わたしの言う習慣化とは、行動や思考を無意識的に繰り返す状態になることと定義しています。『人生が変わる「習慣化」』と題して連載をスタートしましたが、第2回となる今回は、習慣の狭義や広義を区別するための「3つの次元」を紹介したいと思います。
みなさんが思う習慣化とはまた少し違ったアプローチとなる「習慣化3.0」(※あとで詳しく説明します)の記事も今後出てくるため、区別と整理のためにもぜひ読んでもらいたい内容です。
習慣化1.0 → 行動の習慣(続けられない、やめられない)
習慣化と聞くと、次のようなものを思い浮かべると思います。早起き、片付け、英語の勉強、ダイエット、運動などを指す「続けられない習慣」。そして、タバコ、お酒、ギャンブル、夜更かし、暴飲暴食などを指す「やめられない習慣」です。これらの行動を、いかに続けられるか、やめられるかは、「行動の習慣化」というテーマとなります。わたしは、これら行動の次元を「習慣化1.0」と呼んでいます。
「習慣化1.0」は、言い方を変えると「続けたい習慣」と「やめたい習慣」ということになります。また、個別の習慣(片付け、運動、勉強など)と、生活習慣を変える(早寝、早起きなど)とでは、見方や考え方を少し変える必要があるでしょう。
習慣化2.0 → 思考の習慣(プラスに変えたい、感情を整理したい)
同じ出来事に遭遇しても、人それぞれストレスレベルは違います。ある人を嫌いと思うか好きと思うか、ある機会をチャンスと見るかリスクと見るかは、すべてその人の捉え方や考え方に左右されるからです。この、ものの捉え方や考え方もまた習慣なのです。わたしは、これらの思考の次元を「習慣化2.0」と呼びます。出来事そのものは変えられませんが、捉え方や考え方を変えれば感情は変わります。そして、人生も変わっていくでしょう。
どうすればプラスに考えられるか? どうすれば感情を整理できるか? 本連載では、行動習慣だけではなく「思考の習慣」という考え方にも着目して解決策を提示していきます。
そこで大切なのは、「最善主義」という新しい思考パラダイムを描くことでしょう。そうしなければ、完璧主義を手放すことができません。完璧主義を手放し最善主義を手に入れれば、時間と心の余裕が生まれ、さらにより高い結果を追求することができます。
習慣化3.0 → 人生の習慣(自分らしく、豊かな人生を生きたい)
どんな人生が幸せなのか? これを定義することはできません。お金持ちになれば幸せかというと必ずしもそうではないですし、自分で独立して会社を持つことで充実する人もいれば、不安とリスクで豊かさが下がる人もいるでしょう。 人生に答えなどなく、豊かさや幸せの基準などは性格資質によって異なります。また、幸せのかたちは、年齢によっても違います。20代の幸せ、40代の幸せ、60代の幸せのかたちは、同じ人でも違ってくるのです。 人生の幸せの明確なかたちはないものの、わたしが日々のコンサルティングをしていくなかで思うことは、チャンスが増え、夢が広がっていく人生もあるし、閉塞感と義務感と希望のなさが広がる人生もあるということです。閉塞感と義務感が膨らみしんどくなる悪循環のパターンから抜け出し、豊かさ、希望、チャンスが拡大する好循環のパターンに変えていくための思考の次元を「習慣化3.0」と呼びます。
人生は複雑なパターンでできあがっていて、ひとつだけを変えてもうまくいかない場合が大半です。たとえば、やりたいことを見つけて独立したい人がいるとします。こんなとき、必ずと言っていいほど夢を挫折させる引力が働いてきます。「お金はどうするのか?」「本当に食べていけるのか?」「スキルや知識がないじゃないか」「家族が反対している」「いまの仕事を放り出していいのか?」「夢を見る年齢なのだろうか?」というように。
【今回の習慣化ルール】
習慣化には3つの次元がある!
・習慣化1.0は行動の習慣(続けられない、やめられない)
・習慣化2.0は思考の習慣(プラスに考えたい、感情を整理したい)
・習慣化3.0は人生の習慣(自分らしく、豊かな人生を生きたい)