ChatGPTで勉強計画を立ててみた! 忘却曲線活用からクイズ作成まで徹底検証

デスクにてパソコンの画面をほほ笑みながら見る女性

「最近AIの話をよく聞くけど、勉強でも役立てられるの?」

「勉強の予定を立てるだけで時間がかかる……この作業、AIがやってくれないかな?」

こんな悩みをもっていませんか?

AIを活用することで、学習の効率を高め、内容の理解を深めることができます。今回は生成AIの中でも気軽に始められるChatGPTを利用するメリットや使い方をご紹介します。ぜひこの記事を参考にして、勉強にAIを取り入れてみてください。

生成AIを勉強に取り入れるメリット

生成AIを勉強に取り入れると、どのようなメリットがあるのでしょうか。1つ目のメリットとして、ゲームのような気軽さが挙げられます。

慶應義塾大学助教の出利葉拓也氏は次のように述べています。

“ゲームっぽさ” が学習の楽しさと結びつくと思っています。しかもAIなので「こんな基礎的な質問をするのは恥ずかしい……」とうしろめたく思う必要もありません。

(引用元:STUDY HACKER|「これからの10年で学習に革命を起こす」慶應助教が語る “脳の動きが見える時代”

たとえばChatGPTに質問をすると、まるでメッセージアプリで人とやり取りをしているかのように質問ができ、回答をもらうことができます。参考書に向かって勉強をするとなると、どうしても抵抗感があったり、飽きてしまったりしますよね。しかし、生成AIを使えば、まるでゲームのように気軽に勉強ができるのです。

また相手が人間でないため、恥ずかしがったり、迷惑だと思われないだろうか……などと心配する必要もありません。

2つ目のメリットとしては、24時間いつでもすぐに質問ができることが挙げられます。

講師や先生が相手であれば、相手の都合を考えて質問をする時間を選んだり、質問をしてもすぐに返事が来ないときもありますよね。しかし生成AIであれば、いつでも好きなときに質問ができて、返事もすぐに来るため、疑問が浮かんだそのときに解決できるのです。

デスクに置かれたノートパソコン

次に、気軽に利用できる生成AI、ChatGPTを使って勉強の効率を上げる方法をいくつかご紹介します。

AIにエビングハウスの忘却曲線で計画を立ててもらった

エビングハウスの忘却曲線をご存じですか? エビングハウスの忘却曲線とは、時間の経過と記憶の関係を示した曲線のことです。

東北大学加齢医学研究所教授の川島隆太氏は次のように述べています。

エビングハウス忘却曲線とは、約100年前にドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウスが発表した学習と忘却のプロセスについての研究です。(中略)研究結果から、復習のタイミングは、24時間以内、1週間後、1か月後と継続することが望ましいと報告されています。*1

つまり、復習をするたびに、次の復習タイミングを遅らせていくと効率がいいという研究なのですが、計算をしながら予定を立てるのは難しいものですよね。

エビングハウスの忘却曲線を知っていても、「聞いたことはあるものの、予定を立てるのが大変そうで実践していない」という人も多いのではないでしょうか。

そんなとき、AIを使えば、簡単にエビングハウスの忘却曲線に従った勉強計画を立てることができます

今回は次のように質問をしてみました。

11月20日に試験があり、必要な勉強時間は500時間、エビングハウスの忘却曲線を使って、5分野の勉強をする際の今日からの月間予定を11/20まで立ててください。

すると、返ってきた回答がこちらです。

基本条件
  • 8月11日~11月20日まで約102日間。
  • 必要な勉強時間は500時間。
  • 1日あたり約5時間の勉強が必要です。
  • 5分野の学習をローテーションで行い、復習タイミングをエビングハウスの理論に基づき設定。
エビングハウスの忘却曲線に基づく復習タイミング
  • 1回目の復習:学習直後(当日)
  • 2回目の復習:翌日
  • 3回目の復習:1週間後
  • 4回目の復習:1ヶ月後
スケジュール概要 フェーズ1(8/11~9/10):基礎学習と初期復習
  • 1分野ごとに4時間新しい内容を学習。
  • 学習後、1時間復習(その日の学習内容の復習)。
  • 翌日も復習時間を1時間確保し、前日の分野の内容を復習。
  • 各分野を5日ごとにローテーション。1週間28時間勉強目標。
フェーズ2(9/11~10/10):深掘りと復習
  • 各分野ごとにさらに4時間深掘り学習。
  • 土曜日:前週の学習内容を復習。5時間程度。
  • 日曜日:1週間のまとめ復習。各分野1時間ずつ計5時間。
  • 復習タイミングに合わせて、新しい内容と併行して前の内容を反復。
フェーズ3(10/11~11/10):総復習と過去問演習
  • 平日:各分野を2時間ずつ復習、1時間過去問演習(1日5時間)。
  • 土曜日:過去問に重点を置き、結果を基に復習。6時間。
  • 日曜日:1週間の総まとめ、模擬試験形式で3時間。
フェーズ4(11/11~11/19):仕上げ
  • 平日:弱点補強を中心に、各分野1時間ずつ復習(1日5時間)。
  • 11/18, 19:試験直前の最終確認とリラックス。3時間ずつ。
具体例(8/11~8/17の1週間)
  • 8/11:分野1の新しい内容を4時間学習。その後1時間復習。
  • 8/12:分野2の新しい内容を4時間学習。前日の分野1を1時間復習。
  • 8/13:分野3の新しい内容を4時間学習。前日の分野2を1時間復習。
  • 8/14:分野4の新しい内容を4時間学習。前日の分野3を1時間復習。
  • 8/15:分野5の新しい内容を4時間学習。前日の分野4を1時間復習。
  • 8/16:分野1の内容を復習(第3回目の復習)。
  • 8/17:分野2の内容を復習(第3回目の復習)。

