夕方に集中力が途切れがちなあなたへ。ラストスパートをかけるための3つの脳科学的方法

仕事をするうえで「集中力」はとても大切です。しかし、どうしても夕方になると集中力が途切れてしまいませんか。

ただでさえタイムアップが近づいてくる夕方、ラストスパートをかけたいにもかかわらず、仕事が捗らなくなってしまうのは考えものですよね。でもそんなとき、ちょっとしたコツさえつかめば、効率よくラストスパートをかけられるのです。

そこで今回は、夕方以降の仕事のラストスパートのコツをご紹介します。

夕方以降に集中力が切れてしまう原因

それにしても、夕方以降に集中力が途切れてしまうのはなぜなのでしょうか。もちろん、「朝」と「夕方」では疲労の度合いがまったく違うので、集中力に差が出るのは当たり前ですよね。でも実は、はっきりとした理由があるのです。

東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身さんは、パソコンなどを使ってひとつの仕事に集中したあとに「疲れた」「飽きた」と感じてしまうのは、活性酸素の発生で脳が酸化ストレスにさらされているからだと言います。なぜならば、そういった作業は脳の一部を酷使してしまうから。つまり、脳は「もうこれ以上はやめて」と信号を送っているのです。

それに、そもそも夕方は日中の緊張状態を支えてくれていた交感神経(活動時に働く自律神経)から、体をリラックスさせる副交感神経(休息時に働く自律神経)へと切り替わる時間帯。体は休もうとしているのですから、集中力が途切れてしまうのも仕方がありません。ちなみに、副交感神経が優位になると胃腸の働きが活発になるので、やたら「小腹が減ったなあ」と感じるのもそのせいです。

かといって、「じゃあ仕方がない」と諦めてしまうのは、日々仕事に追われるビジネスパーソンに許されることではありません。では、どのようにしたら夕方の仕事を捗らせることができるのでしょうか。さっそく次に、いくつかのコツをお伝えします。

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コツ1. 夕方に合ったタスクを行う

脳にストレスがたまり、副交感神経へと切り替わっていく夕方でも効率的に行えるタスクがあります。それは、あまり頭を使わなくても済むような「単純作業」です。順天堂大学医学部教授、日本体育協会公認スポーツドクターの小林弘幸氏は、「人は、リラックスした状態で、思考を繰り返すために必要なモチベーションを保ち続けるのは難しい」と伝えています。

また、『仕事ができる人の脳にいい24時間の使い方』の著者で作業療法士の菅原洋平さんは、16時あたりは深部体温が高まるので、ハイパフォーマンスが期待できると言います。つまり、深部体温が下がる副交感神経へと切り替わる一歩手前は、深部体温がグンと高まるので、むしろ仕事をスピードアップできる体の状態であるということ。夕方には、単純で簡単な入力作業や、たまった情報資料の整理などを行ってみてはいかがでしょうか。

ちなみに朝は、企画立案やプレゼンテーション用の資料をつくるなど、頭を使うクリエイティブな仕事に適していますよ。

コツ2. 脳を活性化させる

東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身さんは、脳が酸化ストレスにさらされたままにせず、こまめに休憩することをすすめています。つまり、3時間に1回長めの休憩時間をとるよりも、1時間ごとに5分の休憩を取るほうが、脳の働きを低下させないということ。そこでおすすめなのが、タイムプレッシャーを活用しながら、こまめに休憩をとる方法です。

タイムプレッシャーは、制限時間を設けることで集中力を高める方法です。例えば30分、長くても1時間と決めて一気に仕事に集中するのです。そして、時間になったら、どんなに区切りが悪くても仕事を中断し、トイレに立ったり、コーヒーを飲んだりするなどして、必ず5分間休憩しましょう。それにより、仕事が捗るだけではなく、夕方のタスク管理もしやすくなりますよ。

コツ3. あらかじめ予定を入れておく

仕事のあとに、あらかじめ予定を入れておくことも効果的です。これもある意味、タイムプレッシャーと言えるかもしれません。なぜならば、すでに予定があれば、仕事を早く終わらせようと集中力が高まるからです。

もちろん、人と食事に行く約束でも良いですし、ジムに行ったり、ヨガやピラティス、もしくは仲間と集まりフットサルを楽しんだりするのもおすすめです。運動はストレスに負けない脳を育んでくれるはずです。

*** 「仕事が終わらなくても残業すれば大丈夫」という考えも、夕方の仕事が捗らない一因になっているかもしれません。夕方以降は絶対に残業しないという意気込みで、ラストスパートをかけましょう。

(参考) NIKKEI STYLE|WOMAN SMART|すべての疲れは「脳の疲れ」 脳疲労をためない新習慣 安保徹監修(2015),『今すぐできる! 免疫力を上げる31のルール (健康図解) 』,学研パブリッシング. 有田秀穂著(2011),『育脳の技術』,主婦と生活社. 茂木健一郎著(2007),『脳を活かす勉強法 奇跡の「強化学習」』,PHP研究所. NIKKEI STYLE|WOMAN SMART|時間医学で解明 脳リズムを生かす最強の24時間生活 ダイヤモンド・オンライン|自律神経を整えると仕事がうまくいく 小林弘幸|なぜ一流スポーツ選手は緊張しても結果が残せるのか

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