「本当に頭のいい人」は自己肯定感が高い。勉強で結果を出すための自己肯定感アップ習慣3つ

自己肯定感を高める習慣03

勉強を頑張らなくてはいけないのに「モチベーションが上がらない、持続しない」。
勉強の目標を決めても「やっぱり自分には無理だ」とすぐに諦めてしまう。

このように悩む社会人は多いのではないでしょうか。意外にも「自己肯定感の低さ」がその原因になっているかもしれません。

勉強で結果を出すために「自己肯定感を高める」というアプローチをとってみましょう。今回はその方法を詳しくご紹介します。

「勉強面での成功」と「自己肯定感」との関係

「自己肯定感の高さ」「勉強面での成功」に関係しています。

2017年に東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所が共同で行なった「子どもの生活と学びに関する親子調査」では、自己肯定感の高い学生の43.0%が「勉強が好き」と回答しており、自己肯定感の低い学生は29.7%に留まったそう。

また、学習時間に関する調査では、宿題や塾のように半強制的に勉強しなければならない環境ではあまり差がなかったものの、自宅での勉強に関しては自己肯定感が高いグループのほうが学習意欲が高く、長時間勉強していたことが判明。

ベネッセ教育総合研究所主席研究員の木村治生氏は、自己肯定感の高い学生は「自分は目標を達成できる」と考えるため行動する確率が高まり、自己肯定感の低い学生は「自分には無理だ」と考えるため行動が起こしにくくなると分析しています。

社会人の勉強は、学生よりもさらに自主性が求められるため、自己肯定感は重要な要素になりそうですね。

では、どうすれば自己肯定感を高めることができるのでしょう? 以下で3つの方法をご紹介します。

自己肯定感を高める習慣04

自己肯定感を高める方法1.「自己受容の4行日記」

精神科医で作家の樺沢紫苑氏は、自己肯定感を高める前に、「自己否定感」から抜け出すことが必要だと言います。というのも、自己肯定感の低さが生じる前段階に、自己否定感があると考えられるため。自己否定感の強い人は、「自分はダメな人間だから、自分をまったく肯定できない」と感じているそうです。

「どうせ私なんかにはできない」と考えてしまうのは、自己否定が身についてしまっているから。その自己否定感をリセットするためには、「自己受容」の感覚を得る必要があります。

自己受容とは、ダメなところも含めて、自分のありのままを受け入れること。「自分はいまのままで生きていていい」という感覚をもつことです。自己受容ができるようになれば、次のステップとして自己肯定に足を踏み入れることができます。

では、樺沢氏推奨の自己受容感と自己肯定感をセットで高める方法をご紹介しましょう。「自己受容の4行日記」です。

これは、「1行ネガティブ」「3行ポジティブ」で構成される日記のこと。自分が「できていること」に気づくことができるほか、1日の終わりに書き出すことでポジティブな気持ちで眠りにつくことができ、ポジティブ感情がそのまま記憶に定着することが期待できます。方法は以下のとおり。

  1. 1行ネガティブ」を書く
    その日の嫌だったことを吐き出します。
    (例「今日は疲れていて勉強できなかった」)
  2. 「1行フィードバック」を書く
    自分を認めてあげるひとことを書きます。これにより自己受容を行ない、次の自己肯定の準備を整えます。
  3. (例「そんな日もあるさ」「こんな自分も悪くない」など。「それでも自分は最高」などのポジティブな言葉が難しい人には、「こんな自分でもOK」など自己受容の言葉がおすすめとのこと)
  4. 3行ポジティブ」を書く
    今日あった嬉しい出来事を3つ書きます。ちょっとしたことでかまいません。
    (例「単語を3つ覚えた」「夕食後に15分勉強することができた」など)
  5. 「1行フィードバック」を書く
    最後に今日1日を総括する肯定的な言葉を書きます。
    (例「全体像を見ると、いい1日だった」)

<自己受容の4行日記の例>

自己肯定感を高める習慣01

自己否定をしている人が、いきなり自己肯定感を高めるのは難しいもの。「勉強を怠けてしまう自分が嫌い」「誘惑に弱い自分が許せない」などの自己否定を認識しつつ、「こんな自分も悪くない」と自己受容することで、次のステップである自己肯定感アップに進めます。

自己受容の4行日記を通し、「たった10分でも勉強した自分は偉い」「少しずつでも継続すれば目標を達成できるはず」というポジティブな気持ちを手に入れることができれば、勉強への意欲や自分を信じる力が上がっていくでしょう。

自己肯定感を高める習慣02

自己肯定感を高める方法2. 姿勢を変える

脳科学者の中野信子氏は、自己肯定感を上げる方法として背筋を伸ばして胸を張ることをすすめています。

このポーズをすると、雄性ホルモンのテストステロンが分泌され、ストレスホルモンの分泌が減るのだそう。テストステロンは「生きる活力」や「気持ちの張り」を高める効果があります。劇的な効果があるわけではないものの、日常のなかに組み込んでいくことで、自己肯定感を育んでいけるのだとか。

