仕事や人生に疲れたら「炎」を見るのがいい。ゆらぎが心にもたらす大きな効果。

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近年、「焚火」のリラックス効果が注目され始めています。キャンプに行って焚火を囲んだり、静かに炎を見つめたりすることの癒し効果に、病みつきになる人が急増しているのです。

普段あまりキャンプに馴染みのない人でも、林間学校や文化祭などでキャンプファイヤーをしていて、燃え盛る炎につい見とれてしまった、という経験をしたことはあると思います。

今回は、そんな焚火のもつリラックス効果について解説するとともに、自宅で簡単に楽しめる方法を4つご紹介いたしましょう。ストレスが溜まっていつもイライラしていたり、気疲れを起こしたりしている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

焚火でリラックスする科学的理由

そもそも、なぜ私たちは炎を見つめるとリラックスするのでしょうか? 焚火やキャンプファイヤーを囲んでいるときの、あの何とも言えない穏やかな気持ちの正体は、いったい何なのでしょうか。

その答えは「1/fゆらぎ(※)」というものにあります。1/fゆらぎとは、光や音、振動などに含まれる特別なリズムのこと。東京工業大学名誉教授の武者利光氏によると、この1/fゆらぎは生体が本来持っているのと同じリズムであるため、私たちに本能的な快感や快適さを与えてくれるのだそうです。

1/fゆらぎに触れると、リラックス時の脳波であるα波が増えることが判明しています。代表的な例としては、小川のせせらぎや木の年輪、木目の間隔など自然のものが、1/fゆらぎを持っているのだそうです。

そして、ゆらゆらと揺れる炎の波形にもまた1/fゆらぎが含まれているため、私たちはただぼんやりと火を見つめているだけで、不思議と安らいだ気持ちになってくるのです。関西学院大学の実験でも、暖炉の火の前にしばらくいた被験者は、リラックス感や人生への肯定感が上昇したことが確かめられています。

(※1/fゆらぎ……周波数とエネルギーが反比例の関係にある波形のこと。例えば、バイオリンの音の成分を分解してみたところ、周波数200ヘルツの音波が60デシベル、400ヘルツの音波が30デシベル、600ヘルツの音波が20デシベル含まれていたとする。周波数(ヘルツ)をf、エネルギー(デシベル)をeとすると、「e=12000/f」という反比例の関係になっているので、このバイオリンの音には1/fゆらぎが含まれていることになる。)

 

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焚火は「生き抜く能力」を育む!

リラックス効果だけなく、焚火は知恵を育むのにも最適です。教育環境設定コンサルタントの松永暢史氏は、焚火による教育効果を高く評価しています。焚火という実体験は、子どもにとっても役立つ知恵を与えてくれると言うのです。

例えば火を起こすだけでも、どんな種類の木を薪に使うか、火を長持ちさせるにはどうするかといった知恵や知識が必要になります。そして、薪の加工や焚火台のセッティングには手先も使います。何でもボタン1つで済んでしまう便利な世の中にあって、ときにはありのままの自然の不便さに向き合ってみることは良い経験になるはずです。

これは、ビジネスパーソンにとっても有益でしょう。普段やらないことが、新鮮な刺激を与えてくれて、脳細胞も活性化します。そして、焚火での段取りが、仕事の段取りに通じることもあることでしょう。

とはいえ、なかなか近くに焚火ができる場所はありませんし、そう頻繁にキャンプ場に通うこともできませんよね。そこで、以下では自宅でも手軽に焚火のリラックス効果を得られる方法を紹介します。

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1.動画サイトの焚火・暖炉チャンネル

まず1つ目の方法は動画配信サービスです。例えばNetflixでは、ただ暖炉の薪が数時間燃え続けるだけの映像が配信されています。YouTubeにも、類似の動画はいくつも見られます。

とてもマニア向けな番組……、かと思いきや、これが意外に好評のようです。アメリカのテレビでも毎年クリスマスの時期に放送され、ノルウェーでも、この暖炉が燃え続けるだけの番組が視聴率20%越えを記録しているそうです。それだけ炎は、人間の本能に訴えかけるものを持っているのかもしれませんね。

部屋を暗くし、テレビやPC画面で焚火の映像を流しておけば、まるで本当に部屋で暖炉を焚いているかのような感覚でリラックスできるはずです。

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2.“炎の色”を再現したLED照明

また、炎の暖かな色を再現したLED電球も販売されています。一般の電球は色が白っぽいですし、ブルーライトも多く含まれているため、リラックスするには不向き。その点、炎の色を再現した電球は、赤い色の成分が多く含まれているため暖かな印象で、本当に焚火か蝋燭で明かりを灯しているのではないかと思うほどの再現度です。

普段から間接照明を利用している方は、こうした暖かい色の電球に換えてみることで、リラックス効果を高めてみてはいかがでしょうか。就寝前の読書タイムなどもよりゆったりとした時間になるはずです。

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3.キャンドル

リラックスツールとして、もはや定番になったキャンドル。キャンドルの炎にも焚火と同様1/fのゆらぎが含まれています。また、キャンドルには匂いの種類も様々あるため、好みの匂いで部屋を満たすことによってリラックス効果を高めることも…。男性が使っても違和感のないシックなデザインのキャンドルも数多く販売されています。

火を使うのが不安、という方には、電気式の疑似キャンドルがオススメ。単に電球の明かりがつくだけでなく、炎のゆらぎを再現する機能を備えている商品もあるので、本物のキャンドルに近い感覚を味わうことができるのです。またタイマー機能など、就寝前に嬉しい機能を備えているものもあります。

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4.暖炉型ヒーター

暖炉を模したデザインの電気ヒーターも数多く販売されています。一般的な電気ヒーターと同様、火は一切使っていないのですが、一見すると本当に薪を燃やしているように見え、その精巧さには驚嘆です。電気キャンドルと同様、火のゆらぎまで忠実に再現している商品もあるため、本物の炎を見るのと似たような安らぎを得ることが期待できるのです。

アンティークなストーブを模すなどデザインも優れているため、インテリアとしても適しています。安いものでは5~6千円程度で購入することができるので、ヒーターを買い替える際には検討してみてはいかがでしょうか。

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焚火の炎のもつリラックス効果と、自宅での簡単な実践方法をご紹介しました。ストレスが多くカリカリしていると感じたら、ときには自然のゆらぎに触れ、心を癒してみましょう。

(参考)
こだわりアカデミー|1/fゆらぎは謎だらけですが非常に大きな可能性をもっています。
無印良品|ゆらぎのふしぎ
長野県教育情報ネットワーク|1/f ゆらぎと生物に関する数理的研究 
焚き火のススメ|Let's enjoy a bonfire. 
J-STAGE|ガス暖炉の心理的効果に関する研究 
CAMPANELLA|焚き火ほどクリエイティブな遊びはない!
マイナビウーマン|炎の癒し効果で超リラックス“かんたん炎グッズ”
ROOMIE|ロウソクの火の色を完全再現したLED電球 …!?これは落ち着くな〜 

【ライタープロフィール】
佐藤舜
中央大学文学部出身。専攻は哲学で、心や精神文化に関わる分野を研究。趣味は映画、読書、ラジオ。人生ナンバーワンの映画は『セッション』、本は『暇と退屈の倫理学』。好きな芸人はハライチ、有吉弘行、伊集院光、ダウンタウン。

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