「勉強中に気が散ってしまい、なかなか進まない……」 「意気込んで勉強を始めても、すぐに疲れてしまう……」 こんな悩みを持っている方はいませんか。勉強に集中できないと、時間を無駄にしたように感じて落ち込んでしまいますよね。
集中力さえあれば、もっと勉強がスムーズに進み、キャリアアップにもつながるはず。集中したぶん余った時間をほかの活動に充てれば、プライベートだって充実します。
集中力が続かないのは、じつは意外にも “勉強中以外” の過ごし方に原因があるかもしれません。集中力は、勉強法を変えずとも鍛えられます。今回は、あなたの集中力を増強させる脳科学的メソッドをご紹介いたします。
なぜ勉強に集中できないのか?
勉強に集中できない原因を考えるうえで重要になってくるのは『ウィルパワー』という考え方です。
ウィルパワーとは、一言で言うと “思考や感情をコントロールする力” のこと。メンタリストDaiGo氏によれば、このウィルパワーが不足すると、私たちは集中できなくなってしまうのだそうです。
ウィルパワーは、「何かに集中する」はもちろん「物事を選択する」など頭を使うと消費されていきます。そして一度消費されると、回復するのにしばらく時間がかかるのだそう。つまり「勉強に集中したい」と思っていたとしても、ほかの行動でウィルパワーを消費してしまえば、それだけ勉強に集中しづらくなるのです。
このウィルパワー、勉強に集中するためにはぜひとも温存しておきたいもの。では、どのようにすればよいのでしょうか。
即決できるルールを作る
一見なんでもない行動に見えるものでも、ウィルパワーは意外と消費されています。そこで、勉強以外のことに使うウィルパワーを節約する方法として提案したいのが「決断の機会を減らす」ということです。悩まずとも物事を決められるように、即決できるルールをあらかじめ作っておきましょう。
例えばメンタリストDaiGo氏は、以下のように「曜日ごとに着る服をあらかじめ決めてしまう」ことを提唱しています。
クローゼットに7本のハンガーを用意し、月曜日から日曜日までの着る服を上から下まで全部用意してしまう。着替えの際にハンガーを取り出せば、すべての選択が一度に終了するという仕組みです。
(引用元:メンタリストDaiGo (2016),『自分を操る超集中力』, かんき出版.)
思えば、Apple創業者のスティーブ・ジョブズ氏も、公の場に出るときには黒のタートルニットにジーンズという服装を貫いていました。またオバマ前大統領も、スーツはブルーとグレーのものしか持っていなかったのだそう。ビジネス・政治と分野は違えど、たいして重要ではない決断の機会を可能な限り減らすことで、本当に重要な物事にウィルパワーを注げるようにしていたのでしょうね。
決断の機会を減らすという方法。当然「服を選ぶ」以外にも使えるはずです。
応用方法
例えば、普段の通勤電車で英語とマーケティングの勉強をしている方であれば、毎日「どちらを勉強しようか」と無意識のうちに悩んでいるはずです。そこで「朝の電車は英語」「夜の電車はマーケティング」と決めてしまうのはどうでしょうか。あるいは、今日勉強する科目をその日に決めている方であれば、曜日ごとにあらかじめ科目を固定してしまうのも手ですね。
勉強する段階になって「どちらを勉強しようか」「何を勉強しようか」と悩んでいては、無意識のうちにウィルパワーを消費してしまっています。事前に計画を立てておけば、ウィルパワーを節約できますよ。
ほかにも、毎日ランチのお店に悩んでしまう方であれば「曜日ごとに決めてしまう」、その日最初に着手する仕事に悩んでしまう方であれば「メールチェックなどの定常業務から始めると決める」など、いくらでも応用が効きそうですね。
日常生活で「今、選んでいるな」と思ったら、スマートフォンに “選んだ瞬間リスト” を作成しメモしておくのもよいでしょう。それを1日の終わりに見て「この中で、あらかじめ決めておけるものはないか」と日々考えていけば、ウィルパワーを無駄に消費してしまう行動を少しずつ減らしていくことができますよ。
*** 悩むぐらいならば、初めから決めておく。この積み重ねでウィルパワーを節約し、勉強に集中できるようになりましょう。
(参考) メンタリストDaiGo (2016),『自分を操る超集中力』, かんき出版. メンタリストDaiGo (2015),『ポジティブ・チェンジ』, 日本文芸社. 泉正人 (2008),『最少の時間と労力で最大の成果を出す 「仕組み」仕事術』, ディスカヴァー・トゥエンティワン. logmi|なぜ成功者は毎日同じ服を着るのか? スティーブ・ジョブズら、世界の偉人が実践した「3つの習慣」