新型コロナウイルスの影響から、世間は外出自粛ムード一色。
外出がほとんどできず、日々のストレスを発散する手立てがない……自宅で毎日同じ生活を続け、もう飽きてしまった……。そんな方は、ちょっとした行動の変化で、退屈な日々を一掃できるようになるかもしれません。
そこで今回は、代わり映えしない退屈な生活から抜け出す方法をご紹介します。
【方法1】目的のある多読
何と言っても、退屈さを紛らわせることができる一番の方法は読書でしょう。普段多忙な社会人にとって、貴重な時間を読書に費やせるのは特別なことではないでしょうか。
しかし、小説でもない限り、本に書かれている内容を隅から隅まで読もうとすると、意外にも時間がかかってしまうもの。積ん読中の本をなかなか消化しきれないという人もいるはずです。
自粛期間に多くの本から学びを最大限に得たい方は、ぜひ一度「多読術」を試してみてください。多読術のルールとして、メンタリストとして活動するDaiGo氏は、目次から自分の欲しい情報をある程度絞り込み、それ以外のページはあまり時間をかけずに読むことをすすめています。自分がどういった情報を求めているかを読み始める前から考えておけば、近道ができるのです。DaiGo氏は、この多読術を用いることで1日になんと10〜20冊もの読書をこなしているそう。
自粛期間中とは言え、その間に時間を有効活用して学びを深めておくのと、まったく何もしないのとでは、その後のキャリアにもきっと違いが出てくるでしょう。目的を持った多読は、生活の退屈さを一気に解消してくれるはずです。
【方法2】バーチャル旅行
2つ目の方法は、現代のテクノロジーをフルに活用した、スマートフォンやパソコンの画面で簡単にできる「バーチャル旅行」です。バーチャル旅行の最大の魅力は、物理的に外出をすることなく「外出」ができる点。外出自粛期間の今だからこそ、その魅力が大きく発揮されるに違いありません。
そこで、みなさんが自宅でバーチャル旅行を楽しめるおすすめのサイト「Googleマップ・アドベンチャー」をご紹介しましょう。
「Googleマップ・アドベンチャー」は、Googleが提供しているサービスで、インドのタージ・マハルやオーストラリアのグレートバリアリーフといった、世界の観光名所へ皆さんを連れ出してくれます。また、ストリートビュー機能を活用して周囲を散策することもできるため、現地の人々や街の雰囲気をきっと間近に感じられるでしょう。
サイト内には観光地の画像やマップだけではなく、その土地の歴史や文化の紹介もしているので、教養の勉強にもなります。サービス利用料はもちろん無料。手間をかけず、たくさんの観光地を訪れることが可能です。
また昨年、奈良県立医科大学で老年医学を専門とする澤見一枝氏らによる、約190人の高齢者を対象にした調査が行なわれました。その結果、外出をすることなく「外出」できるバーチャル旅行体験が、仮想的に旅行をした気分になることから、認知機能の向上につながるとわかったそう。医学的にも、バーチャル旅行は効果があるようです。
毎日旅する場所を変えながら、みなさんもバーチャル技術で旅行気分を味わってみるのはいかがでしょうか?
【方法3】お風呂療養
「入浴」という行為は、日本では昔から、長寿をもたらすもの、あるいは病気を治すものとみなされてきました。平安時代の絵巻の中には、病苦の根源と信じられていた悪霊を取り払う手法として、入浴の様子が描かれているものもあるくらいです。入浴は、日本人にとても馴染みある行為だと言えるでしょう。
最近注目を浴びているのが、ちょっとした旅気分を誘う「入浴剤」。入浴剤製造大手である株式会社バスクリンの調べによると、各地の温泉名をうたう入浴剤の売り上げが急増しているのだとか。新型コロナウイルス感染が拡大した3月だけを見ても、その数はさらに増えているようです。
せっかくなら、普段シャワーで済ませていた入浴時間を、さらに充実させたいものですよね。以下では、東京都市大学教授で温泉療法専門医でもある早坂信哉氏が挙げる、お湯に浸かるメリットを3つ紹介することにしましょう。
メリット1:温熱作用
温熱作用とは、読んで字のごとく入浴した際に体が温まる状態のことを指します。その効果としては、血流を良くすることで代謝を上げ、体の疲れを取ってくれるとのこと。頭部へ集中的にシャワーを当てるだけでは、効果が半減するそうですよ。お湯に浸かることで、体全体を均等に温めることができるのです。
メリット2:蒸気・香り作用
香りは臓器の働きを調整する自律神経を刺激して、リラックス効果をもたらします。また、長野県看護大学の吉田聡子氏と佐伯由香氏は研究の中で、ラベンダーの香りが、自律神経の中でも昼間や運動時に活性化する交感神経を緩和し、リラックス作用を体にもたらすと伝えています。アロマオイルを湯船に垂らしてみたり、ご当地の入浴剤を使ったりして、自分にぴったりの香りを探してみてください。
メリット3:開放・密室作用
東京ガスが2015年に行なった調査では、「入浴の目的」と「お湯に浸かる入浴において期待する効果」の両項目で、「リラックス」が全体の3位を占めました。浴室は、自分の心と体を開放できる、最高のリラックス空間になり得ます。お湯に浸かれば、抱えたストレスを解消し、日々の疲れを癒すことができるはずです。
***
外出自粛期間だからこそできることが、みなさんの自宅にはあふれています。普段の生活に少し変化を加えることで、今のちょっと退屈な生活は魅力いっぱいになることでしょう。
(参考)
メンタリストDaiGo (2019), 『知識を操る超読書術』, かんき出版.
大学ジャーナル|バーチャル旅行体験が認知症予防に効果、奈良県立医科大学
Googleマップ|Googleマップ・アドベンチャー 概要
valuepress|最新医学が明かす!「入浴の7大健康効果」 一方で、冬の入浴3大健康リスクを引き起こす、“入浴” とは? 健康リスク対策には、入浴前後の水分&ミネラル補給を推奨
吉田 聡子, 佐伯 由香 (2000), 「香りが自律神経系に及ぼす影響」, Vol. 23, No. 4, pp.11-17.
都市生活研究所|現代人の入浴事情2015
【ライタープロフィール】
YG
大学では日韓比較文学を専攻し、自身の研究分野に関する論文収集に没頭している。言語学にも関心があり、文法を中心に日々勉強中。これまでに実践報告型の記事を多数執筆。効果的で再現性の高い勉強法や読書術を伝えるべく、自らノート術や多読の実践を深めている。