勉強がはかどる方法12選! やる気・集中力がないときはどうする?

勉強がはかどる方法1

やる気が出ない、集中力がすぐ切れる……と困っているあなたに、勉強がはかどる方法をお教えします。時間を区切る勉強法や、疲れのとれる休憩法など、簡単に実践できてモチベーションを保てるコツが満載です。自分で気持ちをコントロールできない、目標を立てたのに頑張れない、ついスマホをいじってしまう、集中できない原因がわからない……など、勉強で困っている人のヒントになるはず。

「やる気を出す」「集中力を保つ」「休憩する」「音楽を利用する」という4つの観点から、勉強がはかどる方法を12個紹介します。

勉強がはかどる方法1:やる気を出す方法3選

なぜかやる気がわかない勉強開始時など、勉強がはかどる方法はないものかと考えてしまいますよね。心理学者のL・ズーニン氏も、行動を始める→行動を続ける→行動を終えるという一連の流れのうち、最も気が重たくなるのは「行動を始める」ときだと述べています。

しかし、気が重いからといって行動を起こさないわけにはいきません。東京大学大学院薬学研究科教授で、ベストセラー『脳には妙なクセがある』(扶桑社、2012年)など脳科学に関する一般向けの書籍も多数執筆している池谷裕二氏によると、「行動すること」でやる気は湧くのだそう。

やる気が出たからやるというより、やり始めるとやる気が出るというケースが多くあります。年末の大掃除などは良い例で、乗り気がしないまま始めたかもしれませんが、いざ作業を開始すると、次第に気分が乗ってきて、部屋をすっかりきれいにしてしまったという経験は、誰にでもあるはずです。やる気は、行動の原因ではなく、しばしば行動の結果です。

(引用元:池谷裕二(2018),『脳には妙なクセがある』, 新潮社. 太字による強調は編集部が施した)

やる気のもとは、脳内で分泌される神経伝達物質・ドーパミン。ドーパミンは、実際に行動を起こしているときにのみ、側坐核(そくざかく)という脳の部位から分泌されるそう。「やる気が出ない」などと言わず、勉強という行動を起こしさえすれば、ドーパミンが分泌され、やる気が湧いてくるのです。ズーニン氏も、物事を始めて4分が経過すれば、心理的負担が弱まり、モチベーションがアップしていくと述べています。

では、やる気が出る前、勉強をスタートさせるための最初の一歩を踏み出すには、どうすればよいのでしょうか? 3つの方法をご紹介します。

1. 勉強を始めやすい環境を整える

勉強をスムーズにスタートするため、すぐ勉強態勢に入れる環境作りをしましょう。

必要な教材が机の上に置かれ、筆記用具が手の届くところにそろっていれば、考える間もなく勉強をスタートできますよね。寝る前に、参考書・ノート・筆記用具を机の上に準備しておけば、起きてすぐ勉強をスタートできるのではないでしょうか。

東京大学を首席で卒業したニューヨーク州弁護士の山口真由氏も、勉強を始めるときはつらく感じる場合が多いため、ベッドと机をなるべく近づけるなど、起きたら自動的に勉強を始められる工夫をしているそうですよ。

2. 勉強する場所を決める

自室の勉強机やリビングのテーブル、図書館など、勉強する場所を決めておくのも有効です。勉強場所を定めたら、スマートフォンやお菓子など、勉強を妨げそうなものは視界に入らないようにして、勉強に集中できるようにしてください。

生体リズムや脳の仕組みを使った人材開発を行なうユークロニア株式会社代表で作業療法士の菅原洋平氏によると、脳は行動と場所をセットで記憶するのだそう。たとえば、勉強机でスマートフォンを見たり食事をしたりする習慣がついていると、脳は勉強机を「スマホを見る場所」「食事する場所」として記憶するため、机の前に座ってもなかなか勉強態勢に入れなくなってしまうのです。

自室の机が「遊び場」「食事場」になってしまっていても大丈夫。菅原氏によると、勉強スペースで4日間続けて勉強に集中すれば、「勉強する場所」という記憶で上書きされるのだそうです。

勉強場所を決めたら、そこでは勉強以外のことはしないように気をつけましょう。

3. アクショントリガーを決める

「アクション・トリガー」を利用して、勉強を習慣化するという方法もあります。アクション・トリガーとは、行動の引き金のこと。つまり、「あるアクションをとったら、勉強を始める」というルールを決めておくのです。

