大学における勉強法の基本まとめ

大学での勉強法-01

大学における勉強は、高校までとはガラッとスタイルが変わるもの。大学生として何を学ぶのかは自分で決定しなければなりません。

高校までは学校や塾の先生が手取り足取り指示してくれたかもしれませんが、大学での勉強法を教えてくれる人は、めったにいないはず。どの授業を受ければよいのか、講義はどう聞くべきか、勉強時間をどれくらい確保するべきなのか、試験対策はいつから、ノートの取り方は……など、把握しかねている人が多いのではないでしょうか。

今回は、現役大学生、そして大学での学び直しを検討している社会人向けに、大学での勉強法や、勉強に行き詰まったときの対処法を解説します。

大学における勉強とは

大学は「能動的」な勉強を進めていくための場です。高校までの授業は、言われるがままに授業を受け、決められた教科書の内容をとにかく覚えるという「受動的」な性質が強いものでした。一方で大学では、学校側から何かを強制されることは少なくなる代わり、学生が自由に選択できる範囲が大幅に広がるのです。

大学では、一律に決まった時間割が与えられるのではなく、学生が自分の意志で選んだ授業に出席します。つまり、同じ大学の学生でも、10人いれば10通りの時間割が生まれるわけです。たとえば、筆者の専攻は哲学でしたが、哲学以外にも、経済学や日本文学など興味がある分野の授業も数多く時間割に入れていました。

また、大学に入ると、自由に使える時間が大幅に増えます。筆者が在籍していた中央大学の場合、1日あたり2~3コマの授業を取っていれば、進級に必要な単位数を満たすことができました。

1コマが90分になるとはいえ、高校時代に比べると拘束時間はかなり少なくなりますよね。授業の取り方を工夫して、週に3回しか大学に行かなくていい時間割を組んでいる人もいました。

自由な時間が増えるということは、裏を返せば、自分の興味や意志に従って学びを進めていかないかぎり、何の知識も身につかずに大学生活の4年間が終わってしまう、という可能性もあるということです。学ぶのも自由、学ばないのも自由。それが大学という環境の気楽さであり、恐いところでもあります。大学生になると「勉強しなさい」とハッパをかけてくれる親や先生はいないため、いかに自己管理ができるかが肝になるのです。

大学での勉強法-02

大学生は勉強しない?

「大学生になったら勉強しないでよくなるんだ」と考えている方も多いかもしれません。たしかに、勉強よりサークルやアルバイト、飲み会などに明け暮れている大学生を描くドラマや小説は多いですよね。実際はどうなのでしょう?

文部科学省が公開している、日本とアメリカの大学生の勉強時間を比較したデータ(2009年調査)を見てみると、アメリカの大学1年生(文系)が週に13.3時間の自習をしているのに対し、日本の大学1年生(文系)は、8.9時間しか勉強していません。大学に入ったばかりの1年生ですから、受験勉強から解放され、晴れて志望校への入学がかなったら、羽を伸ばしてしまうのでしょう。文系に限らず、理系でもおよそ同じような結果です。

4年生になると、日本人の大学生(文系)の週あたり勉強時間は14.5時間にまで増え、アメリカ人大学生(文系)の13.1時間を上回ります。卒業論文の準備が始まるためです。特に日本の理系学生は、実験などが大変なのでさらに勉強時間が多く、28.6時間という数字になっています。

上記のデータから、日本の学生は受験から解放された大学1年次にはあまり勉強せず、卒論が始まって必要に迫られてくると勉強時間が増える、という傾向があるといえるでしょう。つまり、大学生になっても、高校時代のように「受動的」な姿勢でしか勉強できない人が多いのです。

くわえて、キャンパスには「大学生は遊んでナンボ」という雰囲気が満ちています。「今日の1限、サボっちゃった」「昨日は徹夜で麻雀してたんだ」というような“サボった自慢”、“遊んでいる自慢”が、あちこちで耳に飛び込んできます。そんな環境に影響され、はじめは学習意欲に燃えていた人でも「勉強しなくても大丈夫なんだな」という自堕落な気分に陥ってしまいがちです。

もちろん、サークルや遊びなども、社会経験や思い出づくりの一環としてとても大切なものです。しかし、まったく勉強しなくなってしまったり、大学に入った当初の目標を忘れてしまったりというのでは、やはりもったいないですよね。

キャンパスの自由な空気に気持ちを乱されないよう、「大学に行って何を勉強したいのか」「何のために大学へ行くのか」と明確な目標を立てておくことが、大学生活には必須なのです。

