A4用紙で圧倒的に仕事が進む!マッキンゼー式「問題解決1枚シート」がすごかった

パズルのピースと電球

「この案件、うまくいってないのは確か。でも、何をどう変えればいいのか、まったく見えてこない……」

プロジェクトメンバーの表情は暗く、上司からは「早急に対策を」と言われているものの、問題解決の糸口が見えない——。

このような状況に陥った経験はありませんか?

仕事をしていると、複雑な課題に直面し、「どこから考えればいいかわからない」「同じことばかり考えて堂々巡り」といった思考の迷子状態になることは珍しくありません。

特に責任のあるポジションにつくほど、効率的な問題解決スキルは必須。しかし多くのビジネスパーソンが、問題解決の体系的な方法を学ぶ機会がないまま、感覚や経験だけで乗り切ろうとしているのが現実です。

そんな悩みを解決するのが、問題解決フレームワークの活用です。特に今回紹介する「問題解決1枚シート」は、元マッキンゼーのコンサルタントが開発した実践的手法。A4用紙1枚で、複雑に見える課題も体系的に整理できるため、多忙なビジネスパーソンにとって強力なツールとなります。

この記事では、マッキンゼー仕込みの問題解決テクニックを使って、あなたの仕事の生産性を劇的に向上させる方法をお伝えします。

マッキンゼー仕込みの「問題解決1枚シート」とは?

「何をどう変えればいいのか、まったく見えてこない……」

売上が前年比で20%減少している、新サービスの利用者数が伸び悩んでいる、チームの生産性が上がらない——。このように仕事で難しい課題を解決しなければならないとき、解決の糸口が見えず動けなくなってしまった経験はありませんか?

問題解決をするとき、自分の力だけで真正面からぶつかるのはなかなか難しいもの。「とりあえず対症療法で乗り切る」「経験と勘に頼って判断する」といったアプローチでは、根本的な解決に至らないケースが多く見受けられます。

成果を求めて思考する場合、体系的で再現性のあるフレームワークをもっておくと安心です。

そこでおすすめしたいのが、「問題解決1枚シート」。元マッキンゼーの人材戦略コンサルタントである大嶋祥誉氏が、自身の経験をもとに開発した思考ツールです。

詳しい使い方は次項で解説しますが、簡単にいうと、画像のようにA4サイズの紙を4分割し、問題の本質から具体的な解決策までを体系的に整理するフレームワークです。

フレームワークの枠組み

(画像は「マイナビニュース」の記事を参考に作成した)

では、なぜこのフレームワークが問題解決に有効なのでしょうか?

大嶋氏は、問題解決に取り組む際は、「真の問題」を見つけることが重要だと述べています。*1

たとえば「営業成績が悪い」という表面的な課題に対し、多くの人は「もっと営業回数を増やそう」「新しい営業手法を試そう」といった対策を考えがちです。しかし、よく分析してみると「顧客のニーズを正確に把握できていない」「競合他社との差別化が不十分」といった、本当に解決すべき根本的な問題が隠れていることは珍しくありません。

大嶋氏は、「真の問題」を見つけるために押さえておくべきふたつの重要なポイントがあると語ります。

 
 
  1. 解決策はモレなくダブリなく立てること
  2. 解決策を急いで求めないこと *1

「問題解決1枚シート」は、このふたつのポイントを自然に満たせる構成になっているため、問題解決に有効なのです。

パズルのピースを持っている手

「問題解決1枚シート」の書き方

「問題解決1枚シート」の具体的な使い方を見ていきましょう。

 
 
  1. シートの準備
    A4用紙を十字に4分割し、シートを作成する
  2. 現状の課題を明確化
    【左上】いまの悩みや課題を一言で簡潔に書く
    (例:新商品キャンペーンの成果が出ない)
  3. 原因の深掘り分析
    【左下】「なぜこの問題が起きているのか?」「何・どこに困っている?」と自問自答しながら、思いつく限りの原因を書き出す
    (例:そもそも想定していたほどのアクセス数がない・訴求内容がターゲットの関心とズレている)
  4. 真の問題の再定義とゴール設定
    【右上】原因分析を踏まえて、本当に解決すべき問題を再定義し、その下に問題が解決されたときのゴールイメージを書く
    (例:ターゲットに適切にリーチできていない・ターゲット層の認知率30%向上)
  5. 具体的な解決策の立案
    【右下】再定義した問題に対して実行できる具体策を書き出す
    (例:SNSで訴求ポイントをターゲット層の関心に合わせて見直す・データ分析に基づいて配信タイミングを最適化)

この5ステップを完了すると、表面的な症状から根本的な課題、そして明確なゴールに向けた実行可能な解決策までが一枚のシートで可視化され、以下のような状態になります。

問題解決フレームワークの例

マッキンゼー式「問題解決1枚シート」を試してみた

実際に筆者が「問題解決1枚シート」に取り組んでみました。筆者は最近、仕事でもプライベートでも「やりたいことのアイデアはたくさんあるのに、実行に移せていない」という悩みを抱えています。ビジネスの課題ではありませんが、この個人的な悩みを「問題解決1枚シート」で分析してみることにしました。

まず、A4のコピー用紙にペンで十字を書きます。重要なポイントは、下のふたつの枠を広めにとること。原因分析や具体策は複数項目を書き出すため、十分なスペースを確保しておくと作業がスムーズに進みます。

左上には「アイデアはたくさんあるのに実行に移せない」と記入しました。

問題解決シートの実践紙面

次に、左下で原因を深掘りします。「なぜ実行に移せないのだろう?」と自問しながら、思考を制限せずに思いつく順に書き出していきます。

この段階で興味深い発見がありました。書き出した内容を俯瞰すると、「アイデア自体が大きすぎて手をつけられない」「実行可能なサイズのタスクに分けていないから動けない」という根本的な構造的問題が浮き彫りになったのです。

表面的な「やる気の問題」ではなく、「タスク設計の問題」という真の課題が浮かび上がってきたのです。

そこで、右上に「真の問題」を書き(問題の再定義)、その下に問題が解決した状態(ゴール)を書き出しました。

  • 問題の再定義:やりたいことを実行可能なサイズのタスクに分けられていない
  • ゴール:5~10分でできるタスクを書き出し、実行する

最後に、右下に解決策を思いつくだけ書き出しました。すべて書き終わった状態がこちらです。

問題解決シートの完成版

取り組んで感じたポイント

「問題解決1枚シート」を使ってみて感じたメリットは、「考え方の型」があると、それに沿って考えていけばなんらかの答えにたどり着けるという安心感があることでした。

従来の問題解決では、「どうしたらいいんだろう?」という漠然とした不安から始まり、同じ思考を堂々巡りすることが珍しくありません。

しかし、「問題解決1枚シート」のようなフレームワークがあれば、「問題」→「原因」→「本当の問題」→「解決策」という流れに乗るだけで現時点での結論にたどり着けるので、立ち止まってしまうことがありません。

どんなに複雑に見える課題を抱えても、「そうだ、あのフレームワークに乗せて考えてみよう。そうすれば答えがでるはずだ」と思えるのは、ビジネスパーソンのお守りになるのではないでしょうか。

自分に合う、または自分の取り組んでいる仕事で使う頻度が多そうなフレームワークをいくつかもっておくと、仕事そのものに集中できるためおすすめです。

***

「問題解決1枚シート」は、思考の体系化と行動の具体化を同時に実現する実践的なフレームワークです。解決の糸口が見えない複雑な課題に直面したときこそ、ぜひこの手法を試してみてください。

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