
「この本、役に立つかな……」
そう思いながら、ビジネス書コーナーで立ち止まった経験はありませんか?
チームのパフォーマンスが上がらない、仕事が残業続きで終わらない、ミーティングでの説明がうまくいかない……。仕事の悩みを解決したいのに、どの本を読めばいいのかわからず、結局いつも同じような本を手に取ってしまう。
「いまの自分に本当に必要な本」を見つけるのは、意外と難しいものです。
そこで今回は、ビジネスパーソンの代表的な悩み別に、確実に成長できる1冊をご紹介します。思考力、時間管理、リーダーシップ、コミュニケーション、パフォーマンス管理——。きっとあなたの課題を解決するヒントが見つかるはずです。
- 「思考をシャープにして生産性を上げたい」あなたへ
- 「時間・タスク管理をうまくやって定時で仕事が終われるようにしたい」あなたへ
- 「リーダーシップ・マネジメント力を磨きたい」あなたへ
- 「言語力・コミュニケーション力を上げて円滑に仕事をすすめたい」あなたへ
- 「休息をしっかりとって毎日前向きに仕事に取り組みたい」あなたへ
「思考をシャープにして生産性を上げたい」あなたへ
『イシューからはじめよー知的生産の「シンプルな本質」』*1は生産性を高めるために、最も重要な問題(イシュー)に集中する方法を教えてくれる一冊。著者の安宅和人氏は脳科学・マッキンゼー・ヤフーのトリプルキャリア。同氏いわくイシューとは、「2つ以上の集団の間で決着のついていない問題」であり「根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題」。
問題解決の前に本質的な課題を見極めることで、無駄を省き、効果的に成果を上げることができる実践的なアプローチが解説されています。
たとえば、「業務の生産性を上げるために何をすべきか」という漠然とした問いを、まず「業務に影響を与えている最も大きな要因は何か」と分解して考えます。そして、それに対して効果的な手段をとっていく、というわけです。
忙しさに追われているビジネスパーソンは『イシューからはじめよー知的生産の「シンプルな本質」』を読み実践することで、思考を整理できます。そして、本当に重要なことに集中することで、生産性を飛躍的に高められるはずです。

「時間・タスク管理をうまくやって定時で仕事が終われるようにしたい」あなたへ
『「いつも時間がない人」のためのタスク管理の結論』*2 では、「目標やタスクを効率よく達成し、持続的な幸福を得られる、充実した人生を送るための第一歩」として、IT業界で活躍してきた著者 北村拓也氏が新しいタスク管理の形を提案します。
特徴は、「時間がないことを嘆くのではなく、限られた時間をいかに有効活用するか」という視点で「ウェルビーイングスクラム」を活用すること。
ウェルビーイングスクラムとは、「個人の充実した人生をデザインするライフデザイン術」のことです。身体的・精神的・社会的な良好な状態を持続させることを目的としています。
「生産性向上と心の余裕の重要性」と「誰でも簡単に取り入れられる具体的なステップや実践例」を紹介している本です。この本で紹介されている方法を実践すれば、タスクの整理と時間の効率的な使い方が身につき、定時で仕事を終えることも夢ではありません。自分の人生において大切なことに集中できる働き方へ転換できるでしょう。
『「いつも時間がない人」のためのタスク管理の結論』については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。

「リーダーシップ・マネジメント力を磨きたい」あなたへ
『HIGH OUTPUT MANAGEMENT(ハイアウトプット マネジメント) 人を育て、成果を最大にするマネジメント』*3 はリーダーとしての責任を果たしながら、チーム全体のパフォーマンスを最大化するためのアプローチを学べる一冊。
著者のアンドリュー・S・グローブ氏はインテルの元CEO。その経験に元づいて具体的かつ実践的な方法論を示しています。特に以下の面で役に立つでしょう。
- 1on1ミーティング
個々のメンバーの課題や進捗を把握し、適切なフィードバックを行なうことで、チーム全体の生産性を高める。 - データに基づく意思決定
問題解決や意思決定の際に、感覚ではなくデータに基づいた分析を行ない、チームを正しい方向に導く。 - 組織のパフォーマンス最適化
目標設定(OKRなど)を活用し、チーム全体が共通の目標に向かって進むよう、リソースを適切に配分する。
このように、リーダーがチーム全体のパフォーマンスを最大化するための実践的なアプローチを学べます。
『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』を読んで実践すれば、リーダーシップとマネジメント力を強化し、チームの生産性を高めることができます。さらに自身の成長にもつながる一冊です。