大学での勉強法-03

大学での勉強法

では、大学ではどのような勉強の仕方をすればいいのでしょうか? 以下に4つの勉強法をご紹介します。

授業で聞いて興味をもったものを調べる

まず1つめは、授業中に得た知識を自分で「深堀り」していくという方法です。

大学の講義は、高校の授業とは違い、内容そのものを丸暗記することが目的ではありません。講義はあくまで「好奇心の入口」「思考の入口」です。どれだけ正確に講義の内容を覚えたかよりも、講義をきっかけに知りたいことが増えたり、自分なりに考えたりすることの方が重要なのです。

教授の側も、基本的には「気になったところは自分で調べてね」というスタンスで話すことが多いので、高校の先生のようにかみ砕いた解説まではしてくれないことも多々あります。また、1回90分の講義は情報量が多く、内容が高度であるため、自分で調べなければ十全に理解できないことも多いはずです。

大学の勉強は自主的に進めていくものと捉え、知りたいことや気になったことは自分で調べる習慣をつけましょう。

大学内の書店へ行く

自主的な勉強にあたり、読みたい本・読むべき本を見つける際に活用できるのが、大学構内の書店です。

大学内の書店では、一般書店と異なり、学生をターゲットに絞って本がレイアウトされています。つまり、学生に人気の本や、大学生向けの本などを選びやすい環境が整っているのです。

また、多くの大学書店では、ジャンルごとに本を特集したフェアが開催されています。「勁草書房15%オフ」など出版社ごとのセールや、「アジアの本フェア」「初めての資格試験フェア」といったテーマごとの特集など、時期によって様々なフェアが企画されているので、今まで接点のなかったジャンルの本に出会ういい機会になるでしょう。

過去問を入手する(期末テスト対策)

ここからは、大学の期末テスト対策について解説します。期末テスト対策の1つめは、過去問を入手することです。

大学の期末テストは、担当教授によってスタイルが千差万別のため、サークルの先輩から過去問をもらったり、試験の傾向を聞いておいたりするなどの情報収集が欠かせません。毎年ほぼ同じ問題が出題される授業もあるので、過去問を反復練習しておく重要性は非常に高いといえるでしょう。

全く同じ問題が出なかったとしても、過去の期末テストに出題された設問の重要性が高いことには変わりありません。講義の要点を押さえるという意味でも、過去問を研究しておく価値は大いにあります。直前では間に合わないので、時間に余裕をもって過去問を集めておきましょう。

担当教授の著書を読む(期末テスト対策)

期末テスト対策の2つめは、担当教授の著書を読むという方法。特に、論述問題で高得点を取るには効果的です。

多くの講義では、担当教授自身の著書が教科書として指定されています。テスト前に、最低でも1回は通読しておきましょう。

余裕があれば、担当教授のほかの著書にも一通り目を通してみてください。教授がどんな分野について研究しているのか、どんな問題を重要視しているか、おおよその傾向が見えてくるはずです。

以上、大学における勉強の方法を紹介しました。

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大学の勉強で困ったとき

最後に、大学の勉強で壁に当たったときの対処法を、状況別にご紹介します。

勉強が難しくてついていけない

大学の講義は、専門の教授によって行われるため、内容が高度なのは当然です。くわえて、大学の教授は「学問のプロ」ではあっても「教えるプロ」ではないため、余計に話が難しいと感じることもあるかもしれません。

どうしてもついていけないときには、授業が終わったあと、教授に質問しにいきましょう。少し近寄りがたいと感じるかもしれませんが、遠慮する必要はありません。

大学教授はみな、その学問が大好きで仕方がない人たちばかりです。そのため、質問をしにいくと多くの場合、喜んで答えてくれます。教授と1対1なら「そこをもう少し詳しく聞かせてください」と、わからないところを逐一聞き直すことができるので、理解がスムーズに進むでしょう。

また、入門書を読むのもひとつの手です。講義を聞いてよくわからないと「自分の頭が悪いのかな」と落ち込んでしまうかもしれませんが、初学者向けに書かれた簡単な本ならすんなり理解できることがあります。「大学生になったんだから大学レベルの勉強をしないと」と気負わず、まずは自分のレベルに合った参考書を見つけ、基礎からしっかり学びましょう。

勉強へのやる気を失ってしまった

入学前こそ熱心に勉強していたのに、大学に入ってから勉強の目標を見失ってしまった人もいるはず。高校生には志望校合格という分かりやすい目標がありますが、大学生の場合、「勉強を続けた先で得られるものがある」という感覚を持ちにくいためです。

