同じ作業をしているのにさっさと仕事を終わらせてしまうような優秀な人はいませんか?
一生懸命に取り組んでいるつもりでも、いつも残業になってしまったり、思うように仕事を進められないこともあるでしょう。しかし、ちょっとした心掛けで仕事が早くなるコツがあるのです。
仕事を早く終わらせるために必要なのは能力だけではありません。仕事が遅くなる原因は人それぞれなので、自分に合った打開策を見つけましょう。
座りっぱなしで考えない
同じことでずっと悩んでいたり、方向性をなかなか決められず仕事が進まなくなることはありませんか?
そういうときは、立って考えてみてください。行動心理学の実験において、立って物事を考える人は、机に座って考えている人よりも短い時間で、意思決定を行うことができるということが示されています。
ミズーリ大学のプルードン博士は、立ったままの人と座ったままの人が決断までにかかる時間を測定し、立ったまま考えた人の方が座って考えた人より33%も早く決断することを明らかにしました。
また、南カルフォルニア大学のバーカイン教授も同様の実験を行っており、立ったままの被験者は、座ったままの被験者と比べて5~20%も意思決定が速くなる、という結果を得ています。
これらは、立ち上がることで体の血行が良くなり、大脳が活性化するからだと考えられているのです。じっと座っているとじっくり考えこんでしまう傾向が強くなってしまいます。
立ったままの人は決断力があるだけでなく、思いついたことをすぐに行動に移す傾向があるため、結果的に仕事を早く終わらせることができるのでしょう。
決断力や行動力が求められる仕事は、立ってやってみることで仕事を早く終わらすことに繋がります。
完璧を求めない
完璧を求めるあまり、細部に時間をかけ過ぎて結果的に締め切りギリギリになってしまうことありませんか?
そういうときは、最初から完成形を作ろうと思わず、まずは形にするという意識を持ちましょう。“完璧”というと一見良いように思いますが、どうしても仕事が遅くなってしまいます。
“Done is better than perfect”
(引用元:YAHOO! FINANCE|Mark Zuckerberg’s IPO Letter: Why Facebook Exists)
日本語訳すると「完璧を目指すよりまず終わらせろ」。ハーバード大学在学中にFacebookを立ち上げた、マーク・ザッカーバーグの名言として有名な言葉です。
完璧を目指しているとキリがありません。とりあえず一度終わらせて全体を確認し、あとで細部を修正することで時間を短縮することができます。
また、仕事を早く終わらせるためには、力を抜けるところでしっかり抜くことも大切です。いつも全力で頑張っていると疲れてしまい、効率が悪くなってしまいます。頑張りどころをきちんと見極めることで、メリハリをつけることができますよ。
“完璧主義”ではなく、少ない時間で大きな成果をあげられる“最善主義”を目指しましょう。
期限を決めて取り組む
なんとなく仕事をやってしまいがちで思ったように仕事が進まない、ということはありませんか?
そういうときは、自分でこまめに期限を設けるようにしましょう。特に期限が定まっていなかったり、期限が遠かったりするとだらだらやってしまいがち。“なるべく早く”というのもあまり良くはありませんが、具体的に、かつ自分ができる範囲の期限を設定することで、守らなきゃいけないという意識が芽生えます。
自分を追い込み、集中力を高めて仕事の効率化を図りましょう。
また、こまめな期限の設定は全体像を把握することが不可欠です。いつまでに何を仕上げればいいかを考えることで、やるべきことが明確に見えてきます。当然のことのように思いますが、なんとなくやっていると全体が見えていないこともあるはず。
最初に、細かな計画を立てて全体を把握しておくことは重要ですよ。
*** 「拙速は巧遅に勝る」ということわざがあるように、仕事では早さが求められることが多く、“仕事が早い人=できる人”と捉えられることは多いのです。また、期限ギリギリで修正期間がほとんどないよりも、余裕を持った方がブラッシュアップされて完成度も上がります。
紹介した3つのことに意識して、速さに重点を置いて仕事に取り組んでみてください。
(参考) 植木理恵(2012), 『植木理恵のすぐに使える行動心理学』, 宝島社 古川武士(2014), 『力の抜きどころ 劇的に成果が上がる、2割に集中する習慣』, ディスカヴァー・トゥエンティワン YAHOO! FINANCE|Mark Zuckerberg’s IPO Letter: Why Facebook Exists