「たった紙1枚」の年間計画で人生が変わる!挫折ゼロの勉強革命

男女3人がノートを開き、ペンを手に課題を検討している。

「勉強の計画を立てても、いつも達成できずに挫折してしまう……」
「でも今年こそ絶対、計画通りに勉強したい!」

平日は朝9時から夜9時まで仕事、週末も急な案件が入る。資格取得やスキルアップを目指したくても、時間の確保が難しい。

そんな多忙なビジネスパーソンこそ、紙1枚で年間計画を立てることが有効です。計画全体を俯瞰できれば、残業や出張で予定が遅れても軌道修正が可能になります。

今回は、実際に「紙1枚」で年間計画を立てる手順や実践例を解説します。

「紙1枚」にまとめるメリット

考えを紙1枚にまとめることには大きなメリットがあります。

『トヨタで学んだ「紙1枚!」にまとめる技術』著者の浅田すぐる氏によると、そのメリットは情報を整理できること。トヨタ自動車では、あらゆる書類を横向きのA3用紙1枚でつくり、情報を究極なまでに整理する仕事法が根づいているのだそうです。

浅田氏は、紙面上でテーマごとにフレームを設けると、複雑な情報でも整理しやすくなると述べています。フレームに沿って内容を吟味する過程で、「目標をどう設定すればいいか?」「いつまでに何を終わらせるべきか?」といった問いに向き合ううち、考えがだんだんと研ぎ澄まされていくというのです。

たとえば、次のような3つのフレームを紙面に配置し、各フレームのなかで必要な要素を掘り下げていく方法があります。

2022年、たった紙1枚で勉強の年間計画を立ててみた03

このように紙1枚に収めれば、実現性の高い年間計画表をつくることができます。なおフレームは、必要な情報 "だけ" を紙面に盛り込むために設けるもの。枠で囲まなくてもエリア分けさえできていればよく、何個つくっても構いません。ビジネスの現場でも、複雑なプロジェクト管理を1枚のシートで行なう手法は広く活用されています。

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勉強の年間計画を紙1枚で立ててみた

筆者も実際に、この1年で勉強したいことを紙1枚にまとめてみました。勉強テーマは「近代文学作品を読み、近代文学史への理解を深めること」。以前から取り組んでいた内容ですが、勉強する日としない日の差が激しく、内容を覚えていないこともあったため、きちんと計画を立てて勉強すべきだと考えました。

年間計画を立てる手順

強コーチングの専門家・椋木修三氏が提唱する以下の手順で計画を立てました。

  1. 使う教材をすべて書く
  2. 日付やページなどを具体的な数字で記入
  3. 何月から何月までに、何回繰り返すか決める

これに加え、最初は負荷をかけすぎないように、ひとつのことだけを勉強するように設定。1月中旬〜下旬まではテキスト1冊だけに取り組むことにしました。

そうして筆者が立てた、下書き段階での年間計画がこちら。フレームは「学習目標」「テキスト」「年間計画」の3つ。文芸評論家の伊藤整による『近代日本の文学史』や谷崎潤一郎の長編小説『細雪』など、前から深く読み込みたいと思っていたテキストをリストアップし、年間計画に盛り込みました。

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上の下書きをベースに、さらに20%ほどの内容を削りました。これは、『30代で人生を逆転させる1日30分勉強法』著者で、多くの資格取得経験がある石川和男氏がすすめるやり方です。

継続のコツは余白をつくること

石川氏によれば、計画を立てているときはモチベーションが最も高いため、つい内容を詰めすぎて計画倒れになりやすいそう。そこで、計画を立てたら中身を削り、あえて余白をつくるとよいと言います。そうすれば、体調不良や急な仕事などで勉強できない日があっても余白の期間で巻き返せるため、無理なく続けられるのです。

筆者は以下のように調整しました。

  • 3周する予定だった『近代日本の文学史』を2周に変更。
  • 仕事や予定が立て込みやすい11、12月は「おさらい」の期間として余白をつくる
  • 小説を1冊カットし、7月は取り組みやすい短編作品を追加

そうして、以下のように完成版ができあがりました。

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紙1枚に、使うテキストだけでなくページ数まで細かく書いたことで、計画に具体性が生まれました。「448ページあるテキストを5カ月で1周読む」と決めれば、1日に3ページ進めればいいとわかります。これは、通勤時間や昼休みの時間でも達成できる量です。目標とやることがはっきりしたため、達成の道筋が見えてきた気がします。

「計画」を立てる人ほど成績や成果が出る理由

ベネッセ教育総合研究所が小中学生を対象に行なった調査で、成績上位者ほど目標をもち、計画を立てて勉強していることがわかりました。

計画の重要性は、大人の勉強にも通じます。石川氏によれば、合格への一番の近道は、「勉強できる日数」と「やるべきこと」をすべて書き出し、勉強の全体像を俯瞰して計画を立てることです。

なかでも最も重要なのは「年間計画」である――椋木氏はそう主張します。理由は、年間計画をきちんと立てると、月間や週間の短期的で細かいスケジュールも立てやすくなるからです。

たとえば、プログラミングを勉強する場合であれば、

・ 年間計画「テキストを半年で2冊読む」

月間計画テキストは1冊300ページ、月に100ページ読めば半年で2冊読めそう

週間計画「週25ページは読もう」

というように、分解していくことができます。また、年間を見通せば、「4月は忙しいからボリュームを減らそう」「決算期は業務が立て込むから勉強量を調整しよう」といった工夫もできるので、現実的で挫折しにくい計画を立てられるはずです。

オレンジのニットを着た女性が、ノートに手書きでメモを取りながらノートPCと本を前に学習している。

勉強以外の目標達成にも活用できる

「今年は、仕事で企画を20本実現させるぞ」
「運動習慣をつけて、今度こそダイエットを成功させたい!」

このように、勉強以外の目標を新年に立てる人にも、紙1枚の年間計画はおすすめです。たとえば運動なら、「ストレッチから習慣づけを始めて、暖かくなる4月からはランニング……」のように落とし込んでいけるでしょう。

「明日からでいいや」と先延ばしにしがちな人でも、具体的な行動と日程を決めれば実行しやすくなるので、習慣化や目標達成につながるはずです。

***
「今年こそ勉強をしたい!」と思っている人は、まず1枚の紙とペンだけ準備してみてください。1年の指標となる計画を立てて、目標の達成を目指しましょう。

【ライタープロフィール】
藤真唯

大学では日本古典文学を専攻。現在も古典文学や近代文学を読み勉強中。効率のよい学び方にも関心が高く、日々情報収集に努めている。ライターとしては、仕事術・コミュニケーション術に関する執筆経験が豊富。丁寧なリサーチに基づいて分かりやすく伝えることを得意とする。

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