
「続けたいのに、なぜか続かない」「やる気はあるのに、行動できない」——こんな経験は誰にでもあるはず。
そんなときに頼りになるのが「If-thenプランニング」というメソッドです。
「If-Thenプランニング」とは、「もし○○が起きたら(If)、△△をする(Then)」と、前もって条件と行動をセットにしておく手法。
非常にシンプルですが、驚くほど簡単に習慣化できるため、注目を集めています。
本記事では、If-thenプランニングのポイントを、筆者の実践を交えてわかりやすく解説します。
If-thenプランニングとは?
If-Thenプランニングとは、「もし○○が起きたら(If)、△△をする(Then)」と、前もって条件と行動をセットにしておく手法。
たとえば——
- 「夕食のあと(If)、語学学習アプリを1レッスンやる(Then)」
- 「会社から帰ったら(If)、まっすぐ脱衣所へ行きお風呂に入る(Then)」
このように、具体的な条件と行動内容を設定するのです。
ある研究では、If-Thenプランニングを実践したグループの91%が運動を継続できたのに対し、実践しなかったグループでは39%にとどまったという結果が示されています。*1
つまり、If-Thenプランニングを取り入れるだけで、習慣化の成功率が2倍以上高くなるといえるのです。
うまくいく「If-thenプランニング」のポイント
ここで実践のポイントを確認してみましょう。
If-thenプランニングはとても有名なので多くの人が実践している一方で、「やってみたけど、結局うまくいかなかった」という声もよく耳にするのは、「If-thenプランニング」のポイントをきちんと押さえていなかったからかもしれません。
教育心理学を専門とする筑波大学人間系教授の外山美樹氏は、If-thenプランニングのポイントについて以下のように解説しています。
If-thenプランニング、3つのポイント
「if(条件)」は「具体的でよく起こる状況」にすること
【OK例】具体的な時間・場所・状況、明確な行動・感情が起きたとき
例:「◯時になったら」「帰りの電車のなかで」「昼休みが終わったら」「朝食を食べたら」「落ち込んだら」
【NG例】抽象的でいつ起こるのか不明瞭なもの
例:「今日中」「夜までに」「気分が乗ったら」
「then(行動)」は「すぐに実行可能で具体的な小さなステップ」にすること
【OK例】「椅子に座って、参考書の◯ページを開く」「学習サイトにログインする」
【NG例】「勉強する」「資料をつくる」
やり忘れ防止のため、If-thenプランニングの内容をメモに書いて貼っておく
例:「帰ったらお風呂へ直行!」と書いたメモを玄関に貼る、ダイニングテーブルの端に「夕食のあとは問題集を開いて1問解く」と書いた付箋を貼る *2
この3つのポイントを押さえれば、If-thenプランニングの真価を実感できるはず。
挫折してしまったという人も、もう一度試してみませんか?
If-thenプランニングを試してみた
これまでの内容をふまえ、筆者もIf-thenプランニングを実践してみることにしました。
◇見開きで「課題」と「If-then文」を書き分ける
「If-then文」を考える前に、まず自分自身が困っていることや習慣にしたいことを書き出し、分析してみることにしました。
できない理由を一度考えてみることで、効果的な「If-then文」を作成できるのではと考えたからです。
A4のノートを用意し、左ページに「困っていることや習慣にしたいこと」、右ページに「それに対応するIf-then」を書いていきます。

筆者が生活で困っていることは、以下の3つ。
- 朝、起きるのが辛くてなかなかふとんから出られない
- つい、ふとんにスマホをもち込んで夜ふかししてしまう
- 夕食のあと、ついダラダラして時間を無駄にしてしまう
これらをノートに書き出したあと、「なぜやってしまうのか?」「それをしたあと、いつもどんな気分になっているか?」を書き出しました。

※青字:なぜやってしまうのか? 赤字:それをしたあと、いつもどんな気分になっているか? と色を分けて記入しています。
こうして書き出してみると、何が原因になっているのかがよくわかります。
たとえば、「朝、起きるのが辛くてなかなかふとんから出られない」のは「寒いから」。
であるならば、起きたときに部屋が暖かくなっていればいいわけです。
◇作成した「If-then文」
以上の内容をふまえて、「If-then文」を作成しました。