アクション・トリガーを設定するには、時間・場所・行動を具体的に決め、手帳などに書き出しておきましょう。

(例)
起きたら顔を洗う
→6時半~7時に英語の勉強をする
→朝食をとる

アクション・トリガーに関しては、ニューヨーク大学のP・ゴルヴィツァー教授とチューリッヒ大学のV・ブランドスタッター教授による、大学生を対象にした1997年の実験があります。「いつ・どこで・レポートを書くか」というアクション・トリガーを書き出したグループは、そうしなかったグループに比べ、課題の達成率が2~3倍にもなったそうです。

アクション・トリガーを設定しておけば、「いつ・どこで・何を勉強するか」が明らかになり、頭で考えなくても即座に行動に移せます。アクション・トリガーとは、やる気に関係なく勉強がはかどる方法なのです。

勉強がはかどる方法2

勉強がはかどる方法2:集中力を保つ方法3選

勉強がはかどる方法として、集中力を維持できるテクニックを3つご紹介します。

1. ポモドーロ・テクニック

集中力を維持するには、勉強時間を短く区切り、休憩をはさむのが効果的です。池谷氏が2017年に行なった「勉強時間による学習の定着・集中力に関する実証実験」を見てみましょう。

実験では、中学生を以下のグループに分け、勉強させました。

  • 15分間ずつ勉強し、合間に休憩する(計45分)
  • 休憩なしで、60分間勉強しつづける

「休憩なし60分間学習グループ」は、40分ほど経過した時点で集中力が急激に下降したそう。一方、「休憩入り45分間学習グループ」は、脳の「ガンマ波パワー」が休憩で回復したことにより、集中力が持続したとのこと。つまり、休まず勉強しつづけるよりも、休息を小まめにとったほうが、集中して勉強できるのです。

イタリア出身のコンサルタント、F・シリロ氏によって考案された「ポモドーロ・テクニック」では、「25分間の勉強+5分間の休憩」を1セットとし、4セットごとに30分間の休憩をとります。やり方は次の通り。

  1. 仕事や勉強で達成するべき課題を決める。
  2. タイマーを25分に設定し、作業を始める。その25分間は、ほかのことは一切せず、目の前の課題に集中する。
  3. 25分後にタイマーが鳴ったら、作業が途中でもストップし、タイマーを5分に設定して休憩をとる。休憩中は、ストレッチしたり目を閉じたりしてリラックスする。

※25分集中+5分休憩の1セットを「1ポモドーロ」と呼ぶ。4ポモドーロをこなしたら、15分~30分の長い休憩をとる。このサイクルを一日数回繰り返す。

2. ツァイガルニク効果

勉強の途中、あえてキリの悪いタイミングで中断して休憩に入ると、ツァイガルニク効果が生まれます。

ツァイガルニク効果とは、達成できたことよりも達成できなかったことが記憶に残りやすいという心理現象。ドイツのゲシュタルト心理学者であるK・レヴィン氏と、リトアニア出身の心理学者で当時は留学生だったB・ツァイガルニク氏により実証されました。レヴィン氏とツァイガルニク氏の実験では、被験者に連続して複数の作業を与えたうえで定期的に作業を妨げてみたところ、被験者の印象により強く残っていたのは、完成できた作業よりも完成できなかった作業だったそうです。

東京大学名誉教授で心理学者の市川伸一氏も、ツァイガルニク効果のメリットに言及しています。仕事を中断すると、心のなかに「備忘録」が残り、作業を再開するときに気が楽になるのだそうです。

ツァイガルニク効果を利用し、「あともう少しやってしまいたい……」と、心残りがあるくらいのタイミングで休憩に入れば、再開までやる気を維持することができるのですね。ポモドーロ・テクニックと組み合わせ、キリが悪くても25分で学習を中断し、休憩時間に好きな音楽を聴くなどしてリフレッシュすれば、さらに勉強がはかどるはずです。

3. フロー体験

集中力を維持し勉強をはかどらせるため、「フロー体験」を利用してみてはいかがでしょう? フロー体験とは、人間が最高に集中している状態のこと。米国の心理学者、M・チクセントミハイ氏によって提唱されました。

