これまでのやり方が通用しない時代——「変われる自分」を手に入れる3つの方法

日差しの入る窓際で本を開き、ペンを手に勉強するセーター姿の女性。机にはノートと積まれた本がある。

数字は悪くない。むしろ前職の "勝ちパターン" を丁寧に再現している。

それでも、ミーティングの終わり際、上司のひと言が胸に刺さる。

「これまでのやり方は通用しない」

その違和感、もしかしたら不運の兆しではなく、時代の変化に反応した "成長のサイン" かもしれません。

「前の会社では評価が高かったのに、転職先では手応えが薄い」

そう感じたときこそ必要なのは、過去の成功を守ることではなく、考え方そのものを更新することです。

今日から始める!「変われる人」になる3つの習慣

「変われる人」になるために、特別な才能は必要ありません。日々の小さな習慣が、あなたを「変わり続けられる人」へと導きます。

今日から実践できる3つのアップデート習慣

① ジャンルを越境した読書
専門外の本から新しい視点を取り入れる

② 情報収集の自動化
「探す時間」を減らし、「届く仕組み」を作る

③ 月1回の問いの見直し
定期的に目標と方向性をアップデートする

では、それぞれ詳しく見ていきましょう。

習慣① 「ジャンルを越境した読書」で視点を増やす

自分の "専門外" にある本をあえて手に取り、そこで得た考え方や表現を仕事に役立てます。狙いはシンプルで、異なる考えに触れて、発想の幅を広げることです。

今週試してほしいこと

・歴史・建築・料理・詩・絵本・マンガなど、普段読まないジャンルの本を1冊選ぶ

・読みながら「これ、仕事に使えそう」と思った部分をメモする

・次の会議やプレゼンで、その視点を1つ取り入れてみる

習慣② 情報収集を「自動化」する

「ニュースを探す」のではなく「ニュースが届く仕組み」を作りましょう。

今すぐできる設定

・Googleアラートに業界キーワードを3つ登録(毎朝メール配信)

・信頼できるニュースレターを2つ購読(専門家の選別に任せる)

・「見る場所」を固定化:日経電子版の見出し5本だけ、など

習慣③ 月1回の「問いの見直し」タイム

変化が速い時代だからこそ、定期的に立ち止まり、自分の立ち位置と進むべき方向を問い直しましょう。

月末に自分に問いかける3つの質問

・この1ヶ月で、新しく身についたスキルや知識はなにか?

・半年後、どんな自分になっていたいか?(柔軟に再設定してOK)

・変化に対して、自分にはなにが足りていないか?

3つの習慣を続けると感じやすい変化

・新しいアイデアが浮かびやすくなった
・変化への不安が減った
・「次になにを学ぼう」とワクワクするようになった

青空の下、白い折り紙の鳥の群れから一羽のオレンジの鳥が上昇して離れる。

さらに効果を高める「失敗との付き合い方」

3つの習慣と合わせて実践してほしいのが、「失敗を次に活かす」思考法です。

失敗を成長に変える3ステップ

1. なぜ失敗したのかを振り返り、言語化する

2. 自分の思考パターンやクセを明らかにする

3. 次にどう動けばよいか、改善策を実行する

変われる人は、失敗を「成長のための貴重なデータ」として活用しています。重要なことは、その失敗を次の経験に活かすことです。

なぜ「越境読書」と「問いの見直し」で脳が変わるのか?

黒板左の消えかけた直線矢印に対し、右側の手で黄色チョークを使って軌道を変えるような太い上向き矢印を描く。方向転換や成長のイメージ。

実は、これらの習慣には確かな科学的根拠があります。いま求められているのは「変化耐性」です。

 
 

変化耐性とは

前提が変わるたびに方法や役割、スキルを見直して柔軟にアップデートを続ける力のことです。

評価軸が変わるなかで、価値を生むのは "変わり続けられること" 。いま、注目されているスキルは、「専門性」や「経験値」だけでなく、変化を前提とした「自分を柔軟に変えられる能力」なのです。

「変われる人」= 前提が変わるたびに学び直し、仕事のやり方・役割・道具を自分で素早く更新できる人

そしていま、企業も「変化耐性」を重視しています。採用・評価では、成果の大きさだけでなく、学習の速さと前提の更新力が見られています。

越境読書が「認知柔軟性」を高める仕組み

神経科学の研究によると、自分の考えとは異なる視点に出会うことで、脳の前頭前皮質が活性化し、認知柔軟性が高まることが示されています。*1

つまり、「ジャンルを超えた読書」は「考えのしなやかさ」を育むトレーニングそのものなのです。

また、看護師を対象とした研究では、「リフレクティブ・プラクティス(内省的実践)」を日常業務に取り入れたグループが、意思決定力や問題解決力の向上を明確に示したと報告されています。*2

つまり、現場での気づきを「内省→記録→次に活かす」というプロセスを通じて、実践知として深めることが、スキルの精度を高める最短ルートであることを示しています。

急速な変化を前提とした時代では、過去の成功体験がむしろ足かせになることがあります。「以前はこれで成功した」「このやり方が一番効率的だ」といった思い込みが、新しい可能性を閉ざしてしまうのです。

断崖を跳び越える人物シルエットと「CHANGE」の文字。

"変われる力" こそ必須スキルの時代

"変われる力" は、いま最も重要なスキルのひとつです。特にAIによって前提が急激に変化する時代では、かつての "勝ちパターン" は一気に陳腐化する可能性があります。必要なことは、「仮説で動く→失敗から学ぶ→問いを見直す」という行動サイクルを、日常の習慣として回し続ける仕組みです。

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今日の小さな問いとアクションが、将来の大きな差につながります。「変われる力」は才能ではなく、日々の積み重ねです。本記事を参考に、今日からできることを実践してみてください。

【ライタープロフィール】
橋本麻理香

大学では経営学を専攻。13年間の演劇経験から非言語コミュニケーションの知見があり、仕事での信頼関係の構築に役立てている。思考法や勉強法への関心が高く、最近はシステム思考を取り入れ、多角的な視点で仕事や勉強における課題を根本から解決している。

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