朝、起きるのが辛くてなかなかふとんから出られない
夜ふとんに入る前に(If)、エアコンのタイマーをONにする(Then)
つい、ふとんにスマホをもち込んで夜ふかししてしまう
湯船に浸かっているあいだ(If)、好きなだけスマホを見る(Then)
お風呂から出たら(If)、スマホの電源を切る(Then)
夕食のあと、ついダラダラして時間を無駄にしてしまう
夕食を食べたあと(If)、お茶をいれて飲む(Then)
外山氏のポイントを意識し、できるだけ具体的かつ小さなアクションにすることを心がけました。
自分の欲求を満たせば、実行しやすくなる!
「If-then文」の作成では、上記の分析でわかった「ついやってしまう悪習慣の裏にある欲求」を、別のかたちで満たすことを心がけました。
たとえば——
- ふとんでスマホを見てしまう ▶ 温かい場所でのんびり楽しみたいという欲求がある
- 解決策:場所をふとんから湯船に変える
自分の欲求を否定せず、「いまよりまし」な状態に変えるだけで、ストレスなく習慣化を始められました。
ほかにも、「とても好きなこと」をご褒美にするというのも効果的でした。
- 夕食のあとは満腹で、ついダラダラしてしまう ▶ 筆者はお茶を飲むのが好きなので、食後のお茶をご褒美に設定
その結果——
-
- 「満腹だけど、お茶は飲みたいな」と思い、台所へ移動
- 「せっかく立ったから」と、ついでに食器を少し片づける
結果:台所も机も片づいてスッキリ。温かいお茶も飲めて気分がいい。
▶ 「じゃあ映画でも見ちゃおうかな」と自然に前向きな行動につながる。
このように、スタートさえ切れれば自然といい連鎖が起こるのです。
まずはノートに書き出し、原因を分析してから「If-then文」をつくると、良い流れを生み出す起点を見つけやすくなります。

***
「行動したいのに動けない……」
こんなもどかしさも、「If-thenプランニング」を使いこなせばきっと無くなるはず。
本記事を参考に、ぜひ暮らしのなかに取り入れてみてください。
よくある質問(FAQ)
Q. If-thenプランニングとは何ですか?
A. If-thenプランニングとは、「もし○○が起きたら(If)、△△をする(Then)」と、前もって条件と行動をセットにしておく習慣化の手法です。たとえば「夕食のあと(If)、語学学習アプリを1レッスンやる(Then)」のように設定します。
Q. If-thenプランニングにはどのくらい効果がありますか?
A. 研究によると、If-thenプランニングを実践したグループの91%が運動を継続できたのに対し、実践しなかったグループでは39%にとどまりました。つまり、習慣化の成功率が2倍以上高くなるという結果が示されています。
Q. If-thenプランニングがうまくいかないのはなぜですか?
A. うまくいかない主な原因は、「If(条件)」が抽象的だったり、「Then(行動)」が大きすぎたりすることです。条件は「具体的でよく起こる状況」に、行動は「すぐに実行可能で具体的な小さなステップ」に設定することがポイントです。
Q. If-thenプランニングを忘れずに実行するコツはありますか?
A. If-thenプランニングの内容をメモに書いて、目につく場所に貼っておくことが効果的です。たとえば「帰ったらお風呂へ直行!」と書いたメモを玄関に貼るなど、行動のきっかけとなる場所に設置しましょう。
*1 Psychology Today|The Science of Success: The If-Then Solution
*2 STUDY HACKER|なぜ人は誘惑に負けるのか? 「明日やればいいか」を防ぐ「if-then」形式の力
柴田香織
大学では心理学を専攻。常に独学で新しいことの学習にチャレンジしており、現在はIllustratorや中国語を勉強中。効率的な勉強法やノート術を日々実践しており、実際に高校3年分の日本史・世界史・地理の学び直しを1年間で完了した。自分で試して検証する実践報告記事が得意。