「忙しい」と言わない人が実践している、余白を生み出す3つの習慣

笑顔のビジネスパーソン

「頼りになる先輩は、自分より忙しいはずなのに『忙しい』とは言わない」

「うちのリーダーは、どんなに仕事が立て込んでいても、ゆとりを感じさせる」

そんな人物が、あなたのまわりにもいませんか。

彼らはあなたより多くのタスクを抱えているのに、なぜこの差が生まれるのでしょうか。

教育事業や働き方改革の支援を行う株式会社クロスリバー代表取締役の越川慎司氏は、有能なリーダーほど、話しかけてもらいやすいように時間的なすき間をつくっていると述べています。*1

それは偶然ではなく、日常の行動選択で生まれるもの。つまり「忙しい」と言わずゆとりを感じさせる人は、「時間的余裕」を生み出す仕組みをもっているのです。

本記事では、そんな「余白上手」な人になるために心がける3つのことをご紹介します。

1. 人に頼る

仕事ができる人ほど、人に頼ることが上手です。自分ひとりで処理しようとしないため、忙しさに追われてキャパオーバーになるようなことがありません。

とはいえ、「他人に任せるより自分でやったほうが早い」「まわりの人を手間取らせるのが申し訳ない」と考えてしまう人もいるでしょう。責任感が強いために人に頼るのが苦手と感じるかもしれません。

しかし、まわりの知恵や力を借りるフェーズに入ったほうが自分の成長にもつながります

ポイント
「ちょっと人の知恵や力を借りるだけで視野が広がり、発想が豊かになり、選択肢も増えるものです。」――メンタルヘルス・コンサルタントの船見敏子氏。*2

人を頼れば、時間の余裕だけでなく、新しい視点や学びを得ることができます。

人を頼る効果 具体的な内容
時間の余裕 重要な仕事に集中できる時間が増える
視点の多様化 他者の視点が入り、新たな解決策や気づきが生まれる
学びの加速 引き継ぎや相談を通じて学びが得られる

まわりに頼ることで得られるのは時間の余裕だけではなく、自分ひとりでは思いつけなかった考え方・発想・解釈に触れられるという大きな価値です。

仕事ができる人は、余白をつくって成果の質を高めるために「他者の頭脳を借りる」ことをためらいません。

人に頼ることは負担を押しつけることではなく、大きな価値を得るための戦略とも言えるでしょう。

オフィスで話すビジネスパーソンたち

2. 人にうまく任せる

ほかの人に仕事を回すにしても、「この資料、あとはよろしく」「任せたよ!」と丸投げ状態な指示になっていませんか?

株式会社識学代表取締役の安藤広大氏は、うまくまわりに任せる人は「求める状態とその期限、そして権限をはっきりと伝える」と言います。*3

これにより、指示する側も逐一管理しなくてすみ、任された側も自律的に動けます。

うまく任せる人の指示の例
・求める状態:A4用紙1枚で課題を箇条書きにまとめる
・期限:次回ミーティングまで
・権限:必要に応じて他メンバーにヒアリング可

こうした共有を行えば、途中報告や細かな確認が減り、自然と「任せる文化」が根づきます。

NGな任せ方 良い任せ方
「あとで確認するからやっておいて」 完成形のイメージと締切を明確に伝える
進捗のたびに細かく口出し 節目ごとに報告タイミングを共有

仕事ができる人は、「任せる」と「丸投げ」の違いを明確に理解しているのです。

ノートパソコンを見ながら話し合うビジネスパーソンたち

3. 基準をもって優先順位を決める

仕事ができる人は、タスクを「緊急度 × 重要度」で整理しています。

焦ってすぐできる仕事から片づけようとすると、本当に大切な仕事が後回しになりがちです。

とはいえ、「どれも大事」「どれも急ぎ」「どれも自分がやるべき」と感じてしまうことは誰にでもあるでしょう。

たとえば、このような経験はありませんか?

  • 午前中のうちに仕事を終わらせたかったのに、急な依頼が重なり、自分の仕事を進められるのはみんなが帰った定時後……
  • 「タスクが溜まってきたから、すぐ片づけられるものから消化していこう」とした結果、重い作業が後回しになり時間もないため、品質が落ちてしまった

これは、優先順位をつけられずに、闇雲に手近にあるものから取りかかってしまっている状態です。

もし「どれも重要で緊急に感じる」という思考から抜け出せないのなら、「緊急度 × 重要度マトリクス」でタスクを整理してみてはいかがでしょうか。*4を参考にした

ヒント
「重要度の高いものは自分で、重要度の低いものは人に任せる」という判断基準をもつと、自分が動くべき領域がくっきり見えるようになります。

筆者が作成した「マトリクス図」

「緊急度 × 重要度マトリクス」でタスクを整理
※この画像は筆者が作成した

このマトリクスを参考に、自分で取りかかるべき仕事なのか、ほかの人に振り分けてもいい仕事なのかを判断しましょう。

優先度 行動の目安
重要かつ緊急 すぐに自分で対応。期限を明確に設定する。
重要だが緊急でない 時間を確保し、計画的に取り組む。
緊急だが重要でない 他者へ委任し、自分の時間を守る。
重要でも緊急でもない 思い切って削除・後回しを検討する。

優先順位を「感覚」ではなく「基準」で決めることで、タスクの山に振り回されずにすみます。

黒板に「Priorities」とチョークで書く様子

***
「忙しい」と言わない人は、生まれつき余裕がある人ではありません。日々の行動と判断で、自ら余白をつくっているのです。本記事が、あなたの働き方に小さな余白を取り戻すきっかけになれば幸いです。

※引用の太字は編集部が施した

【ライタープロフィール】
澤田みのり

大学では数学を専攻。卒業後はSEとしてIT企業に勤務した。仕事のパフォーマンスアップに不可欠な身体の整え方に関心が高く、働きながらピラティスの国際資格と国際中医師の資格を取得。日々勉強を継続しており、勉強効率を上げるため、脳科学や記憶術についても積極的に学習中。

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