おすすめなのが、資格試験を受験すること。資格試験を受けるとなると「何月何日までに、どれくらいの知識をインプットする」という具体的な目標ができるため、ぼやけてしまいがちな勉強の目的を明確化できるからです。

特に、TOEICやTOEFLといった英語系の資格は人気です。語学なら上達を実感しやすいですし、大学卒業後の大きな武器にもなります。あるいは、歴史能力検定や数学検定など、大学で学んでいることに直接関わるような検定にチャレンジするのもいいでしょう。

勉強ばかりの毎日がつらい

将来に備え、勉強漬けの毎日を送っている人もいるかもしれませんね。周りが楽しそうに遊んでいるなか、ひとり黙々と勉強していると、ときには「しんどいな」「もう勉強したくないな」とめげそうになることもあるでしょう。勉学に励むこと自体は素晴らしいですが、つらいと感じているのなら「勉強は1日4時間までにする」などと上限を決め、残りの時間は別の活動に充てることにすれば、うまく気分転換できるはずです。

たしかに、大学は勉強をしに行く場所ですが、勉強“だけ”をする場所ではありません。サークル活動やアルバイトなども、大学時代しかできない立派な経験のひとつ。勉強一本槍になるのではなく、ほかの活動もバランスよく取り入れて勉強とプライベートを両立させることが、充実した大学生活を送る上で大切です。

同じ目標に向かって勉強している友だちがいるなら、励まし合いながら一緒に勉強することもおすすめ。筑波大学大学院体育科学研究科の横山典子氏らは、個人運動のみのグループと集団運動も取り入れたグループとで、モチベーションにどのような違いが生まれるのかを調査しました。実験の結果、集団運動も取り入れたグループのほうが、個人運動のみのグループより25%も参加率が高くなり、「達成感」や「好奇心」の度合も高くなったのだそうです。

つまり、誰かと一緒に活動するほうがはかどるし、楽しめるということ。勉強にマンネリを感じはじめたら、ときには他者からの刺激も取り入れてみましょう。

勉強をサボってばかりだが、内心では焦っている

反対に、ふだんあまり勉強をしてないけれど、そろそろ何かしなければヤバいかも、と焦っている方もいるでしょう。

焦りが生まれる原因は、目標がはっきりしていないことにあります。たとえば「新卒で外資系の商社に入りたい」という明確な目標を持っているなら、TOEICで900点以上取って、留学して、インターンに参加して、就活・面接の対策もして……と具体的な計画を立てられるので、焦りは生まれないはずです。

焦りを解消するためには、まず自分が何をしたいのか、そのために何をするべきなのか、紙に書き出して自己分析してみましょう。すぐには目標を決められなくても、頭の中を整理し、焦りを和らげることができます。

あるいは、やることははっきりしているのに、勉強が嫌いとまではいかなくとも、なかなかやる気が出なくて困っている方もいるでしょう。そんな人は、目標を達成した場合に得られるメリットをはっきりイメージできていないのかもしれません。

『逆算手帳の習慣 ふわふわした夢を現実に変える』(ダイヤモンド社、2018年)の著者・コボリジュンコ氏によると、目標を立てるときには、まず「ワクワクする未来(ビジョン)」を紙に書き出すべきなのだそう。たとえば、「英語をマスターして、海外を飛び回りながら仕事をしたい」「公務員になって地元の発展に貢献したい」「司法試験に合格して、父のような立派な弁護士になりたい」など、なんでも構いません。目標達成の先に待つワクワクする未来を鮮明にイメージできると、そのワクワク感を、努力を続けるための燃料にできるのです。

どうしてもイメージできないのなら、自分の本当の欲求と異なる目標を掲げてしまっているのかもしれません。「本当にその目標を達成したいのか?」と、考え直してみる必要があります。

以上、大学の勉強で壁にぶつかったときの対処法をご紹介しました。

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大学というものがどのような場所なのか、大学ではどのように勉強すればいいのか解説してきました。大学での勉強方法をつかみきれていない人や、大学での学び直しを検討している人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

(参考)
文部科学省|学生の学修時間の現状
ダイヤモンド・オンライン|夢を現実に変える方法は、とてもシンプル

【ライタープロフィール】
佐藤舜
中央大学文学部出身。専攻は哲学で、心や精神文化に関わる分野を研究。趣味は映画、読書、ラジオ。人生ナンバーワンの映画は『セッション』、本は『暇と退屈の倫理学』。好きな芸人はハライチ、有吉弘行、伊集院光、ダウンタウン。

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