なぜあの人は好印象? 好印象な人が心がけている3つの「言わないこと」

唇に手を当て、静かにするよう求める女性

職場の人やクライアントに好印象を与えて、円滑に仕事をしたい。だからコミュニケーションを頑張っているのに、効果がないような気がする……。

ビジネスパーソンにとって、周囲からの印象は重要でありながらも難しい問題です。

しかし、あえて言葉を控えるだけで「品のいい人」「信頼できる人」と思ってもらえるかもしれません。

今回は、好印象で評価される人が、あえて言わないことをご紹介します。ご自身の普段の発言と比較しながら、読んでみてください。

1. 曖昧な質問は控える

相談を受けたり雑談をしたりすることは、相手との距離を縮めて好印象を与えるチャンス。しかし、質問の仕方によっては相手を困らせてしまう可能性もあります。特に注意したいのが、「最近どう(ですか)?」という曖昧な質問です。

「最近どう(ですか)?」という問いかけは、後輩や同僚、そしてクライアントとの会話によく使われます。しかし、この質問は「何を聞きたいのかが曖昧過ぎ」る――このように指摘するのは『いい人間関係は敬語のくずし方で決まる』著者の藤田尚弓氏です。*1

部下や後輩には遠慮がありますので、ざっくり話題を振っても、自分のことを話すのには抵抗があります。どんな話題を求められているか、迷ってしまう人もいるでしょう。

逆の立場で考えてみましょう。

自分が上司から「最近どう?」と聞かれた場面を想像すると、何を言うべきか悩んでしまう人が多いのではないでしょうか。仕事の話をするべきだろうけれど、特別な出来事はないし、かといって自分のプライベートの話をしても興味ないだろうな……といった具合です。そんな返しづらい質問をする相手に、いい印象は持ちづらいものですよね。

さすがに、クライアントに「最近どう(ですか)?」と聞くことはあまりないと思いますが、同程度に曖昧な質問をしているかもしれません。

相手に好印象を与えるためには、まず「はい・いいえ」で答えられる質問をするのがおすすめです。たとえば、以下のようなイメージです。

後輩・同僚への質問

  • 新しいプロジェクトは順調?
  • 先週受けていた研修は勉強になった?

 

クライアントへの質問

  • 最近、御社で力を入れていることはありますか?
  • 弊社の商品にご満足いただいておりますでしょうか?

藤田氏は、質問をするときは「なるべくポジティブなことを探せる質問を心がけ」るよう呼びかけています。不満はない? 困ったことはない? といった聞き方は、「わざわざ不満なことを探してしまう」可能性があるためです。*1

質問の仕方を工夫すれば、日々の何気ない会話も盛り上がりやすくなり、相手からの印象もよくなるはず。「はい・いいえ」で答えられる、ポジティブな聞き方を意識してみてください。

横に並んで話をする二人のビジネスパーソン

2.  「自分なんて」 という言い方は控える

「同僚の〇〇さんは頼りになるなぁ。自分なんて、ミスしてばかりだから……」
「自分なんて大したことはしていないから、プレゼンが成功したのもどうせ偶然だよ」

このように、相手をほめるときや自分が評価されたときなどに、なにげなく 「自分なんて」と自虐的な言い方をしていませんか? 謙虚なのはいいことですが、場合によっては印象を悪くしてしまう可能性があります。

心理カウンセラーの五百田達成氏は、 「自分なんて」 という言い方は「『そんなことないよ』とフォローしてくれることを期待している」ことが「透けて見える」と注意を促しています。「めんどくさい人、かまってほしい人という評価がついて、結果的に損してしまう」からです。*2

つまり、 「自分なんて」という言い方は、たとえ自分がフォローしてほしいと思っていなくても、相手にプレッシャーを与えてしまうことがあるのですね。 「面倒な人」 というレッテルを貼られないためにも、控えたほうがよさそうです。

五百田氏は、「『私なんて』と口に出しそうになったら『私は』と普通の言い方に直す」ことをすすめています。これに加え、「最後は『ポジティブに』締める」のも、印象をよくする秘訣だそうです。*2

たとえば、先の例を言い換えると、次のようになります。

  • 自分はミスしてしまうこともあるけれど、〇〇さんがいつも助けてくれて本当に感謝しています。
  • 自分は運がよかったから、プレゼンを成功させられたと思う。

謙虚さはありながらも、相手が気持ちよく受け取れるような言い方を意識することで、好印象を与えられるはずです。

さわやかな笑顔で手を振る女性

3. フィラー表現は控える

「えー」「まあ」「あの」など、言葉のあいだをつなぐ表現は誰もが無意識に使っているでしょう。これは「フィラー」と呼ばれるつなぎの表現ですが、多用しすぎると相手からの信頼度が落ちてしまうかもしれません。

コミュニケーションスキルの向上を推進する米企業のクオンティファイド・コミュニケーションズ創業者、ノア・ザンダン氏は、フィラー表現を多用するデメリットを次のように説明しています。*3

  • フィラーが邪魔となり、伝えようとしている感動的な話や興味深い研究が届きにくくなる
  • 話し手の核となる個性に注意が向かなくなり、信頼を置ける人というよりは、緊張しているとか、集中していないとか、あるいは上の空といった印象を与えてしまう

つまりフィラー表現の使いすぎは、話が伝わりにくくなるうえ、相手に「信頼できない人」という印象を植えつけてしまうのです。たしかに、「えーと……」と途切れ途切れに話す人よりも、よどみなく話せる人のほうがスマートで、印象もいいですよね。

とはいえ、フィラー表現は無意識に使っている人がほとんど。そのためザンダン氏は、まずは自分がどんなフィラー表現を多用しているのか自覚するため「最近のスピーチの録画か原稿を見直」すことをすすめています。*3

自分の話し方を客観的に見ることで、フィラー表現を自覚するのですね。録画も原稿もない場合は、自己紹介やプレゼンなどの場面をイメージして話し、録画をするといいでしょう。

そして「口癖になっているフィラーがわかったら、沈黙を自分に強いる」練習をします。ザンダン氏は、その方法を次のように紹介しています。*3

その日1日にやったことを話す自分の姿を録画してみるといい。一連の出来事を回想する際、フィラーの代わりに、沈黙をする訓練をするのだ。

その日の出来事をカメラの前で話し、自分がよく使うフィラー表現が出そうになったら、代わりに沈黙する。この訓練を繰り返せば、フィラー表現が減っていくはずです。

話している途中に数秒の沈黙を挟むと、「冷静で落ち着いているように聞こえる」と言うザンダン氏。*3

言葉のあいだをつないだり、考えをまとめたりする目的は果たしながらも、相手に好印象を与えられるのですね。

白いデスクの上

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コミュニケーションを通して相手にいい印象を与えるには、あえて言わないことを決めることも大切です。自分の話し方や言い回しを見直して、周囲から好かれるビジネスパーソンを目指しましょう。

※引用部分の太字は編集部が施した

【ライタープロフィール】
藤真唯

大学では日本古典文学を専攻。現在も古典文学や近代文学を読み勉強中。効率のよい学び方にも関心が高く、日々情報収集に努めている。ライターとしては、仕事術・コミュニケーション術に関する執筆経験が豊富。丁寧なリサーチに基づいて分かりやすく伝えることを得意とする。

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