大変な記憶しかなくても「幸福だった!」と思えるようになる “最高の1年の締めくくり方”

どんなに大変でも「幸福な1年だった」と感じるための、最高の締めくくり方01

みなさんは、今年1年間どのように過ごされましたか? 仕事に勉強に、プライベートに――楽しいことや仲間と喜び合えることもたしかにあったけど、思うようにいかず「大変だ」と感じることのほうが多かった……。そんな人はいないでしょうか。

ネガティブな記憶はどうしても強く残りがち。それでもやっぱり、本当は「いい1年だった」というポジティブな気持ちで年を締めくくりたいですよね?

そこで、どんなに「大変だった」と感じる人でも「幸福な1年だった」と思えるようになる、3つの最高の締めくくり方をご紹介します。筆者も実際にこの3つの方法で、1年間を振り返ってみましたよ。

最高の締めくくり方1.「KPT法」で1年を振り返る

弱点や要改善点だらけで「ダメだなぁ」と感じることが多い年だった。来年はしっかり改善したい――そんな人にはKPT法というメソッドがおすすめです。

KPT法とは、これまでの経過を視覚化し、現状の課題をしっかり認識したうえで、改善策を考えるという振り返り法。主にビジネスシーンで取り入れられていますが、個人の振り返りにも有用なフレームワークです。

『これだけ! KPT』の著者・天野勝氏によれば、KPT法の原型は、アメリカのコンピューター科学者アリスター・コンバーン氏が著書で紹介した振り返り法。それが改良され、特に日本企業では「チームでの振り返り法」として注目されるようになったそうです。

「KPT」とは、以下の頭文字をとったもの。

  • K(Keep)→維持したいもの。これまでうまくいっているもの。
  • P(Problem)→問題点。改善が必要な課題。
  • T(Try)→KeepとProblemをふまえ、今後試していきたいこと。

KPTの各項目は、以下の図のように紙面を3つのセクションに分けて書き込んでいきます。

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(画像は筆者にて作成)

今回なぜ “最高の締めくくり方” としてKPT法を紹介するかというと、KPT法では「よかったこと」「うまくいったこと」にも注目するからです。改善のために振り返ろうとすると、つい「悪かったこと」「失敗したこと」に目が行きがち。ですがそういった問題点と一緒に「これはよかった!」という自己評価をすれば、ネガティブなだけの反省に終始することなく、肯定的に課題と向き合えるのです。

筆者も「KPT法」で1年を振り返ってみました。テーマは、「今年1年間の仕事について」

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いままでは、振り返りとなると、課題に対する改善点だけに集中しがちでした。しかしKPT法では「維持していきたいもの」も一緒に書き出すので、全体を見渡しながら振り返ることができました。ダメなところにばかり目を向けるわけではないので、落ち込んだ気持ちにもならなかったのです。

こうして、「今後はこうしよう!」という明るい展望が開けていきました。今後の仕事で「何を継続(Keep)」しながら「どう工夫(Try)」していくかが明確になりましたので、ぜひ来年の仕事に活かしていきたいと思います。

最高の締めくくり方2.「リフレーミング」で1年を振り返る

大変だった出来事や悩みなどから心を切り替えて、ポジティブな気持ちで新年を迎えたい……! という人は、リフレーミングの手法を使い、視点を変えて1年を振り返ってみるのはいかがでしょう。

リフレーミングとは、1950年代に有名になったカウンセリング技法のひとつです。否定的な思考の枠組みを外して別の枠組みで見ることにより、物事のとらえ方を中立的・肯定的なものへ変えるというもの。

その一例が、言葉の定義を変えること。全米NLP協会公認・NLPトレーナーの足達大和氏は、以下の例を挙げています。

  • 自主性がない→他人のアイデアや思考を尊重できる。
  • 怒りっぽい→感情が豊か。まっすぐで素直。
  • 頑固→上司にもしっかり主張できる。責任感が強い。
  • 飽きっぽい→決断してすぐ行動できる。瞬発力がある。

たとえば、あなたが「会議で積極的に発言できない」のなら、それは「周囲の意見によく耳を傾け、尊重している」から。逆に「つい強く意見を言ってしまう」のなら、それは「素直さや主張する力」の表れとも言えます。

このように、どんなにネガティブに感じる物事も、別の視点を借りるとそのあり方が変わって見え、新たな気づきを得られるのです。

筆者も、この1年間「プライベートで大変だったこと」がいくつかありネガティブな感情を抱いていたので、リフレーミングで振り返ってみました。

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ノートの左半分には「大変だったこと」、右半分には「大変だったことを別の視点でとらえ直すとどうなるか」、書きました。

