知識の引き出しを増やして、日々の雑談をおもしろいものにしたい。今の流行に即した商品開発のために情報を集めたい。情報を集める理由は人それぞれですが、みなさん日々、何かの情報を集めていることでしょう。

なかには、情報を集めるだけで大変な時間がかかってしまい、苦労している方もいるかもしれません。情報は集めてからが本番です。だからこそ、情報収集はできるだけムダなく手際よく済ませたいものですよね。

今回は、効率よく調べものをするための方法を3つ紹介します。

集めたい情報を明確にする

情報を集める際、適当に思いついたワードでいきなりGoogle検索を始めても、あまりうまくいきません。見当違いの情報ばかりを集めてしまうからです。

コンサルティング事業のファンクショナル・アプローチ研究所代表取締役社長で、経営コンサルタントの横田尚哉さんは、情報収集における注意点を次のように述べています。

情報収集や情報処理に関するムダな作業を減らすには、まずは欲しい情報を明確にする必要があります。

(引用元:PRESIDENT Online|情報収集の要諦は「7つのポイント」と「6割で判断」)太字・下線は筆者にて施した

例えば、あなたが「現代の政治」について情報を集めたいとしましょう。

一言で「現代の政治」を知るといっても、国会の動きについて知りたいのか、それとも外交について知りたいのかでは、集めるべき情報が異なります。また、仕事での判断の根拠にするために情報を集めるのか、それとも雑談用に情報が必要なのかでは、必要な知識の量が異なるでしょう。ここ1~2年の情報を集めるのか、10年ほど時期をさかのぼるのかによっても、調べる手間は大違いです。

さらには、集めるべき情報が違えば、使うべきツールも異なります。雑談用にビッグニュースだけを知りたいのであれば、テレビや新聞を流し見するだけで十分かもしれません。一方、専門的で詳細な分析が必要ならば、論文や専門書をあたらなければならないでしょう。

このように、目的が異なれば、情報収集の方法は全く異なるものになるのです。

ですから、効率よく情報を集めるために、まず何のための情報を集めるのかを意識しましょう。次は、それを踏まえてどれだけの情報を集めるのかを考え、最後にどの情報源を利用するかを考えてください。このようにするだけで、役に立つ情報をより効率的に収集できるはずです。

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情報は積んで、一度に処理する

こうして知りたいことを明確にしたら、実際に情報を集めます。効率的に情報を処理するために、一度に多くの情報を集めてから、まとめて処理しましょう。というのも、情報は互いにつながりあうことで、定着・理解しやすくなるからです。

具体的な方法としては、『思考の整理学』の著者で知られる外山滋比古さんが紹介するつんどく法がおすすめです。

「つんどく法」では、まず、調べたい分野に関する文献を大量に集めるのだそう。例えば、手帳の使い方について調べたい場合は、本屋などで「手帳 使い方」「手帳 ビジネス」などの検索ワードに引っかかった本や雑誌を数多く集めます。ひととおり集めた後で、それらの文献を全て読みます。文献を読んでいる間は、詳細なノートやメモは書きません。積んだすべての本を読んでから、まとめを書くのです。

一度に全部読むとなると、なんだか気の遠くなるような話に聞こえるかもしれません。しかし、外山さんによれば、案外すぐに読めるのだそうです。

同じ問題についての本をたくさん読めば、あとになるほど、読まなくてもわかる部分が多くなる。最初の一冊に三日かかったとしても、十冊で三十日、などという計算にはならない。一気に読み上げるのは、案外、効率的である。

(引用元:外山滋比古(1986),『思考の整理学』,筑摩書房.)太字は筆者にて施した

はじめの一冊には、分からない表現や概念が頻出します。それらを理解しながら読み進める必要があるので、読むのに時間がかかるのは当然のことです。しかし、二冊目以降の内容は、それまでに読んだ内容と少なからず重複するもの。すでに理解した内容が含まれるので、読む速度が上がります。冊数を重ねるごとに、頭の中で情報どうしがつながり内容を理解しやすくなるので、読むスピードが速くなっていくのです。

「つんどく法」によってより効率的に情報収集するコツは、最初の一冊目を標準的で導入に適したものにすること。ぜひ実践してみてください。

つんどく法をWebでも応用「Web版つんどく法」

この「つんどく法」は、Webを使った調べものに応用することもできます。調べたい領域に関する言葉で検索し、結果として表示された記事を大量に読んでゆくのです。Webの記事は内容が簡単なことが多いので、より早く概要を理解することができるでしょう。

Web版つんどく法を行う際は、検索結果の1ページ目に多くの記事が表示されるよう、検索ツールを設定するとよいですよ。Webで調べものをするとき、検索結果の2ページ目以降はほとんど見ない、という人は少なくないと思います。ですが、必要な情報が載っているサイトが常に検索上位にあるとは限りません。価値ある情報が2ページ目以降に埋もれているケースもあります。2ページ目より先も見る癖をつければよいのですが、表示件数が多くなるよう設定自体を変えてしまえば、手っ取り早く多くの情報にアクセスできるというわけです。

また、記事を開くときは、新しいタブか新しいウィンドウで開くと、検索結果の表示にすぐ戻ることができておすすめです。

Webを使った調べものをしていて気にかかる「記事の信憑性の低さ」についても、この「Web版つんどく法」ならばある程度克服することができます。例えば、検索結果にある5つの記事で同じように述べられていることは、一般的であり、ある程度信頼できるだろうと考えられます。一方、1つの記事にしか書かれていなかったことは、個人的な意見であり信憑性は低いかもしれないと考えられるのです。

ひとつ注意していただきたいことは、論文などの専門性が高い記事が検索結果の上位に来るとは限らないということ。もし、より専門性の高いことを調べたいならば、論文専用のデータベースを利用すると良いでしょう。代表的なものとしては、日本国内の論文を広く検索できるCiNii Articlesや、科学技術分野の論文・学会誌に特化したJ-STAGEなどがあります。

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ここで紹介した方法を実践すれば、闇雲に情報を集め続けることがいかに無意味で効率の悪いことであるかに気が付くと思います。情報収集に苦労している方は、ぜひ試してみてくださいね。

(参考)
外山滋比古(1986),『思考の整理学』,筑摩書房.
PRESIDENT Online|情報収集の要諦は「7つのポイント」と「6割で判断」
赤羽雄二(2015),『速さは全てを解決する—『ゼロ秒思考』の仕事術』,ダイヤモンド社.
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