このサイクルをベースに、日々の学習を進めてください。

このような調子で、11月20日までの計画が続きます。復習の間隔を伸ばしながら、学習プランを立ててくれました。ざっくりとした計画なので調整は必要になりますが、ここまで計画してもらえます。

自分でこの日程を作ろうとすれば、予定を立てるだけでかなりの時間がかかり疲れてしまいそうです。AIなら、指定した期間や条件で日程を立ててくれるのでとても便利ですよ。

デジタル機器を使いながらメモをとるビジネスパーソン

AIに1日の勉強計画を立ててもらった

仕事をしながら勉強している人は、隙間時間を使って勉強する必要があります。しかし、仕事やプライベートの予定をこなしながら時間をつくるのは簡単なことではありません。そんなとき、生成AIを使えば、簡単に一日の予定を立てることができます

たとえば次のように質問してみました。

1日3時間勉強をしたいです。9-18時まで仕事、出勤、退勤がそれぞれ1時間、朝食30分、晩御飯1時間、シャワー1時間で勉強時間を入れて1日の予定を立ててください。

すると、次のような答えが返ってきました。

一日の予定
  • 6:00 - 6:30 朝食
  • 6:30 - 7:00 出勤準備
  • 7:00 - 8:00 出勤
  • 8:00 - 12:00 仕事
  • 12:00 - 13:00 昼食
  • 13:00 - 17:00 仕事
  • 17:00 - 18:00 退勤
  • 18:00 - 19:00 帰宅
  • 19:00 - 20:00 晩御飯
  • 20:00 - 21:00 勉強時間 1
  • 21:00 - 21:30 シャワー
  • 21:30 - 22:30 勉強時間 2
  • 22:30 - 23:00 休憩またはリラックス
  • 23:00 - 24:00 勉強時間 3
  • 24:00 就寝準備

さらにこの後「ポイント」として、次のような記載がありました。

休憩の時間: 22:30から23:00までの休憩を設けることで、リラックスし、集中力を再度高めてから最終の勉強セッションに入ります。

柔軟性: 必要に応じて、勉強や休憩の時間を調整して、自分のペースに合わせることができます。

要望として入れていない休憩時間や就寝準備も入れて予定を立ててくれました。仕事の開始時間や退勤時間がずれ込んでいますが、これは「出勤、退勤がそれぞれ1時間」という書き方が曖昧だったため発生したミスだと考えられます。

質問の仕方に工夫は必要ですが、最適な勉強計画を立ててくれました。自分で予定を考えるより、簡単に1日の計画を考えてくれるのでとても便利です。

AIにクイズを出してもらった

AIに試験対策のためのクイズをつくってもらうこともできます。

筆者は弁理士試験の勉強中のため、次のように質問してみました。

弁理士試験の過去問を参考に、何か試験対策になる問題を出してもらえますか?5択ほどで選択問題をお願いします。

すると、このような答えが返ってきました。

問題: 特許法における「発明」の定義

次の文の空欄に最も適切な語句を選んでください。

「特許法第2条第1項によれば、特許を受けることができる発明は、__________を有するものでなければならない。ここでの『新規性』とは、発明が出願前に__________されていないことを意味する。」

  1. A) 進歩性、工業的利用
  2. B) 産業上の利用可能性、公知
  3. C) 新規性、発表
  4. D) 進歩性、公開
  5. E) 新規性、利用

解答例:

  1. C) 新規性、発表

解説:

特許法第2条第1項では、発明が特許を受けるためには「新規性」や「進歩性」、そして「工業的利用」が必要です。

「新規性」とは、発明が出願前に「公知」でないことを意味しますが、「発表」はその発明が公に知られることを示すため、この選択肢が適切です。ほかの選択肢は定義として正しくないか、文脈に合いません。」

かなりしっかりとした形式で問題を出してくれました。

しかし、難易度は実際の過去問よりも少し簡単で、実際に出題される形式とも異なっているようです。ただ、勉強に飽きたときに、気分転換として有効だと感じます。

また、ここからさらに「難易度を上げてください」「このような形式で出してください」といった具体的な追加の指示をすることで、より理想的なクイズを出せるように成長させることもできそうです。

PCが置かれたデスクに向かう女性

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今回は生成AIをどのように勉強の効率化に役立てられるのかについてご紹介しました。ぜひみなさんも試してみてくださいね。

【ライタープロフィール】
髙橋瞳

大学では機械工学を専攻。現在は特許関係の難関資格取得のために勉強中。タスク管理術を追求して勉強にあてられる時間を生み出し、毎日3時間以上勉強に取り組む。資格取得に必要な長い学習時間を確保するべく、積極的に仕事・勉強の効率化に努めている。

会社案内・運営事業

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    「STUDY SMART」をコンセプトに、学びをもっと合理的でクールなものにできるよう活動する教育ベンチャー。当サイトをはじめ、英語のパーソナルトレーニング「ENGLISH COMPANY」や、英語の自習型コーチングサービス「STRAIL」を運営。
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