実践してみて驚いたのは、視点を変えるだけでポジティブな点がどんどん浮かび上がってきたこと。

「あれがつらかった」「これに悩まされた」といった事柄を、“逆にこうだったとも言える” という感じで裏返して美点を探し出したところ、意外にも工夫しながら気づきや学びのある生活を送れていたことに気づきました。「なんだかんだ、実りのある1年間だった」と感じられたのです。

また、手書きで行なうのもポイントだと思います。自分の手で書き出した肯定的な物の見方を、より認識しやすく、かつ記憶に残しやすくなるからです。

「いろいろ大変だったな」とモヤモヤしたままでは、ネガティブな気持ちで新年を迎えることになってしまいます。大変だったことはポジティブに昇華させ、気持ちよく1年を終えましょう。

最高の締めくくり方3.「できたことリスト」で1年を振り返る

いろいろ大変だったけど、「1年間頑張った!」という達成感を味わいたい。自分を肯定的にとらえ、気持ちよく新年を迎えたい――そんな人は、1年間の「できたこと」を振り返ってはいかがでしょう。よい記憶がたくさん残り、自己肯定感が高まるからです。

株式会社ネットマン代表取締役社長で、行動変容の専門家・永谷研一氏は、成長するには「失敗」や「できなかったこと」は思いきって無視することが大切だと説きます。なぜなら、失敗にばかり注目すると、自己肯定感が下がり、自分と向き合えなくなるため。そうならないよう、永谷氏は「できたこと」を見つめることを推奨しているのです。

タイガー・ウッズをはじめ有名プロゴルファーを教えてきたルディ・デュラン氏も、それを推奨するひとり。デュラン氏は、公立中学校のゴルフ部の生徒たちに「できたこと」だけをノートに書かせ、よい記憶だけ残すよう指導した――そんなエピソードもあるのだとか。

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ポジティブ サイコロジースクール代表の久世浩司氏によると、脳には、ネガティブな情報ほど記憶に残す働きがあるのだそう。これは、災害や事故などから身を守るため、危険と感じるものを強く記憶するよう脳が発達したから。この働きを、心理学では「ネガティビティ・バイアス」と呼びます。

ネガティブな出来事を記憶しやすいからこそ、ポジティブな出来事に注目するべく、「できたこと」を洗い出して自分の成長具合を確認する。これが、「自分ならできる!」と前向きに考えるために必要なことなのですね。

筆者も、この1年間で「できたこと」を「仕事」「勉強」「生活」それぞれのテーマでリスト化してみました。

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初めのうちは、なかなか「できたこと」が思い浮かばず、苦戦……。しかし、途中からは「前よりできるようになったこと」を考えてみたところ、リストが増えていきました。

ひと通り書き出して感じたのは、「この1年間、こんなに頑張れたんだ」という充実感。特に行動的な1年ではありませんでしたが、地道に努力できたことが多い1年だったと気づけたのです。「自分のできることは思っているより多い。だから次の年も挑戦していこう!」と前向きに考えられるようになりました。

なお、永谷氏によれば、「できたこと」は「自分軸」で書くのがポイントだとのこと。他人と比較して、「こんなこと、ほかの人ならとっくにできている。たいしたことないから書くのはやめよう」とするのではなく、自己評価で「できたこと」を洗い出してみてくださいね。

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「大変だった1年」も振り返ってみれば、「自分の成長につながる1年だった」と自信をもって言えるはず。みなさんも今年1年間を最高のかたちで締めくくり、新たな年に向かって前進していきましょう。

(参考)
天野勝(2013),『これだけ! KPT』, すばる舎.
neuromagic|4 Frameworks for Reflecting on Your Work and Running Better Projects
心理学用語集サイコタム|リフレーミング
ダイレクトコミュニケーション|リフレーミングの9種類とは,一覧を紹介,練習法やワーク
Life and Mind+|【完全理解】一瞬で世界を変えるリフレーミングの効果と活用事例
東洋経済オンライン|自己肯定感が低い人に教えたい「手書き」の効能
ダイヤモンド・オンライン|成功する人は、毎日「○○」をメモしている
ダイヤモンド・オンライン|あなたの自信を下げる「マイナスの思い込み」をなくそう

【ライタープロフィール】
青野透子
大学では経営学を専攻。科学的に効果のあるメンタル管理方法への理解が深く、マインドセット・対人関係についての執筆が得意。科学(脳科学・心理学)に基づいた勉強法への関心も強く、執筆を通して得たノウハウをもとに、勉強の習慣化に成功している。

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