あなたの脳が退化する3つの最悪習慣。気づかぬうちに “脳が刺激されない生活” を送っている。

脳が退化する3つの最悪習慣1

あなたは、自分の日々の生活習慣について「脳に悪影響を与えていない」という自信があるでしょうか。脳が健康かつ活発に機能するように、気を配って生活できていますか

じつは、少し気を抜くと、脳は老化・退化したり、機能低下したりすることがあるのです。「まあ大丈夫だろう」「これはやめられない」などと思ってやってしまうその習慣も、続ければ脳に明確な悪影響が出るのです。

いったい、どんな癖や習慣が脳に悪いのか。改善方法とともにお教えしましょう。

反対に、脳にいい習慣を知りたい方は、「【社会人必見】脳にいい習慣7選! 仕事&勉強がきっとうまくいく。」をご覧ください。

1.「運動不足」は脳に悪い

脳とは一見関係ないように思える「運動」ですが、じつは脳の健康状態と大きく関係しています。脳と運動の関係については、すでに多くの研究がされており、有識者からさまざまな見解が公表されているのです。

たとえば、理学療法士で関西福祉科学大学教授の重森健太氏によると、「現代人は、運動をせず画面ばかり見て狭い空間で過ごしていることで、脳機能が低下していっている」とのこと。運動をせず、視覚的に近くの同じものばかりを見ることで、脳に刺激が伝わらず萎縮するそうです。

そして、さらに深刻な問題を指摘しているのは、ハーバード大学医学大学院臨床精神医学准教授で、ベストセラーとなった『脳を鍛えるには運動しかない! 』の著者であるジョン・レイティ氏。

実際のところ、脳は筋肉と同じで、使えば育つし、使わなければ萎縮してしまう。脳の神経細胞(ニューロン)は、枝先の「葉」を通じて互いに結びついている。運動をすると、これらの枝が生長し、新しい芽がたくさん出てきて、脳の機能がその根元から強化されるのだ。

(引用元:プレジデントオンライン|なぜ頭のいい人は「運動」が好きなのか-『脳を鍛えるには運動しかない!』 ※太字は筆者が施した)

なんと、加齢や運動不足で筋肉が衰えるように、脳も積極的に使わないと萎縮するのだそう。

しかし、運動をすることによって脳の神経細胞が成長し、根本から脳を強化できるとレイティ氏はいいます。では、具体的にどのような運動をすればよいのでしょうか。

前出の重森氏がすすめるのはランニングです。脳を効果的に鍛えるためには、「運動強度60~80%のランニングを1日20~30分×週3回×3カ月」という基準で行なうのが最も効果的なのだそう。ランニングをすると脳細胞が鍛えられ、ドーパミンなどの脳内物質が増えるのはもちろん、脳の記憶力を司る「海馬」や、集中力や思考力などを司る「前頭葉」が鍛えられるとのことです。

脳が退化する3つの最悪習慣2

2.「睡眠不足」も脳に悪い

社会人にとって、「睡眠不足」はもはや避けることのできないものになりつつあります。仕事が忙しく、そのうえで趣味や人付き合いに時間を割いた結果、十分な睡眠時間を確保できていないという人も多いのではないでしょうか。

そんな睡眠不足に対して、身長90cmの世界的心理療法士として有名なショーン・スティーブンソン氏は、次のように警鐘を鳴らしています。

調査によると、24時間一睡もしない状態が続いた直後は、脳に送られるグルコースの量が全体で6パーセント減るという。つまり、それだけバカになるということだ。

(引用元:ダイヤモンド・オンライン|寝不足はこれだけ頭の働きを悪くする

グルコースとはブドウ糖のこと。つまり、睡眠不足の人は、脳のエネルギーであるグルコースが足りない状態で生活しているのです。

スティーブンソン氏によれば、睡眠不足になると、頭頂葉と前頭前皮質のグルコースは12~14パーセント失われるとのこと。これらは、物事の判断や思考をするための部位。睡眠不足の人は、脳の働きが鈍っている状態にあるのです。