「言語力・コミュニケーション力を上げて円滑に仕事をすすめたい」あなたへ
『「うまく言葉にできない」がなくなる 言語化大全』*4 では、自分の意見をより明確に伝え、相手を理解し、仕事の場面で信頼と成果を上げるためのスキルを効果的に学ぶことができます。著者は「伝える力【話す・書く】研究所」所長の山口拓朗氏。
同氏いわく、言語化スキルを高めるには、以下の3つのステップが必要なのだそう。
- 語彙力を伸ばす
「自分が言いたいことを表す最適な言葉を選ぶ」際にも「相手の言葉を理解する」際にも必須のスキルです。*5 - 具体化力を鍛える
「具体的であればあるほど相手に届きやすく」なります。仕事をするうえで特に重要なスキルです。*5 - 伝達力を磨く
「相手の知識などによって使う言葉を変えるなど、より相手に伝わりやすくなるように工夫する力」です。*6
本書では、上記3つのステップを丁寧に紹介しています。実例数が多く再現性の高い理論が紹介されているので実践に移しやすいはず。言語化のスキルを身につけることで、あなたのビジネスライフは大きく変わるでしょう。まずは本書の方法論を一つずつ試してみてください。
言語化力を高める3つのステップについては、STUDY HACKERのインタビュー記事でも詳しく紹介しています。

「休息をしっかりとって毎日前向きに仕事に取り組みたい」あなたへ
『休養学ーあなたを疲れから救う』*7 では疲労のメカニズムを理解し、日常的に取り入れられる休息法を学べます。著者は日本リカバリー協会代表理事の片野秀樹氏。短期的な疲労回復だけでなく、長期的なパフォーマンス向上も期待できるため、忙しいビジネスパーソンにとても有用な本です。
たとえば、以下のような有用な休息法が提案されています。
- 「パワーナップ」
短時間の昼寝を取り入れることで、午後の仕事の集中力や生産性を劇的に向上させる効果があることが解説されています。20分程度の昼寝を取るだけで、脳がリフレッシュされ、その後の判断力や作業効率が大きく改善されるのです。 - 「マインドフルネス」
瞑想や深呼吸などを通じて、ストレスや不安を軽減し、心を落ち着かせることができます。たとえば、会議やプレゼン前に数分の深呼吸を行なうことで、緊張を和らげ、冷静かつ前向きに取り組めるようになるといった効果も期待できますよ。
休息を効果的にとることで、日々の仕事に対する意欲と自信を取り戻し、よりポジティブに効率よく仕事に取り組めるようになるでしょう。自分の疲労の原因を知り、あなたに合った具体的な方法をぜひ実践してみてくださいね。
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本記事で紹介したビジネス書は、どれも忙しいビジネスパーソンの悩みに寄り添った実践的な内容となっています。自己啓発やスキルアップに取り組むきっかけとして、ぜひあなたの課題に合った1冊を手に取ってみてください。
*1 安宅和人(2010),『イシューからはじめよー知的生産の「シンプルな本質」』, 英治出版.
*2 北村拓也(2024),『「いつも時間がない人」のためのタスク管理の結論』, 総合法令出版.
*3 アンドリュー・S・グローブ著、小林薫訳(2017), 『HIGH OUTPUT MANAGEMENT(ハイアウトプット マネジメント)人を育て、成果を最大にするマネジメント』,日経BP
*4 山口拓朗(2023),『「うまく言葉にできない」がなくなる 言語化大全』,ダイヤモンド社.
*5 STUDY HACKER|「具体化」できなければ伝わらない。曖昧な表現を「伝わる表現」にするふたつの方法
*6 STUDY HACKER|ビジネスで「言いたいことが伝わらない」をなくす。「使える語彙」を身につけ言語化力を上げる方法
*7 片野秀樹(2024),「休養学ーあなたを疲れから救う」,東洋経済新報社.
橋本麻理香
大学では経営学を専攻。13年間の演劇経験から非言語コミュニケーションの知見があり、仕事での信頼関係の構築に役立てている。思考法や勉強法への関心が高く、最近はシステム思考を取り入れ、多角的な視点で仕事や勉強における課題を根本から解決している。
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