「絶対押したらアカンで!」これは場合によって「押してください。」という風になるのですが、どうやら人間には禁止されたものに強い興味を持ってしまうという少し厄介な性質があるようです。ですがこれをうまく利用すれば、逆にモチベーションを高めて、勉強にもしっかり取り組めるかもしれません。
「禁じられた遊び」って?
「禁じられた遊び」という以下のような心理実験があります。
母親がまず五種類のオモチャで子供(3~5才)を自由に遊ばせて、その後好きな順位をつけさせる。次に母親は子供が二番目にあげたオモチャで遊ぶことを強く禁じ、触らないようにといいついてけおく。こうしておいて、母親は子供を残し10分間部屋を出る。子供は一応母親との約束を守るが、内心では使ってはいけないと言われたオモチャが気になってくる。 10分後、部屋に戻った母親は禁止の命令を解除して、しばらく自由に遊ばせる。その後、もう一度子供に好きな順に順位をつけさせると、この時子供が一位に選んだのはあの「禁じられたおもちゃ(10分前は二位)」だったのだ。同様の実験を別の10名の子供に行っても結果は同じであった。
これを見ればわかる通り、人間は禁じられるとそれに強い興味を持ってしまいます。禁止されるということは、それがいけないことというよりは、もしかして重要なことなんじゃないかと思ってしまうわけです。
テスト前に「今は掃除している場合じゃない」と思えば思うほど、部屋の隅のちょっとしたホコリなんかが気になり、掃除することで頭がいっぱいになってしまう現象にも似ていますよね。これは厄介な性質ですが、うまく利用すれば逆にやる気を高めることもできるのです。
「禁じられた遊び」を利用する3の方法
① 「勉強」を禁止する 明日はテスト、まだ半分しか範囲が終わってない、やらなくちゃ、でもなんだかやる気が出ない……そんな時は勉強することを禁じてしまいましょう。今から10分間は勉強してはいけない、そういう風に禁止することで、逆に10分後からは見違えるように勉強に身が入るはずです。
ですが、その時1つ注意したいことがあります。それは、「その10分の間に、『何もしない』以外のことをしない」こと。漫画を読む、Twitterをする等ほかのことに目を向けてしまうと、勉強にうまく注意がむけられません。何もしていないうちに勉強への焦りや注意を高めるのが目的です。
② 「特定の科目」を禁止する いやいや苦手科目をやってはいませんか?なんとなく逃げで得意な科目ばかりをやってしまってはいませんか?そんなときはいっそ苦手科目をやることを禁じましょう。徹底的にやるのがコツです。その科目にまつわるものはすべて一か所に固めて部屋の隅に追いやり、部屋中に「○○(苦手な科目名)禁止!」と張り紙をします。
次第にあなたはその科目のことが気になってしょうがなくなるはずです。そこではじめてその科目に手を付けましょう。きっと以前よりも前向きな気持ちでその科目にとりくめるはずです。
③ 「覚えたい単語」を禁止する これは通っていた塾の先生におすすめされた方法なのですが、どうしても覚えられない単語ってありませんか?例えば「織田信長」という単語が覚えられないとします。そうしたら、あなたは「織田信長」という単語を使ってはいけないというルールを設けます。仮に友人に「戦国の三武将ってだーれだ」という問題を出されたとしましょう。そうしたらあなたの答えはこうです。「豊臣秀吉、徳川家康、そして明智光秀に本能寺の変で殺された人!」こう答えることで、覚えられない単語についての周辺知識が深まるとともに、逆にその単語を強く意識することになるので、脳にその単語がすりこまれ、覚えられるようになります。
禁じられたことこそ気になるっていう人間の性質、面白いですよね。でも、そんな性質を逆手にとってやる気を出して頑張れたらもっと面白いと思いませんか?
(参考) 「心理実験室」