このポーズはたったの2分とるだけでも効果があると言います。勉強中は特に猫背になりやすいので、30分ごとなどに休憩を入れ、2分間胸を張るようにするといいでしょう。気持ちのリフレッシュにもなりますし、長期的に継続すれば、自己肯定感アップが期待できますよ。

自己肯定感を高める習慣05

自己肯定感を高める方法3.「アファメーション」

最後にご紹介するのは、「アファメーション」という肯定的な言葉を自分自身に語りかけるメソッド。コーチングの概念をつくったと言われる心理学者のルー・タイス氏が提唱したもので、その自己啓発プログラムはNASA、国防総省、フォーチュン500企業の62%が導入しています。

アファメーションによってポジティブな言葉を唱えると、その言葉が自分のなかで定着し、思考として根づいていきます。アファメーションの言葉をつくる際のポイントは次の10個。

  1. 一人称で書く
    主語を「私」とします
  2. 肯定的に書く
    「こうはなりたくない」など望まないものを書くのではなく、「なりたいもの」や「やりたいこと」について書きましょう
  3. 現在進行形で書く
    「私は今◯◯している」などのかたちで書きます
  4. 「達成している」という内容にする
    「私は◯◯だ」など、すでに達成している設定にします
  5. 比較をしない
    「誰かと比べて◯◯だ」という表現は避けましょう
  6. 行動を表す言葉を使う
    それを成し遂げている自分自身の行動や、その様子を書きます
  7. 感情を表す言葉を使う
    ゴールを達成したときに、あなたがいかに感動するかを正確に書き出しましょう
  8. 記述の精度を高める
    曖昧な言葉や表現がないか確認し、訂正が必要であればその都度訂正します
  9. リアルなものにする
    目標を達成したときの自分が鮮明に思い浮かぶほど、リアルな記述にしましょう
  10. 秘密にする
    誰かと共有する必要はありません

上記のルールをふまえて、筆者が勉強の目標を達成するためのアファメーションの言葉をつくってみました。

  • 私が勉強するのは、勉強することを選んだからだ。
  • 私は多くのことを学び、日々、自分の価値を高めている。それによってよりクオリティの高い働きを社会に提供することができ、多くの人たちの人生を豊かにしている。
  • 新しいことを学び、自分の視野が広がり、可能性が増えることが嬉しい。

認知科学者でルー・タイス氏の著書の翻訳にも携わった苫米地英人氏によると、自分で設定したアファメーションの言葉を唱えるタイミングとして適しているのは就寝前だそうです。就寝前のリラックスしているときにアファメーションを行なうことで、睡眠中に言葉がより記憶に定着しやすくなります。

自分なりのアファメーションの言葉をノートなどに記載し、枕元に置いておくと習慣にしやすいかもしれませんね。

***
あなたの勉強が思うように進まないのは、自己肯定感が低いことが原因かもしれません。

もしも自分を否定してしまう癖があったり、勉強しなければならないのにモチベーションが上がらない状況だったりするのであれば、ぜひご紹介した自己肯定感アップの方法を取り入れてみてくださいね。

(参考)
チャイルド・リサーチ・ネット|【データで語る日本の教育と子ども】 第3回 自己肯定感が低い日本の子どもたち-いかに克服するか
ベネッセ教育総合研究所|東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所共同研究「子どもの生活と学びに関する親子調査2017」
内閣府|特集1 日本の若者意識の現状~国際比較からみえてくるもの~
月刊「美楽」2020年10月号(2020),株式会社美楽界.
中野信子(2019),『脳科学で自分を変える! 自己肯定感が高まる脳の使い方』,セブン&アイ出版.
saita|姿勢を変えるだけでもホルモンバランスが変化し、自己肯定感が育まれていく
大東製薬工業株式会社|テストステロンには、どんなはたらき(作用)がありますか?
東洋経済Online|自己肯定感が低すぎてつらい人のための処方箋
みずほ銀行|デキる経営者の「自己肯定感」アップ術
ルー・タイス(2011),『アファメーション―人生を変える!伝説のコーチの言葉と5つの法則』,フォレスト出版.
苫米地英人(2013),『「言葉」があなたの人生を決める』,フォレスト出版.

【ライタープロフィール】
Yuko
ライター・翻訳家として活動中。科学的に効果のある仕事術・勉強法・メンタルヘルス管理術に関する執筆が得意。脳科学や心理学に関する論文を月に30本以上読み、脳を整え集中力を高める習慣、モチベーションを保つ習慣、時間管理術などを自身の生活に取り入れている。

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