ビジネスでは、データ・情報を適切に活用することが重要です。ビジネスパーソンとして、データを効果的に分析し、業務で活用できるようになりたいものですよね。
この記事では、「定量的」と「定性的」というふたつの概念について、意味や違いを解説します。「定量的な分析」と「定性的な分析」の特徴・活用法を知り、あなたの分析スキルを向上させましょう。
「定量的」とは
まずは「定量的」の意味を辞書で見てみましょう。小学館の「デジタル大辞泉」にはこうあります。
数値・数量で表せるさま。
(引用元:コトバンク|定量的)
売上のデータやアンケート調査の結果のように、数字で表せるものが「定量的」なのです。
そのため、「定量的な分析」では、数値データを収集して分析します。「1月の新規顧客は30人、2月は32人」のように明確な数字を使うため、事実を客観的に把握でき、誤解が起きにくいのが特徴です。
- 客観性が強い
- 比較・評価をしやすい
- グラフやチャートで表現しやすい
- 売上分析:売上データから、商品別・期間別・地域別などの売上傾向を特定
- 顧客分析:顧客属性や購買履歴から、セグメントやリピート率を把握
- 労働生産性分析:労働時間や作業量から、生産性の高い従業員や部門を特定
- 市場調査:アンケートなどで収集したデータから、市場規模や消費者嗜好を分析
「定性的」とは
次に「定性的」の意味を辞書で見てみましょう。同じく「デジタル大辞泉」です。
数値・数量で表せないさま。
(引用元:コトバンク|定性的)
「定量的」と正反対ですね。思考や感情、出来事のように、数字では表わせないものが「定性的」です。
「定性的な分析」の結果は、数字を使わないため主観性が強い表現になります。しかし、数字では表せない物事も多いため、定量的な分析と同様に重要です。
- 主観性が強い
- 数値には現れない要素を把握できる
- 個々の事例への理解が深まる
- インタビュー:顧客や従業員と話し、ニーズや悩み、価値観を理解
- フォーカスグループ:特定のテーマについてグループに議論させ、意見や反応を収集
- 行動観察:現場の様子を観察し、ターゲットの行動パターンや問題点を把握
- ケーススタディ:実際の出来事を詳しく調査し、成功・失敗の原因を分析
定量的分析と定性的分析の使い分け
上述のように、定量的分析と定性的分析には、それぞれ違った特徴があります。状況や目的に応じて使い分けましょう。
- 定量的分析:客観的なデータがそろっているときや、傾向や関係を見つけたいとき
- 定性的分析:数字ではわからない物事を把握したいときや、個々の事例・状況を深く理解したいとき
両方の分析を適切に使い分けることで、包括的な分析ができ、仕事の質を向上させられます。たとえば……
- 市場調査:定量的分析で市場規模や消費者嗜好を把握。定性的分析で消費者の困り事や動機を把握
- 顧客満足度向上:定量的分析で顧客の購買履歴やリピート率を把握。定性的分析で顧客のフィードバックや要望を収集
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定量的分析と定性的分析には、それぞれ異なる特徴があるため、状況や目的に応じて使い分ける必要があります。データや情報を効果的に収集・活用し、業務を成功に導きましょう。
【ライタープロフィール】
STUDY HACKER 編集部
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