン・トレーシー氏も著書『カエルを食べてしまえ!』のなかで、「前もってすぐにとりかかれる状態をつくってしまえば、とりかかるのが容易になる」と述べています。

例えば、“営業ノウハウについて書かれた本を毎日読む”という行動を習慣化したい人は枕元にその本を置いておく。“体を鍛える”とした人は枕元にダンベルを置いておくのです。そうすれば、朝目覚めて迷うことなく本を読み始めたり、トレーニングを始めたりすることができます。また、“仕事を早く切りあげる”とした人は、前もって人と会う約束をしておくか、語学スクールやセミナーなど、自分のためになる活動予定を入れておくのもいいかもしれません。

その際、先述した通り「選択」そのものが神経をすり減らすので、なるべくその場で決めることを少なくすることが重要です。本を読むなら枕元に置いておく本は1冊、体を鍛えるならツールは1つだけ。そのため、例えば「早く仕事を切りあげて、友人に連絡して会うか、もしくはジムにでも行くか、そのとき考えよう」といったかたちはNGです。迷わずに取りかかれるようにしてしまいましょう。

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動機・目標・習慣といった「ガソリンを準備」して「すぐにとりかかれるようにする」といった、2つの小さな工夫をするだけで習慣化が以前よりラクになります。ぜひお試しあれ!

(参考)
Testosterone著(2016), 『筋トレが最強のソリューションである マッチョ社長が教える究極の悩み解決法』, U-CAN.
ブライアン・トレーシー 著(2015)門田美鈴訳, 『カエルを食べてしまえ! 新版』, ダイヤモンド社.
ブライアン トレーシー著(2002)片山奈緒美訳, 『フォーカル・ポイント―仕事の「その一点」に気づく人、気づかない人』, 主婦の友社.
ケリー・マクゴニガル著(2012)神崎 朗子訳, 『スタンフォードの自分を変える教室』, 大和書房.
イチローに学ぶ、 プレッシャーに未来を変えるプロジェクト by DODA|イチローに学ぶ、 プレッシャーに負けないための習慣化の意味とは