仕事でのプレゼンや、他人に何かを説明するシーンなど、「人に話をする」場面は日々発生します。単に友達とのおしゃべりなら脈絡なく話していても良いですが、こちらの要望を通したいときやビジネスシーンでは、話し方によっては希望が通らないどころか、あなた自身の評価まで下げてしまいかねません。今回は、他人に「わかりやすく説明する方法」をお伝えしていきます。
伝わりやすい話の構成
1.結論から話す
通訳が日本語を英語に訳す時に一番困るのは、細かい言葉のニュアンスの違いなどではなく、「日本人は結論を最後にいう」ことだそう。アメリカ人はプレゼンでも普段の会話でもまず最初に結論から始めます。その後「その理由は1,2,3…」と話していきますが、説明文化の日本人は延々と説明をした後に、「だから、こう思うんです」と最後の最後で結論が来ます。「起承転結」の流れですね。これは、断定を避けたい日本人の特徴とも関係していますが、通訳ではなくても何の話をしようとしているのかわからない状況で、延々と話を聞かされる方はたまったものではありません。
人に何かを伝える時にはまず「結論から伝える」ことを心がけましょう。
2.ワンフレーズを短く
相手に何かを説明しようと思うと、つい「あれもこれも言わなくちゃ」「ちゃんと伝わらないかも」と、話がダラダラと長くなってしまいませんか?これはかえって逆効果。長い話を聞かさると、人間は「説教は聞きたくない」という防衛本能が働きます。また、情報が増えれば増えるほど人は混乱してしまうのです。他人にきちんと伝えるためには、40~50文字程度の短い文章で、簡潔に伝えることを心がけてください。
3.具体的な数字を入れる
相手の心にしっかりと残る話をするために有効なのは「具体的な数字を入れること」です。たとえば、「運転する時は、事故に遭うリスクを考えて必ずシートベルトをつけましょう」というよりも、「自動車乗車中のシートベルト(チャイルドシートを含む)着用有無別の致死率を見ると、非着用の致死率は、 着用者に対して約15倍となっています」(警視庁調べ)の方が、ぐっと説得力が増しますね。
相手への気遣いをする
ここまでは「伝わりやすい話の道筋」を説明しましたが、結局最後に大切なのは相手への思いやりではないでしょうか。「相手にとってメリットがある内容か」「今この瞬間を、楽しんでくれているか」と聴き手の様子を観察し、思いやる気持ちがなければ、どう話したところで一方的な主張になってしまい共感は得られません。「この人の話は面白いな」「良いプレゼンだったな」と思わせるには、聴き手の感情を動かさなくてはなりません。相手のわくわくとした期待を呼び起こせるか、「分かる分かる!」という共感を引き出せるか、常に聴き手の反応を見ながらストーリーを組み立てていきましょう。
参考
鶴野充茂 『頭のいい説明 「すぐできる」コツ』 話す内容は「結論」から告げる<通訳を使うテクニック 10> 人を魅了するプレゼン9のコツ|相手がつい前のめりになる圧倒的な伝わり方 説得力のある言葉は、短い 命を守るシートベルト~全ての座席で着用しましょう