プレゼンは”話す内容”と同じくらい〇〇が大事! プレゼン強者が実践する魅力あるプレゼンの秘訣。

プレゼン、または会話をするビジネスパーソン

朝から夕方まで休憩時間を削って資料作り、いざ重要なプレゼンに臨んだのに同僚や上司の視線は冷ややか。質問も少なく、ただの義務的な会議で終わってしまう……。あるいは、取引先との食事会では話題を絶やさないようと一生懸命話し続けているのに、場の空気がどこか硬いまま。

こんな状況に心当たりはありませんか? 日々全力で仕事に取り組んでいるのに、なぜか成果につながらず、空回りしている感覚。

  • 「何時間もかけて準備したプレゼンなのに、なぜか相手の心に響かない」
  • 「会話を盛り上げようと努力すればするほど、逆に場の空気が重くなる」

じつは、こうした悩みを解決へと導く意外なキーワードは「余白」です。情報や言葉で埋め尽くすのではなく、あえて「余白」をつくることで、これまでうまくいかなかったコミュニケーションが驚くほどスムーズに変化していくのです。

今回は、ビジネスパーソンの成果を劇的に高める「ふたつの余白」について、具体的な活用法をお伝えしましょう。

「余白」その1:プレゼン準備でつくる余白

プレゼンを行なうビジネスパーソン

伝えたい情報をすべて盛り込んだ資料を作成し、時間が許すかぎり熱心に説明し続けた。ところが、頑張ったわりに聞き手の反応はいまひとつ……。

プレゼンで思うような結果が得られなかった原因は、「余白」の不足かもしれません。

情報量を増やせば伝わるというわけではなく、むしろ多すぎる情報は理解を妨げます。株式会社ビーユアセルフ代表取締役の岩下宏一氏も、「時間いっぱいに早口で情報を詰め込むと、聞き手には伝わりづらい」と指摘しています。*1

解決策はプレゼン内容を制限時間より短くまとめておくこと。岩下氏によれば、制限時間の3分の1を「余白」にするのが鉄則です。これにより質疑応答の時間が確保でき、「プレゼン中に相手と充分に対話し、疑問や不明点をその場で解消できる」といいます。*1

では、余白のあるプレゼン準備に役立つヒントをお伝えしましょう。「うまく伝える」よりも、内容を的確に絞り込むことが重要です。

📌余白のあるプレゼン準備のヒント
このプレゼンを聞いたあとに、「相手が何を理解し、どう行動するか?」を考え、「その行動は、会社(自分)にとって望ましいことかどうか」を基準に取捨選択してみる。

これにより、以下の効果が生まれます。

  • 伝えるべき情報と、削るべき情報が見えてくる
  • 適切な箇所に情報の「重みづけ」ができる
  • 聞き手にとってより現実的なプレゼンになる

ぜひ一度お試しください。

「余白」その2:話を盛り上げる余白

なんとか会話を盛り上げようとしているビジネスパーソン

雑談で相手を楽しませようと一生懸命話しているものの、なかなか会話が盛り上がらない……。

この原因のひとつに、「つい話しすぎてしまっている」ことが挙げられます。相手と心地よく会話を楽しむコツは、会話に「間」という余白をつくることです。

自分が話し手の場合

話に「間」をもたせずに畳みかけると、最も伝えたい部分が軽くなったり、相手の聞く準備ができていなかったりします。

株式会社日本話し方センター代表取締役社長の横田章剛氏は、「間」の効果を示す例を挙げています。*2

【「間」が絶妙な例】
「私、雨男でね~。去年の冬、長崎に旅行に行った時も、雨よ降るな、と祈ったんです。そしたら見事に雨は降らなかったんですよ!」
(しばらく間を取って)
――「雪だったんです」
【「間」のない例】
「私、雨男でね~。去年の冬、長崎に旅行に行った時も、雨よ降るな、と祈ったんです。そしたら見事に雨は降らなかったんですが、雪だったんです~」

前者のほうが明らかにメリハリが利いていますね。

横田氏によれば、スピーチでも「間」は効果的です。「感謝」について語る際、「皆さんは最近人に感謝されたことはありますか?」と問いかけてから2~3秒間を置くと、聴衆は自分の経験を思い出し、関心を持ちます。

この2~3秒で聴く準備ができるため、話への興味が高まるのです。*2


しかし、上手に間を置くのは簡単ではなく、2~3秒は意外と長く感じるものです。そこで、自然に「間」を作る工夫を紹介します。

  • 手元のメモや資料にサッと目を落とす
  • 水やコーヒーをひと口すする(軽く口に運ぶだけでもOK)
  • 質問のあと、ゆっくりと周囲を見まわす
  • 一瞬、視線を上のほうにそらす(考えているように)
  • ペンのキャップを外す・握り直すなど小さな手の動作をする

実際に試してみると、思ったより自然な「間」が作れます。ぜひお試しください。

自分が聞き手の場合

また、聞き手にとっても「間」は重要です。

公認心理師の川島達史氏は、相手が話す内容を考えているとき、「間」をとらずに質問を重ねると、「相手は質問責めにあっているような気持ち」になって疲れてしまうと指摘します。*4

逆に、焦らず、追い立てず、適度に「間」をとりながら傾聴することで、相手との会話に深い理解が生まれたり、親密度が高まったりするといいます。*3

ですから、相手の話を聞くときは、少し「間」が空いたくらいで「それで?」「どうして?」とすぐに質問を投げかけるのはNG

相手が話しやすいように、余裕をもった姿勢でじっくりと話を待つことが大切です。そうすることで、相手もリラックスし、気持ちよく会話を続けることができるでしょう。

もしも、たった数秒間でも沈黙が苦手なら、以下を試してみてください。

📌沈黙が苦手な人が「間」を保って傾聴するコツ

頷きながら、相手の言葉を頭のなかで1回なぞる(内言語で復唱する)

 これにより、以下の効果が期待できるでしょう。

  • 速攻リアクションを防ぎつつ、自然な2〜3秒の「間」を保てる
  • 相手の発言を心のなかで繰り返すことにより、自分の理解に引き寄せて構造化でき、理解・定着を促進する

この方法、想像以上に傾聴力を向上させてくれます。ぜひお試しあれ!

***
ビジネスパーソンにとって重要な「ふたつの余白」をご紹介しました。ぜひ日ごろから「余白」を意識してみてください。以前には考えられなかったような「スムーズな仕事体験」が、どんどん増えていくはずです。

【ライタープロフィール】
こばやしまほ

大学では法学部で憲法・法政策論を専攻。2級FP技能検定に合格するなど、資格勉強の経験も豊富。損害保険会社での勤務を通じ、正確かつ迅速な対応を数多く求められた経験から、思考法やタイムマネジメントなどの効率的な仕事術に大変関心が高く、日々情報収集に努めている。

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