チクセントミハイ氏は、フロー体験の詳細を次のように語っています。

目標が明確で、迅速なフィードバックがあり、そしてスキル(技能)とチャレンジ(挑戦)のバランスが取れたぎりぎりのところで活動している時、われわれの意識は変わり始める。そこでは、集中が焦点を結び、散漫さは消滅し、時の経過と自我の感覚を失う。その代わり、われわれは行動をコントロールできているという感覚を得、世界に全面的に一体化していると感じる。

(引用元:ミハイ・チクセントミハイ著, 大森弘監訳(2010),『フロー体験入門―楽しみと創造の心理学』, 世界思想社. 太字による強調は編集部が施した)

新潟リハビリテーション大学特任教授で人の心理に詳しいメンタリストDaiGo氏の著書『自分を操る超集中力』(かんき出版、2016年)で紹介された、フロー体験に至る8つの条件のうち4つをピックアップしてまとめると、次の通りです。

  1. ちょうどいい難易度の課題に取り組む
    自分の能力を少しだけ超えるくらいの、全力でぶつかってなんとかクリアできるレベルの課題に取り組む。簡単すぎる・難しすぎるのはNG。
  2. 取り組んでいる対象へのコントロール感覚がある
    取り組んでいる課題を、誰かに左右されることなく、自分自身がコントロールできている感覚がある。
    (例)自分のリズムで本を読み進める。
  3. 直接的なフィードバックがある
    取り組んでいる対象から、「おもしろい」「うまくいった」など、何らかのフィードバックが即座に返ってくる。喜びや悔しさなどの感情がすぐに呼び起こされるような活動をしている。
    (例)読書中、「おもしろい」「続きが気になる」という気持ちが湧く。
  4. 集中を妨げる要素がシャットアウトされている
    何らかの理由で行動が中断される恐れがなく、集中できる環境である。
    (例)読書中に、スマートフォンが鳴ったりほかの人から話しかけられたりしない環境にいる。

フロー体験を誘発する上記のような仕組みは、身近なところに存在しています。『なぜ人はゲームにハマるのか 開発現場から得た「ゲーム性」の本質』(SBクリエイティブ、2014年)の著者で立命館大学映像学部教授の中村彰憲氏と同学部准教授の渡辺修司氏によると、人が夢中になりやすいゲームには、ストーリーの進展にともなって難易度が上がり、ユーザーのスキルが向上していくなど、フロー体験の条件と重なる要素があるのだそう。

筆者自身、J・K・ローリング氏による『ハリー・ポッター』シリーズを夢中で読み進めていた頃、何度かフロー体験に入っていたなと思い当たる節があります。登場人物が次々と困難な問題に直面しながらも成長し、ハードルを乗り越えていくストーリーでした。

「集中力が続かない……」とお困りなら、勉強がはかどる方法として、上記3つのテクニックを意識してみてください。

勉強がはかどる方法3

勉強がはかどる方法3:効果的な休憩方法3選

勉強がはかどる方法して、効果的な休憩のとり方も知っておきましょう。適度にリフレッシュできて勉強がはかどる休憩時間の過ごし方を3つ、ご紹介します。

1. 軽い運動をする

休憩時間、10分程度の軽い運動をしてみてはいかがでしょう? 適度な運動には、脳の活性化を促し、勉強のパフォーマンスを上げる効果があるのです。

筑波大学教授・征矢英昭氏らによる2018年の実験では、自転車こぎなどの軽運動を短時間行なっただけで、学習・記憶を司る脳の部位「海馬」を中心とした記憶システムが活性化したそうです。短い休憩時間でもできるオススメの運動は、次の通り。

けん玉

けん玉で遊ぶだけでも、軽い運動効果があります。お茶の水健康長寿クリニック院長で医学博士の白澤卓二氏によると、けん玉は、ゆっくり歩く程度の有酸素運動に相当するのだそう。

下半身の筋トレ

青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化指導者・中野ジェームズ修一氏によると、下半身の軽い筋トレを行なうだけでも、全身の血行がよくなるのだそう。中野氏による、習慣化しやすい筋トレ法を、一部ご紹介します。