睡眠時間をきちんと確保することが大前提ですが、夜になかなか寝つけなかったり、眠りが浅くて何度も起きてしまったりする場合は、工夫をしましょう。

脳生理学者で東邦大学名誉教授の有田秀穂氏は、睡眠時間をしっかりとるために、夕食後はパソコンに向かわず、夜はスマートフォンの使用を控えることが大切だと話しています。これらに気をつけることで、脳の睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌がよくなり、早い時間にスムーズに寝つけるので、質のよい睡眠時間を確保できるのこと。

これ以外にも、飲み会や晩酌をひかえてアルコール摂取量を減らしたり、適度な入浴で体温や自律神経を整えたりといった工夫も、夜に早くぐっすり眠るためによいでしょう。また、なかなか夜の睡眠時間が確保できない人は、昼休みや移動中など、日中に仮眠をとって睡眠時間を確保するのも大切です。

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3.「スマートフォン依存」も脳に悪い

スマートフォンやパソコンなど、現代人は仕事中もそれ以外の時間も、何かしらの画面を見ている時間がとても長い傾向にあります。電車のなかを見渡せば、だれもがスマートフォンに夢中ですよね。

このように視覚に依存する生活は、いろいろな面で私たちの脳に悪影響を及ぼすようです。医学博士で「脳の学校」代表の加藤俊徳氏は、視覚依存が脳へ与える影響を次のように述べています。

(前略)スマホはテレビ以上に、主体的に「見る」というよりも、受動的に「見せられている」状況をつくりだす。視覚系は、聴覚ほど脳の各部位をバランスよく活性化させることはできない。これが、脳の理解系や思考系の活動をも著しく低下させる。

(引用元:東洋経済オンライン|スマホばかり頼る人が脳を使えていない理由-視覚優位の日常が「聞く力」を弱らせている

人間は、聴覚を優位的に使うことで、脳の各部位が刺激され鍛えられます。しかし、視覚に頼るようになると、聴覚をあまり使わないようになり、脳の働きが阻害されるのだとか。

また、北青山Dクリニック院長で、健康に関する著書を多数出版している阿保義久氏いわく、このように視覚を酷使するスマートフォンによる目の老化が、脳の老化をも引き起こすのだそう。脳に伝わる感覚の8割は視覚から入ってきます。その視覚が衰えてしまうと、目から脳への刺激が少なくなり、脳の意欲や活動性も低下するとのこと。

このような事態を避けるための方法として、加藤氏は「ラジオ」を推奨しています。耳を使う「ラジオ」を聴くことは、脳によい刺激をくれるのだそう。

ラジオ以外でも、PodcastやVoicyなどといった、聴覚を積極的に使うことができるサービスを利用すれば、電車内でスマートフォンなどの画面を見る時間を減らせそうですよね。こういった工夫をするだけで目へのダメージも減り、視覚優位の生活から聴覚優位の生活へと変えることができるのです。

スマートフォンやパソコンによって目に負担をかける生活から、耳を活用した生活へと変えることが、脳に刺激を与え、活性化させるためのコツになります。

***
今回紹介したような “ほんのちょっとした工夫” で、大切な脳の退化や機能低下を防いでいきましょう。

(参考)
プレジデントオンライン|なぜ頭のいい人は「運動」が好きなのか-『脳を鍛えるには運動しかない!』
プレジデントオンライン|睡眠で脳内の"ゴミ"を掃除しないと認知症-人は人生80年のうち25年寝る
東洋経済オンライン|仕事がデキる人は走りながら脳を鍛えている-長時間のデスクワークが脳を退化させる理由
東洋経済オンライン|スマホばかり頼る人が脳を使えていない理由-視覚優位の日常が「聞く力」を弱らせている
ダイヤモンド・オンライン|寝不足はこれだけ頭の働きを悪くする
ダイヤモンド・オンライン|寝る前スマホ厳禁!目の老化は認知障害に繋がる
PHPオンライン|「脳の疲れ」がスーッととれる!“癒しホルモン”オキシトシンの増やし方

【ライタープロフィール】
武山和正
Webライター。大学ではメディアについて幅広く学び、その後フリーのWebライターとして活動を開始。現在は個人でもブログを執筆・運営するなど日々多くの記事を執筆している。BUMP OF CHICKENとすみっコぐらしが大好き。

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