世界で成功している人々が毎朝行っている活動は、それぞれ違います。しかし、そこには、明確な共通点があるようです。「成功するには、どんな朝活をしたらいいのだろう?」「誰の朝活を参考にしたらいいだろう?」とお悩みならば、その行動の理由と、ご自身が大切にしていることに目を向けたほうがいいかもしれません。5人の著名人が行う「朝活」とともに、説明いたします。
ウォーレン・バフェット氏の朝活:知識の構築
世界最大の投資持株会社・バークシャー・ハサウェイの筆頭株主であり、会長兼CEOのウォーレン・バフェット氏は、毎朝6時45分に起床し、あらゆる新聞を読んでからオフィスに向かうそうです。
バフェット氏は大変な読書家で、1日の仕事の80%は読書と思考に費やしているのだとか。同氏は知識を構築する方法として、1日に500ページ読書することを支持しています。
スティーブ・ジョブズ氏の朝活:モチベーションUP
米アップル社の共同設立者のひとり、スティーブ・ジョブズ氏は、2005年にスタンフォード大学で行ったスピーチで、朝のルーティンについて語りました。同氏は毎朝鏡を見て、「もしも今日が、わたしの人生最後の日だとしたら、今日やることに、満足していますか?」と自分自身に問いかけるそう。
もしも「NO」という答えが続くようであれば、何かを変える必要があると気づけるからです。また、そうすることで、自身のモチベーションを高めていたわけです。
ティム・クック氏の朝活:把握と検証、ストレス発散
米アップル社のCEOで、ナイキの社外取締役も務めるティム・クック氏は、アップル製品に関するユーザーのコメントを読むために、午前4時少し前に起きるそう。起床してからの1時間は、会社にとって非常に重要な、外部の人々に焦点を当てるようにしたいからなのだとか。
そうして現状を把握したり、仮説を確かめたり、問題を検証したりしているということです。しかし、そのあとの1時間は、自身をストレスから守るために、ジムに行って汗を流すとのこと。
ジェフ・ベゾス氏の朝活:心身のリラックス
Forbesが2018年3月に発表した世界長者番付では、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏を抜き初の首位に輝いた、Amazon.com の共同創設者であるジェフ・ベゾス氏は、1日8時間眠ることをモットーにしているそう。オフィスには寝袋まであるのだとか。
早寝早起きが基本のベゾス氏は、「朝はのんびり動き回るのが好き」だといいます、新聞を読み、コーヒーを飲んで、子供との朝食を楽しむそう。また、会議などを入れず空けておく特定の日を設け、朝10時前には会議の予定を決して入れないようにしているとのこと。「睡眠」や「余白」の時間を、積極的に取り入れているベゾス氏の朝活は、積極的にのんびりすることなのです。このメリハリが、仕事の生産性を高めることは明らかでしょう。
柳井正氏の朝活:自分の時間を確保するために
実用衣料品を展開するユニクロの柳井正会長兼社長は、2012年12月15日号の週刊現代で、同社が7時~16時という働き方を実施していると伝えています。早く出社して早く帰ることができれば、英語や経営など、仕事にかかわる勉強の時間を設けられるからです。
同氏も、朝6時半には出社して、16時には仕事を切り上げ、読書をしたり、テレビを見たりして過ごすそう。柳井氏は、勉強する時間、家族と過ごす時間を持つことが大切であると述べています。つまり、自分の時間を確保するために、できるだけ早い時間から仕事を始めることが、同氏の朝活です。
それぞれに意味がある「朝活」
ここまでに紹介した5人の「朝活」をまとめてみると、やはり内容はバラバラです。
- ウォーレン・バフェット氏の朝活「新聞を読む」:知識の構築
- スティーブ・ジョブズ氏の朝活「自分に問う」:モチベーションUP
- ティム・クック氏の朝活「ユーザーリサーチと運動」:把握と検証、ストレス発散
- ジェフ・ベゾス氏の朝活「積極的にのんびりする」:心身のリラックス
- 柳井正氏の朝活「早朝出社」:自分の時間を確保するために
それに、ティム・クック氏の朝活について――
たとえばLINE元代表取締役社長で、C Channel株式会社代表取締役社長の森川亮氏は、「ユーザーの声を聞くことも必要だが、聞きすぎると危険」だと話しています。
また、クック氏の朝活を紹介した「Quartz at Work」の記事には、同氏が夜明け前の時間に顧客のコメントを読んだあと、ストレス解消運動を行うのは、アップル社の従業員にとって最悪のお手本ではないが、最高でもないと書かれています。その理由は、最適な生産性を得るには睡眠が一番だから。
しかし、どんな角度から否定されたり肯定されたりしたとしても、明らかに成功者であるティム・クック氏は、現実的に夜明け前のユーザーリサーチと、ストレス発散運動を「朝活」にしているわけです。
つまり、誰かにとっては正解でも、誰かにとっては不正解の「朝活」があるということ。その正誤を決めるのは何か? それは、紛れもなくその人自身の「目的」です。
成功した人々の「朝活」の共通点
したがって、成功した人々の「朝活」の共通点は以下の2つ。
- その「朝活」を行う目的が明確である
- その「目的」は自分にとって重要である
読書でも、ウォーキングでも、家族とのんびりでも、カフェのモーニングめぐりでも、早朝からの仕事でも、上の2点がクリアできていれば、あなたの選んだ朝活は、きっと大きな効果をもたらしてくれるはずです。
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成功した人々の「朝活」に学ぶことについてお伝えしました。ちなみに、朝活とは少し違いますが、Facebook の共同創設者であるマーク・ザッカーバーグ氏は、下すべき決断をひとつ減らし、認知的な負担を軽減するために、毎日同じスタイルの服を身につけているそうです。これも、自身が重要だと考える、目的のための行動ですね。
(※記事中の人物の肩書は記事公開当時のものです)
(参考)
Quartz at Work|How Apple CEO Tim Cook spends the first two hours of his workday
Fast Company|The future of business|The Morning Routines Of The Most Successful People
WeAreTop10 - The Best Product Reviews on the Web|How 16 Successful Business Leaders Start their Day
The Week - All you need to know about everything that matters|The Warren Buffett formula: How you can get smarter
Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)|ジェフ・ベゾスが初の首位に フォーブス世界長者番付2018
WSJ|初心貫くベゾス氏、リーダーシップの極意語る
講談社|現代ビジネス|ユニクロ柳井正登場!日本人よもっと必死でカネを稼ごう 『フォーブス』誌が認定した日本一の金持ち(週刊現代)
ダイヤモンド・オンライン|シンプルに考える|「ユーザーの声」を聞くと道を間違える理由LINE元CEO・森川亮の「考え方」
HRog|HR業界、採用に関するニュースメディア |【イギリス】成功者たちの朝のルーティーン