コミュニケーション力=数学力。「数学コトバ」でロジカルな思考回路を手に入れろ!

論理的思考を身につけようと努力はしているが、なかなか身につかず、説明下手も改善しないという方。もっとシンプルで、効果的な方法を取り入れてみてはいかがでしょう。深沢真太郎氏の「数学コトバ」を参考に、数学的な言葉で思考回路を変えていくコツを紹介します。

数学的な会話とは?

数学的な会話といっても、数字や数式を用いて会話するわけではありません。要するに、グレーではなく、白黒ハッキリした会話のことです。

コミュニケーション力は「数学力」と関係があると、数学者の芳沢光雄氏は指摘しています。なぜならば、数学的な会話には曖昧さがないため、物事を正確にとらえ、伝えることができるから。受け取る側の誤解も少なくなるというわけです。そのために同氏は、コミュニケーション不全の解決策として、数学的な視点で行う会話術を提案しています。

また、ビジネス数学の専門家で人材教育コンサルタントの深沢真太郎氏は、物事を考える際に論理的な言葉を活用すると、頭の中で整理し要約することができると伝えています。それを簡単に行う方法が「数学コトバ」なのです。

「数学コトバ」を使うことで、物事の構造を把握する能力が高まって、論証力が身につき、分かりやすく簡潔な説明ができるようになるとのこと。

「数学コトバ」とは?

「数学コトバ」は深沢氏がつくった造語です。かつて数学を学んだ際に、よく使った用語なのだそう。「数学コトバ」を使うと、分かりやすくしようとしなくても、説得力のある話し方が可能になるのだとか。深沢氏はこういいます。

意識的に数学コトバを使っていくことで、自然に「論理的に考える」ができるようになっていくものです。いきなり「考え方」を変えようなどと思わず、まずは「使う言葉」を変えてみてください。

(引用元:深沢真太郎著(2018),『入社1年目からの数字の使い方』,日本実業出版社.)

主な「数学コトバ」

「数学コトバ」は、意外にも普段からよく使う接続詞などがほとんど。以下は、深沢氏が著書やメディアで紹介している「数学コトバ」のほかに、筆者が日ごろ使いやすいと考えている言葉を加えたものです。

変換→「言い換えると」「裏を返せば」「もしくは」 対立→「しかし」「一方で」「でも」「とはいえ」 条件→「かつ」「または」「少なくとも」 追加→「しかも」「さらに」「また」「そして」「そのうえ」 補足→「なお」「もっとも」「ちなみに」「ただ」「ただし」 仮定→「仮に」「もしも」 整理→「いったん整理すると」 因果→「だから」「ゆえに」「したがって」「すなわち」 比喩→「たとえば」 理由→「なぜなら」 要約→「つまり」「要するに」「まとめると」 結論→「以上より」

「数学コトバ」の使い方

「数学コトバ」は、前後にある2つの短文の関係を整理し、表現する機能を持っています。「短文→数学コトバ→短文」が原則なのだそう。使い方は次のとおり。

・時間は要しますが完成度は上がります。【言い換えれば、】時間をかけるからこそ完璧に近づきます。 ・部長にはA案で進めるよういわれていますが、【一方で、】取引先の担当者はB案を押しています。 ・このサービスを使えばムダが減ります。【つまり、】コスト削減につながるということです。 ・納期は1週間後に迫っています。【そのうえ、】人員が不足しています。 ・このアイデアを形にするのは難しいでしょう。【なぜなら、】このデータはかなり古いからです。 ・A社は納期に不安があり、B社は品質が心配です。【要するに、】2社とも選択しづらい状況です。

なお、文章として説得力があるならば、「数学コトバ」の存在は意識しつつ、発声あるいは記述しなくても構いません。

「数学コトバ」を実際に使ってみる

では、複雑な状況下で、直属の上司に何かを伝えようとする場合を例にとり、「数学コトバ」を取り入れてみましょう。

<頭の中で整理されていない状態>

今日は、上司がアポイントをとってくれたクライアントのところに行かなければならない。それほど急ぎではないが、今日午後5時に行くと決まってしまった。本当は、もっと急ぎの仕事がある。明日の定例会で報告する内容に関して、先ほど変更された部分を修正して、整理しなければならない。定例会は変更できない。でも、これは社内のことだから、社外のアポイントを優先すべきなのかも。アポイント変更はダメかもしれない。ダメだったらクライアントのところに行ってから、戻って作業するしかない。でも、残業になる。残業は奨励されない。どうしよう。

これを、「数学コトバ」によって整理し要約すると、次のようになります。

<数学コトバを使い上司に伝える>

(1分ほどお時間いただいてもよろしいですか?)本日午後5時に、先日アポイントをとっていただいたA社に行く予定です。【ただし、】この案件についてはまだ時間があります。【一方で、】明日の定例会用に準備した書類に、変更箇所が生じました。【ちなみに、】こちらは急ぎです。【仮に、】アポイント後に戻り作業すると、残業が発生してしまいます。【したがって、】アポイントを明後日にずらし、今日は書類の整理を優先してもよろしいでしょうか?

といった具合です。先述したように文章の流れがよく説得力があれば、「数学コトバ」の部分は「間をとる」のみにしてもOKです。

*** ぜひ、接続詞などをうまく取り入れて、数学的な会話を心がけてみてください。思考回路がどんどん変化し、いつの間にか論理的な説明が上手になっていくはずです。文章を書く際にも役立ちますよ!

(参考) 深沢真太郎著(2018),『入社1年目からの数字の使い方』,日本実業出版社. 芳沢光雄著(2008),『伝わる! 数学的会話術のすすめ――誤解を招かない聞き方、す伝え方』,講談社. ブルーバックス 講談社|「数学コトバ」を使えば、アタマがどんどん勝手に論理的に考え出す!(深沢 真太郎)

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