「繊細すぎて疲れやすい人」が楽になるノート術。“心の声” を正直に言葉にしてみて!

HSPのような、青く繊細な雰囲気の花

生まれつき、他人や物事に対して非常に敏感な人を「HSP(Highly Sensitive Person)」と言うそうです。とても傷つきやすくて疲れやすい性質なのだとか。

もしもあなたが「自分はHSPかも?」と感じているなら、敏感すぎるゆえの生きづらさを少し改善してくれるノート術を試してみませんか? かなりHSP寄りかもしれない筆者が、挑戦しながら説明します。

HSPを理解する

HSPは、心理学者のエレイン・N・アーロン博士によって1996年に考案されました。感覚から得た情報を脳で処理する際の、先天的な個人差を表す「SPS(感覚処理感受性)」が高い人を指すのだとか(日本健康心理学会 第31回記念大会の発表論文「日本人成人における感覚処理感受性と年齢の関連」より)。また、生まれつきストレスを処理する脳の「扁桃体」が活発なので、不安や恐怖を感じ取りやすいそうです。

心理学専門誌のオンライン版「Psychology Today」では、SPSレベルが高い人(=HSP)が非常に繊細で複雑な精神面をもち、痛みや空腹感、光、騒音など、外的刺激と内的刺激の両方に対してより強く反応すると説明しています。

静かに山並みを眺めるHSP

HSPの特性

さらに、HSPの特性を見ていきましょう。アーロン博士によれば、次の「DOES(ダズ)」と呼ばれる4つの特性をすべて満たせばHSPと言えるそうです。要約したものがこちら。

Depth of processing】:深い処理

「一」を聞くと「十」を想像。物事を深く掘り下げるので知識が深い。お世辞や嘲笑をすぐ見抜く。物事を始めるまで時間がかかる。浅い話・浅い人間よりも、生き方や哲学・深い人・深い話を好む。

座って深い話をする男性2人

Overstimulation】:過剰刺激

人混みや大きな音が苦手。人と会うと気疲れしやすい。映画・音楽・本などに感動し涙を流しやすい。人の些細な言葉に傷つきやすく、些細なことで過剰に驚く。

映画を観て、今まさに感動の涙を流そうとしている女性

Empathy and emotional responsiveness】:共感と感情的反応

怒られている人を見ると自分も傷ついたりお腹が痛くなったりする。悲しい物語の登場人物に感情移入して自分も傷つく。人のちょっとしたしぐさ、目線、声で機嫌や考えがわかる。言葉を話せない幼児や動物の気持ちも察する。

友人に共感しながら熱心に話を聞く女性

Sensitivity to subtleties】:些細な刺激への感度

冷蔵庫や時計の音が気になる。強い光や日光のまぶしさ、コンビニやタバコのにおいなどが苦手。カフェインや添加物、肌着のタグなどチクチクする素材に敏感。第六感や直観力に優れている。

音が気になる冷蔵庫

みなさんはどのくらい当てはまりましたか?

筆者が当てはまっていたのは8割強でした。完全なHSPではなさそうですが、敏感すぎる傾向は多分にあるので、HSPの気持ちをラクにしてくれるというノート術を実践してみようと思います。

2つの言葉で心をラクにするノート術

十勝むつみのクリニック院長で精神科医の長沼睦雄先生によると、敏感すぎる人(HSP)が自分の悩みや苦しみを特定できずモヤモヤしているときは、マイナスを吐き出すといいそうです。具体的には、次のように「感情の言葉」「思考の言葉」を、時を分けてノートに書きます。

  1. 見開いたノートの左ページに、どんなにひどい言葉でもいいから、思いつくまま正直に「感情の言葉」を書き連ねる。
  2. 冷静になったら書いた内容を読み返し、その感想を右ページ「思考の言葉」として記す。

こうすることで自分を客観視でき、対処法が見えてくるのだそう。 アーロン博士も、「書く行為が、強い刺激に圧倒されたHSPの気持ちを落ち着かせる」と説き、日記を奨励しています。では、さっそくやってみましょう。

「感情の言葉」と「思考の言葉」をノートに書いているイメージ

「2つの言葉ノート」をやってみた

まずは、ノートの左側に「感情の言葉」を書き出してみます。長沼先生の「どんなにひどい言葉でもいいから、思いつくまま正直に」というアドバイス通り、感情に任せて書いてみたところ、とてもお見せできない代物ができあがってしまいました。

「感情の言葉」を書き出したもの

しかし、気持ちはとてもスッキリします。おもしろいくらいに感情が高ぶると文字が大きくなって激しく乱れ、落ち着くと文字が小さくなって整うので、「いまここに、私は感情を吐き出している」と実感できるのです。

ご自身もHSPという心理カウンセラーの坂本純子さんによれば、とても敏感な人の心が苦しくなるのは、刺激を感じ、察知し、共感しすぎて、自分の意志が埋もれたり、わからなくなってしまったりするからなのだとか。だからこそ、心の声の言語化が必要なのですね。

そこから数日後、今度はノートの右側に「思考の言葉」を書いてみました。書く前に「感情の言葉」を読み返すのですが、それがなんとも恥ずかしい。しかし、そう感じられるのは冷静かつ客観的になっている証拠です。そうして「思考の言葉」を書きつづってみたところ、おもしろいことがわかりましたよ。

「2つの言葉ノート」をやってみた感想

「思考の言葉」を書き綴ったもの

ジャーナリストでコンサルティング会社社長兼CEOのトニー・シュウォーツ氏らによると、私たちのなかには3人の自分がいるそうです。この「3人の自分モデル」は、心理学者のピーター・ラヴィーン氏が開発したトラウマ療法に基づき構築されました。

3人の自分の1人目は、無防備で傷つきやすい未熟な圧倒された自分。2人目は、強い脅威を感じたとき防御のために出てくるサバイバルモードの自分。そして3人目は、怯える自分を落ち着かせ、安心させる、強くて共感力のある大人な自分です。

じつは、この大人な自分が、「思考の言葉」を書く際に登場し、ペンを握るのです。文字面といい、書くことといい、感情を書き殴ったときの自分とはまるで別人。ノートを見開いて眺めるとよくわかります。

「感情の言葉」は、圧倒された自分とサバイバルモードの自分が不安定な気持ちで書いていたのでしょう。書くことで傷つきやすい自分が心の声を訴えると大人の自分がそれをしっかりと受け止め、整えてくれます……!

***
敏感すぎる人(HSP)のための、感情と思考の「2つの言葉ノート」をやってみました。ぜひお試しくださいね。

(参考)
上野雄己,髙橋亜希,小塩真司(2018),「日本人成人における感覚処理感受性と年齢の関連」,日本健康心理学会大会発表論文集,31巻,p34.  
PR TIMES|HSPの提唱者アーロン博士のドキュメンタリー映画「Sensitive: The Untold Story」9月16日祝 東京・渋谷にて上映  
ダ・ヴィンチニュース|もしかして「HSP」? 生きづらさを改善するためのコツ  
STUDY HACKER|「周囲に敏感すぎる人」は疲れやすい。心を楽にする3つのヒント。
STUDY HACKER|不安すぎて「もう限界」と感じたら……この3ステップで心を落ち着かせて
Psychology Today|How to Cope with This Crisis When You're an HSP 
Psychology Today|Highly Sensitive Person

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