  • 椅子から片足で立ち上がる
    椅子に座っている状態から、片足だけで立ち上がる。難しければ、机に手をついてもOK。
  • 空気椅子スクワット
    椅子に座る前の10秒間や、立ち上がる前の10秒間、スクワットの要領でお尻を浮かせた状態をキープ。呼吸を止めないのがコツ。
  • 階段を昇り降りする
    エレベーターやエスカレーターを使わず、階段を昇り降りする。トイレに立ったりやコーヒーを買いに行ったりするついでに、階段を使う。

身体を動かして血の巡りがよくなれば、疲れた頭がスッキリします。

2. 公園を散歩する

長めの休憩時間をとるのなら、近くの公園や大学のキャンパスに20分ほど滞在してみてはいかがでしょう。

アラバマ大学バーミンガム校・作業療法学科のH・K・ユエン氏とG・R・ギャビン氏は、20分ほどの「都市公園」滞在が「幸福感」を改善したという調査結果を2019年に公開しています。被験者が公園を訪れる直前、主観的幸福(SWB)を評価するアンケートに回答させ、加速度計によって公園での身体活動レベルを測定後、再びアンケートに回答させました。

実験の結果、公園訪問後のSWBや生活満足度スコアは、有意に改善したのだそう。20.5分の公園訪問で最も向上するのだそうです。

勉強に疲れたら、都市公園や空き地へ散歩に出かけ、20分ほど滞在してはいかがでしょう。外の空気に触れ、公園に集う人々や動物・樹木など、多様に変化する風景を眺めることができます。勉強で疲れた脳に新鮮な刺激を与え、活性化させれば、休憩後の勉強が一層はかどるのではないでしょうか。

3. 間食をとる

お菓子をつまんだり、お茶を飲んだりするのも、気分転換としては有効です。勉強の合間にリフレッシュできる間食のとり方をご紹介します。

女子栄養大学栄養クリニック教授の蒲池桂子氏によると、「空腹だから食べたいのか、ストレス解消が目的なのか」を意識するのが大切なのだそう。蒲池氏による、目的に合わせた食べ方のコツをまとめてみました。

【空腹を感じているとき】
おにぎり・イモ類・フルーツなど、砂糖が入っていない間食がオススメ。炭水化物は腹持ちがいいため、食べ過ぎを抑えてくれる。

【ストレスを解消したいとき】
砂糖には、脳内の幸福ホルモン「セロトニン」を一時的に増やしたり、血糖値を上げて気分を高揚させたりする作用がある。気分転換に甘いものを食べたくなったら、飲み物と一緒に少量をゆっくりと食べるのがオススメ。コーヒーやお茶の香りにも、気分を和らげる働きがある。

勉強がはかどる方法のひとつとして、間食のとり方を工夫してはいかがでしょう?

勉強がはかどる方法4

勉強がはかどる方法4:音楽を利用する方法3選

勉強がはかどる方法として、音楽を利用するのも有効です。筆者は、音楽を聴きながら作業に取り組むことが多いのですが、音楽の種類や使い方によって、勉強や仕事のはかどり方に違いが出るものだなと実感しています。

1. 勉強を始める前に好きな音楽を聴く

好きな音楽を聴くだけで、勉強へのモチベーションが上がります。身体を動かすのもおっくうなほどやる気が湧かず、困っているなら、勉強前に好きな音楽を聴いてみてはいかがでしょう?

V・N・サリムプール氏らカナダ・マギル大学の研究チームが2011年に公開した論文によれば、好きな音楽を聴いて気分が高揚しているときや、好きな音楽を聴こうと期待しているとき、脳内でドーパミンが分泌されるとのこと。好みでない音楽には、ドーパミン分泌の効果がなかったそうなので、「自分にとって」心地いい音楽を選ぶのがコツです。

池谷氏によると、「快楽を生み出す神経伝達物質」であるドーパミンが放出されると、やる気やモチベーションが湧き上がってくるのだとか。たしかに、鳥肌が立つようなメロディーを聴いてうっとりしてしまったら、また同じ感動を味わうため頑張ろうと思えますよね。

東海大学情報通信学部教授の辛島光彦氏と西口宏美氏は、作業前に好みの音楽を聴くことによる影響を研究しました。2012年に公開された両氏の論文によると、大学生の男女44名が、「自分のやる気が向上すると期待できる音楽」を15分間聴いたあとで知的単純作業に取り組んだところ、ポジティブな感情が高まり、パフォーマンスが向上したそうです。

池谷氏も、作業の前は、好みの音楽を聴いてモチベーションを高めているのだとか。気の乗らないときでも、好きな音楽を聴きたいという気持ちで机の前に座ることができ、気分よく作業に取りかかれるそうです。

皆さんも、勉強前に自分の好きな音楽を聴いて、気分を高めてはいかがでしょう?

