勉強に集中できてる? “集中できる自分” を手に入れる「勉強内容」と「学習環境」の選び方

勉強しなければいけないのに、思うように集中できず効率が悪い。

そういう人は勉強するための準備が足りていない可能性があります。勉強内容が吟味できているか、勉強する環境が整っているか……。成果が出るかどうかは努力だけではなく、勉強の前にすでに差がついてしまっていることもあります。

勉強する時間がないと焦っている人こそ、勉強に取り掛かる前に見直してみるべきことはたくさんあるでしょう。それを見直すことが成功への近道になります。

成功者は「学び」を怠らない

伝説の投資家であるウォーレン・バフェット氏は一生学び続けることが大切だと述べています。学び続けることこそが大きな競争優位性となり、成功へと導いてくれるのだそう。

実際に、ビジネス総合誌『PRESIDENT』2012年8月13日号において、1週間の勉強時間を質問したところ、年収500万円台・800万円台の人は2時間未満という回答が過半数だったのに対して、年収1500万円台の人だけが2時間以上勉強している人が過半数に上りました。

成功者は読書も欠かしません。マイクロソフトの創業者として有名なビル・ゲイツやソフトバンクグループの孫正義、Facebookのマーク・ザッカーバーグといった名だたる成功者たちは、かなりの読書家としても知られています。ある調査によると、年収3000万以上の人の読書量は、月平均9.88冊で一般人の約38倍にもなるそう。

このように忙しいはずの成功者ほど、その忙しさにもかかわらず、勉強や読書に時間を費やしているのです。

勉強に集中できない原因

成功のために学習することは不可欠であり、多くの人がそのことを知っているにもかかわらず、どうして勉強を放棄してしまうのでしょうか?

それは、自分を磨くための勉強がつまらない、退屈な作業に成り下がってしまい、身の回りの誘惑に負けてしまっているからです。そうなってしまう主な原因が次の2つです。

1.レベルが合っていない 自分のレベルに合った学習ができていますか?

勉強の集中を妨げていると気づかずに、多くの人がやってしまいがちなのが背伸びをした勉強です。難しそうな参考書を開いているといかにも勉強しているような気分を味わえますよね。そのため、ついつい身の丈に合っていない参考書を選んでしまいがちなのです。しかし、背伸びをした参考書を使うということは背伸びをした勉強をしなければいけないということ。つまり、気軽に勉強をすることができず、億劫になってしまいやすいのです。

逆に一番初めからやろうとして、何の負荷も掛からないところから始める人がいますが、これもいけません。我々は簡単に達成できるものでも、いかにも達成が難しそうなものでもなく、努力次第でなんとかなりそうな課題に対して最もやる気を出すということが、アメリカの心理学者アトキンソン氏によって明らかにされています。できるかできないかわからないことが、挑戦したいという意欲を生むのです。

2.環境に流されてしまう 人の行動は環境にも大きく左右されます。「朱に交われば赤くなる」と言われるように、人は交わる友や環境によって良くも悪くもなるのです。ブリュッセル自由大学のKobe Desender氏らは、環境によって課題のパフォーマンスに差がでるかどうかをペア実験によって検証しました。その結果、より集中している相手と一緒に取り組んだ場合、もう1人の被験者の集中力も高まっていることがわかったのです。

また、カリフォルニア大学のグロリア・マーク氏によれば、人は集中を遮るような刺激を与えられると、再び集中した状態に戻るまでに23分要するのだそう。23分というと少し時間を無駄にした程度では済みませんよね。せっかくの集中した状態をキープするためにも環境作りは欠かせません。

そして、勉強より楽しい誘惑に負けてしまうというのは多くの人が自覚していることではないでしょうか? 人は意志を強く持っていなければ楽な方に流されてしまう性質を持っているのです。勉強の成果はすぐに目に見えて現れるものではないので、頑張ることに快感が生まれる前に、簡単に手に入れることのできる目の前の誘惑に負けてしまうでしょう。

勉強内容を見直そう

自分のレベルに合った勉強ができているか確認しましょう。先ほども述べたように、学習に最も適した難易度は、半分わかるけど半分わからないというくらいがちょうど良いそうです。

また、自分のレベルに合った適切な学習ができるかどうかは参考書選びにかかっていると言っても過言ではありません。どんなに良い参考書であってもレベルが合っていなければ、あなたの勉強は捗らず集中した勉強はできないでしょう。学習は参考書選びからスタートしています。

適切な参考書を選ぶために注目するポイントは「難易度」、「分量」、「解説」の3つです。1冊丸ごとわからない問題があるものではなく、わからない問題が多少ある、というものを選びましょう。解くことができず、すぐに解答を見ることを繰り返していると頭を使うことにならず、集中モードに入れません。適度に負荷がかかり、パズルのように楽しめると勉強も捗りますよ。

そして、分厚すぎると単調になり、飽きてしまう原因になります。同じレベルであれば薄ければ薄いほど良いと言えるでしょう。1冊終えることで達成感も生まれますし、似たような問題を10日かけてたくさんやるより、同じ問題を1日で終わらせて10回繰り返した方が定着します。

また、わからなかった問題でも解説を読めばしっかり理解できるような解説がついているものを選ばなければなりません。1人で学習することが多いのですから、解説が先生代わりとなります。わからないところこそが自分の弱点なので、まずはそこを無くしていける解説を選びましょう。

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勉強に適した環境づくりをしよう

勉強内容の見直しができたら、勉強を続けていくことのできる環境作りです。

まず、妨げるものを無くします。勉強に不必要なものは机の上はもちろん、目に見える範囲からは遠ざけておきましょう。スマートフォンは電源を切っておく、本棚には布を被せておく、など少しの工夫で勉強に集中しやすい落ち着いた環境を作れます。

集中力を最大限に高めるために、集中した人しかいない環境に行くのもオススメです。前述した通り、集中力は人から人へと伝染します。家では集中できないけれど図書館に行くと勉強が捗る人の多くは、集中力が伝染したからなのです。

逆に、少しの物音でも気になり、他人がいる場所で勉強すると気が散ってしまう人もいます。そんな人は耳栓をはめたり、集中できる音楽を聴くだけでもだいぶ違いが感じられるでしょう。また、自習室を積極的に利用するのもオススメです。個室など勉強に集中できる環境が整えられており、追い出される心配もないので、同じように料金を払うのであれば、カフェで勉強するより快適に勉強できます。

*** 勉強に集中できない主な原因はその時のコンディションや環境だけでなく、勉強内容そのものにもあります。自分に合ったレベルで自分に合ったスケジュールを立て、勉強しやすい空気を作り出すことができれば、勉強する前からあなたの勉強の成果は保証されています。飽きずに勉強し続けることのできた人が成功者になるのです。

(参考) PRESIDENT Online|どうやって勉強時間を確保するか? Study Hacker|読書習慣で収入も寿命もアップ。そんな読書を、無理なく続ける3つの方法。 Forbes JAPAN|教養を自分の仕事と未来に生かす 億万長者の「読書力」 植木理恵(2012), 『植木理恵のすぐに使える行動心理学』, 宝島社 Research Digest|Mental effort is contagious Study Hacker|途切れた集中、回復するのに27分。作業環境は「邪魔されない」でデザインすべし!

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