2. 勉強中に自然音やアンビエントを流す

音楽を聴きながら勉強している人は多いと思いますが、好きな音楽を聴きながらでは作業効率が落ちると池谷氏が語っているように、ついつい聴き入ってしまうような音楽は逆効果になりかねません。勉強中には、どんな音をBGMに選べばよいのでしょうか。

池谷氏によれば、50デジベル程度の雑音は学習効果を高めるため、自然音をBGMとして流すのがいいのだそう。たとえば、以下のような音です。

  • 雨音
  • 波音
  • 川のせせらぎ
  • 葉ずれの音
  • 鳥や虫の声

また、マーケティングなどを教えるイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校准教授のR・メータ氏によると、しんと静まり返った状態よりも、70デジベル前後の環境音(普通サイズの車1台が通過する音に相当)が聞こえてくる状況のほうが、創造的パフォーマンスが高まりやすいのだそう。メータ氏は、適度な騒音があるカフェのような環境を勧めています。

自然音以外なら、アンビエントミュージック(環境音楽)を試してみても。空気のように漂う、シンプルで静かなメロディーが繰り返されるタイプの音楽で、集中効果とリラックス効果を兼ね備えています。現代アートを扱う美術館やスタイリッシュなカフェなどで耳にすることがも多いかもしれません。

「世界一リラックスできる曲」として有名なアンビエントの曲に、「Weightless(無重力)」があります。60BPMから始まり約5分かけて徐々に50BPM程度まで落ちるリズム、繰り返しのないメロディなどの特徴を持つ「Weightless」は、音楽療法協会の創立者、L・クーパー氏と英国のアンビエントバンド「マルコーニ・ユニオン」とのコラボレーションで生み出されました。


Marconi Union - Weightless (Official Video)

「Weightless」のリラックス効果は、2011年の研究で裏づけられています。実験では、時間制限付きのパズルでストレスレベルが上がった状態の女性40人に、「Weightless」のほか、エンヤやモーツァルトなど、一般的にリラックスできるとされている曲を聴かせ、心拍・血圧・呼吸などを測定しました。「Weightless」の場合、緊張度が65%低下、心拍数が35%低下するなど、最もリラックス効果が高かったそうです。

「勉強に集中できない!」とイライラしてきたら、自然音やアンビエント音楽を流してみてはいかがでしょう?

3. 休憩中にヘヴィメタルを聴く

休憩中に勉強のストレスを発散するなら、ヘヴィメタル(以下、メタル)を聴いてみてはいかがでしょう? メタルとは、ロックミュージックのひとつ。極度にゆがめられたエレキギターの金属音、ボーカルの絶叫などが特徴です。

東日本国際大学特任教授の脳科学者・医学博士で、メタルファンでもある中野信子氏は、英ウォーリック大学の研究チームによる、メタルとストレスの関係を扱った研究を紹介しています。成績優秀な学生を調査したところ、メタル音楽には、ストレス発散や欲求不満の解消に役立つ効果が認められたのだそうです。

中野氏は、メタルを聴くことで一時的にストレス耐性が上がる根拠を、次のように分析しています。

おそらく自分と同じように社会から疎外されている人がいるというメッセージを音楽から得たり、メタルの歌詞や破壊的な音が自分にストレスを与える社会を壊してくれるのではないかという期待感を抱いたりして、一時的にストレスが軽減される効果があるのでは?

(引用元:中野信子(2019),『メタル脳―天才は残酷な音楽を好む』, KADOKAWA.)

「メタルには抵抗があるけれど、クラシック音楽は好き」という人なら、クラシック音楽の要素を取り入れたメタル系音楽を聴いてみては?

イングヴェイ・マルムスティーン

スウェーデン出身のギタリストで、速弾きの名手。「ネオクラシカルメタル」という、J・S・バッハなどクラシック音楽の要素を積極的に取り入れたジャンルを開拓したことでも有名です。2011年には新日本フィルハーモニー交響楽団と共演しており、コンサートの模様が、イングヴェイ氏の公式YouTubeチャンネルで公開されています。


Yngwie Malmsteen -Live with Japanese Philharmonic Orchestra

アポカリプティカ

チェリスト3人とドラマーを主体とする、フィンランドの弦楽重奏グループ。多様な民族や自然を有する「フィンランドのDNA」から作曲された交響曲が、スタイリッシュな映像とともに、YouTubeのオフィシャルチャンネルで公開されています。


Apocalyptica - 'The Symphony Of Extremes' (Official Video)

人目を気にしなくていい環境なら、音楽に合わせて身体を揺らしてみてください。ちょっとした運動にもなって、ストレス発散効果抜群ですよ。

不安や焦りにとらわれたら、勉強の手を休め、自分好みのメタルにしばし聴き入ってみてください。意識を前向きに切り替えられるので、勉強がはかどる方法としてオススメです。

勉強がはかどる方法5

勉強がはかどる環境音アプリ&Webサイト

勉強がはかどる方法として、環境音を流すことをおすすめしました。環境音を流せるアプリケーションおよびWebサイトをご紹介します。

  • Rainy Mood:雨音と、かすかな雷鳴。(iOSAndroidWeb
  • Coffitivity:さまざまな種類のカフェ。(Web
  • RAINY CAFE:雨音とカフェの環境音の組み合わせ。(Web

ほかにもいろいろなアプリケーションやWebサイトがあるので、試してみてはいかがでしょう? 筆者の場合、「少し激しめの雨音+かすかな雷鳴」がいちばん作業に集中でき、休憩時には「雨音+ジャズ」だとリラックスできるなと感じています。

音楽の向き不向きは個人差が大きいかと思いますので、環境音を自分流にコーディネートして、勉強がはかどる方法として役立ててくださいね。

***
やる気がなくても勉強をスタートできる環境を整え、集中する時間を細かく区切り、休憩時間には適度に身体を動かすことで、勉強がはかどるようになりますよ。ご紹介した運動・間食・音楽のコツなども取り入れながら、皆さんも自分にぴったりの勉強がはかどる方法を探してみてはいかがでしょう?

(参考)
池谷裕二(2018),『脳には妙なクセがある』, 新潮社.
池谷裕二(2010),『脳はなにかと言い訳する』, 新潮社.
中野信子(2019), 『メタル脳―天才は残酷な音楽を好む』, KADOKAWA.
フランチェスコ・シリロ著, 斉藤裕一訳(2019),『どんな仕事も「25分+5分」で結果が出るポモドーロ・テクニック入門』, CCCメディアハウス.
ミハイ・チクセントミハイ著, 大森弘監訳(2010),『フロー体験入門―楽しみと創造の心理学』, 世界思想社.
メンタリストDaiGo(2016),『自分を操る超集中力』, かんき出版.
辛島光彦・西口宏美(2012), 「単純繰り返し作業における作業前音楽聴取の有効性に関する研究―転記作業と心的回転作業を例に」, 日本経営工学会論文誌 63(2), pp. 29-40.
「特集 仕事・勉強に効く『集中力』&記憶術・速読術」, 週刊ダイヤモンド, 2017年1月14日号, pp. 26-63.
Gollwitzer, P. M. and V. Brandstatter (1997), "Implementation Intentions and Effective Goal Pursuit", Journal of Personality and Social Psychology, Vol. 73, No. 1, pp. 186-189.
Yuen, H.K. and G.R.Jenkins (2019), "Factors associated with changes in subjective well-being immediately after urban park visit", International Journal of Environmental Health Research.
Salimpoor, V. N., M. Benovoy, K. Larcher, A. Dagher, and R. J. Zatorre (2011), "Anatomically distinct dopamine release during anticipation and experience of peak emotion to music", Nature Neuroscience, Vol. 14, No. 2, pp. 257-262.
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【ライタープロフィール】
上川万葉
法学部を卒業後、大学院にて欧州諸国の歴史について研究。大学院修了後は、国立大学及び官公庁図書館の司書業務に従事。ドイツやチェコを旅したことから、レトロでちょっと不思議な童話や人形劇の世界を知り、今も魅了され続けている。

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